【ツアー報告】秋のシギチドリ巡り 東京湾と霞ケ浦 2016年10月3日

(写真:キリアイ 撮影:柳澤隆様)

秋の渡り期も後半になりましたが、シギやチドリ類の渡りはまだまだ楽しめます。春は潮干狩りの関係で海水域での観察が難しいですが、秋は問題なしということで1日で海水域と淡水域を巡ります。特に淡水域は私の地元ということもあり、事前の下調べもしっかり行いました。結果として個体数は多くはないものの、種類はかなり見られていました。ただ、当日の天気予報が芳しくなく、やや心配しながらの出発となりました。

3日、東京駅前を08:00に出発して40分ほど走り、まずは海水域での探鳥を行いました。到着後はそれぞれ長靴やサンダルに履き替え、トイレを済ませて干潟に向かいました。この日は徐々に潮が引いてくる感じだったためまずはシギたちが比較的目の前に寄っていました。さっと流すように見てみるとシロチドリ、ダイゼン、ハマシギ、ミユビシギの姿があり、まだまだ潮位が高かったことから、杭の上にも多くのシギチドリたちが止まっていました。その杭の上を見てみるとキアシシギ、オバシギ、オオソリハシシギの姿もあり、ダイサギ、アオサギ、コサギは長い足を生かして深い場所で採食していました。より近いところから観察するため、干潟の縁まで行ってハマシギやミユビシギを観察していると、どこからともなく数羽の小型シギ類が飛んできました。よく見てみるとそのうちの1羽がキリアイで驚きました。今期は先月あたりから見られていた種ですが、毎回のように見られる種ではないことから望遠鏡を使ってじっくり観察しました。水浴びをしたり羽繕いをしたりとなかなかのサービスでした。その後は見る見る近づいてくるオバシギ、オオソリハシシギを観察し、ハマシギの群れの中に混じるトウネンの姿もありました。その後は潮が引いてきたことから徐々にミヤコドリが飛来して浅瀬に降り、その美しい姿を見せてくれました。最終的には30羽ほどが群れ見事な景観になりました。その後は干潟内をやや歩き、キアシシギ、オバシギ、メダイチドリなどを観察し、さらに遠くを眺めるとオレンジ色の足が目立つハジロコチドリの姿がありました。途中で雨が降ってきてしまい、傘を差しながらの観察となりましたが10:30まで観察してその後は淡水域のシギチドリ類ポイントに向かいました。途中にあるサービスエリアで休憩をとり、同時に少々早い昼食としました。その頃からは一時的に止んでいた雨が降り出し、小雨模様になりました。現地に到着後はひとまず周辺の水田を巡りましたが、この時期はチュウサギが多く、その中により首が短いアマサギの姿もあり、電柱の上ではミサゴが食事していました。時間が過ぎるにつれて雨が激しくなるとの予報だっため、まずは歩いて探鳥しなくてはならない場所に向かいました。小雨のため傘を差しての観察となりましたが、まずは3羽で採食するツルシギの姿があり、その後はハス田でコチドリ、オジロトウネン、タシギを観察しました。ここ数年は比較的小型のシギ類が見られることが多く、オジロトウネンはその代表種といえるでしょう。その後は場所変えて観察しましたが、やはり雨の中でした。ここでは10羽ほどのタカブシギの中にアオアシシギ、コアオアシシギ、アカアシシギが混じっていました。シギチドリ類観察では同じ場所にさまざまな種がいることが多く、比較しながら観察できることも特徴です。大きさをはじめ、嘴の形、足の色などそれぞれの特徴を観察することができました。ただ、この後はかなり雨が激しくなってしまったため、バス車内から観察可能な場所に向かいました。まずはタカブシギの姿があり、近くにはよく似ているクサシギ、さらには足の長いセイタカシギが歩き回り、よく見ると1羽のツルシギの姿もありました。結局、雨に追われるように観察を終了しなくてはなりませんでしたが、予定していた場所は全て回ることができました。

今日は天気が悪く、ご苦労の多い1日になってしまいました。ただ、海水域、淡水域の両方を巡り、キリアイ、ハジロコチドリ、オジロトウネン、アカアシシギ、ツルシギ、セイタカシギなど、シギチドリ類22種を観察することができました。来月には越冬中のシギ類を求めて再度ツアーを企画しております。この頃にはタゲリの群れが渡来し、ムナグロ、エリマキシギ、オオハシシギなどが加わることが予想されます。またの機会にシギチドリ類観察にお出かけ頂けましたら幸いです。この度は大変お疲れ様でした。

石田光史

サギ類の群れ 撮影:柳澤隆様

サギ類の群れ 撮影:柳澤隆様

 

クサシギ 撮影:柳澤隆様

クサシギ 撮影:柳澤隆様

 

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