【ツアー報告】冬の真岡市井頭公園 2015年2月4日(水)
エナガ/ルリビタキ/ベニマシコ/トモエガモ/ヨシガモ
冬は可愛らしい小鳥類が身近な環境でも観察しやすい季節です。また公園という場所は普段から人の気配が多く、そこに棲む鳥たちは比較的人間の姿を見慣れていることから、警戒心が薄く観察しやすい傾向があります。間もなく冬鳥観察も終盤に入ることから、この冬にぜひ見ておきたい冬の小鳥類をまとめて楽しんでいただこうという企画です。また、夕方は館林市周辺を巡り、ミヤマガラス、コクマルガラスなども探します。
当日は天候も良く予報も晴れとのことでこれといった心配もなく予定よりもやや早い07:55に東京駅前を出発しました。途中高速道路のSAで休憩をとりましたが、それでも2時間ほどで現地に到着し観察道具の準備をして早速園内を歩き始めました。歩き始めて間もなく我々の前をさっと横切る小鳥がいたため見てみると、いきなり青いルリビタキでした。樹上に上がり尾羽を振りながら周囲をうかがっているようだったので、望遠鏡を使って観察することができました。その後は池にいるカモ類を観察しました。例年であればオナガガモ、ヒドリガモ、マガモ、カルガモといったメンバーばかりですが、今年はトモエガモのオスの姿があり、しかも杭に止まっている状態で観察することができ、よく見ると湖面には数十羽のヨシガモが浮いていてさらに驚かされました。少し歩いて行くと杭に止まっているカワセミの姿があり、見ているとさすがは公園に棲む個体らしく間近にその姿を見ることができました。また見上げるとアカゲラが「キョッ、キョッ」と鳴いていて、おいしい餌を見つけたのか、一箇所に留まって幹をつついていました。またここでは例年それほど見やすい印象がないカケスがけたたましく鳴きあいながら飛び交っていました。薄暗い林の地面に目を向けるとアオジが餌を探しながら歩き回り、シロハラはガサガサと音をたてながら落ち葉を嘴で除けて昆虫を探していました。池の端まで歩いてくるとコガモの姿が多くなり、オカヨシガモもペアの姿もありました。その先のやや明るい林では再び青いルリビタキが柵に止まったり、地面に降りたりと忙しそうに動き回り、松林のある場所ではミヤマホオジロの小群に出会うことができました。ミヤマホオジロは十羽程度の群れでしたが警戒心が強いらしく移動しながら採食していました。たまたま1羽が樹上に止まったことから望遠鏡で見ることができましたが、草丈の高い草地で採食していることが多かったこともあり、やや見づらい感じでした。予想外に時間を使ってしまったため遅めの昼食になりましたが、昼食を食べた場所ではビンズイが早足で歩きながら餌を探し、樹液に集まるエナガの群れも見られました。また上空を飛ぶノスリ、オオタカも観察できました。昼食後は別の林を歩きましたがここではシジュウカラの群れが地面を歩きながら採食する様子を観察し、樹液を吸うアオゲラを観察することもできました。そして人気のあるベニマシコが桜の木に集まって芽をついばむ様子も見ることができ絶好のシャッターチャンスを演出してくれました。15:00頃には移動を開始し東京方面に向いましたが、途中にある館林ICで高速道路を降りて、周辺で探鳥をすることにしました。ここでは農耕地に群れる数百羽のミヤマガラスの姿を観察し、その中に1羽のコクマルガラス成鳥の姿がありました。小型で白黒がはっきりとした個体でしたが、警戒心が強かったことから車内から観察していただきました。また夕暮れ時は猛禽類の動きが良く、あちらこちらの電線にコチョウゲンボウの姿がありました。
冬の小鳥類を観察することを目的にしたツアーでしたが、今年はトモエガモ、ヨシガモという人気のある美しいカモ類が2種も越冬していて驚かされました。小鳥類も概ねよく見られ、人気のあるベニマシコ、ミヤマホオジロ、ルリビタキ、そしてアオゲラ、アカゲラ、シロハラ、ビンズイなどの定番種も勢ぞろいといった感じで楽しむことができました。皆様お疲れ様でした。
石田 光史