【ツアー報告】九州縦断 出水と有明海 2015年1月22日(木)~24日(土)

アトリ/マナヅル/ナベヅル/カナダヅル/クロツラヘラサギ/オオハシシギ

 九州だからこその野鳥たちはもちろん、世界的希少種を含む多種多様な野鳥たちが観察でき、その年その年で珍しい野鳥が見られることが魅力の九州縦断ツアー。鹿児島から福岡まで移動することから日程がやや忙しいですが、各所に見所があることは言うまでもありません。今年は鳥インフルエンザの影響があり、現地の状況把握を慎重に行ないましたが、消毒ポイントを通過すれば問題なしとのことで予定通りに探鳥することが可能でした。また、カラフトワシの渡来がなくなったことに関しては、入れ替わるようにコウライアイサが連続して渡来していることから、探鳥地を変えて運行することにしました。
22日、強風の影響で機体が大きく揺れましたが鹿児島空港に無事到着し、現地集合のお客様と合流後、早速最初の探鳥地を目指しました。時より雨が降り、また晴れ間が出るという変化のある天候の中でしたが、間近にクロツラヘラサギの群れ、ツクシガモが見られ、アオアシシギ、タシギなども見られました。そしてこの後はコウライアイサを求めて移動しますが、この日は鹿児島に住む友人がお手伝いをしてくれるとのことで午前中からコウライアイサを探してくれましたが、たまたま運が悪く出会えず、ミサゴ、ヨシガモ、オシドリ、イカルなどを観察して出水に移動することにしました。あまり時間がないことから東干拓に直接向かい、ほぼ全てを占めるナベヅル、マナヅルを観察しながら、やや遠い位置にいたクロヅルを観察することができ、最後には4羽のカナダヅルの小群とヘラサギの姿を見ることができました。
23日はまだまだ暗い06:30に宿を出てツルたちの群翔を観察しに出かけます。この日は天気が良かったことから、太陽の光が射す中でナベヅルとマナヅルの飛翔を楽しむことができ、帰り際には名物でもある電線にズラリと並んだミヤマガラスの群れも見られました。朝食のために一旦宿に戻りましたが再度訪れた際には、タゲリ、ハマシギ、そして3羽のオジロトウネンの姿がありました。昼食後は河口へと向かい、九州では見やすいズグロカモメ、一見するとセグロカモメに似ている足の黄色いニシセグロカモメ、川ではヨシガモ、ウミアイサ、圧倒されるようなツクシガモの群れを見ることができましたが、今冬はオオズグロカモメが確認されていないとのことで、この日も出会うことはできませんでした。この後は佐賀に向かいますが、途中にあるポイントでは九州だからこそ見やすいホシムクドリの群れを観察することができました。例年は数羽といったところですが、今年は数十羽単位の群れを見ることができ見応えがありました。また飛翔するカササギの姿がありました。
24日、前日は鹿児島から佐賀までの移動ということで行程がやや忙しかったのですが、その分、最終日はゆったりとした探鳥が可能です。ホテル出発後は市内を流れる河川敷で探鳥をし、数羽のクロツラヘラサギの飛翔が見られたほか、カモ類を狙うオオタカ、ハヤブサ、アシ原ではオオジュリンやアオジ、モズなどが見られましたが、久しぶりにツリスガラの声が聞かれたため探してみたところ、アシ原内で採食する数個体のツリスガラを見ることができました。その後は有明海の干潟に向かいましたが満潮まで時間があることから周辺で探鳥し、コガモに混じるトモエガモ、アオアシシギ、ツルシギ、公園ではツグミと行動するホシムクドリを観察しました。干潟に出るとまだ潮は引いていましたが無数のツクシガモの姿が美しく、12:00の満潮が近づくにつれてどんどん干潟の面積が狭まってきます。最初は遠かったハマシギ、シロチドリ、メダイチドリ、ダイシャクシギは最終的には目の前まで来てくれ、その中にホウロクシギの姿があり、最後はオオハシシギの群れを観察して、市内の公園へ移動しました。たまたま工事中でしたがシロハラ、ジョウビタキ、ツグミなどが見られ、最後は数十羽のアトリの群れが枯れ木に群れ、花が咲いたような美しさでした。
今年の冬の九州ツアーは目立った珍鳥との出会いはありませんでしたが、クロツラヘラサギ、ヘラサギ、ズグロカモメ、ツクシガモ、クロヅル、カナダヅル、ナベヅル、マナヅル、カササギ、ホシムクドリ、ミヤマガラスの大群といった九州を代表する種に加え、今回は久しぶりにツリスガラに出会うことができたことが印象的でした。皆様お疲れ様でした。

石田 光史

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