【コラム なるほど・ザ・世界の鳥たち】オーストラリアの鳥2
神秘的で危険な鳥 ヒクイドリ
オーストラリア北部やニューギニアの密林に住むヒクイドリは、身長2m近くにもなる大型のダチョウの仲間です。ジャングルの中を音もたてずにひっそりと歩きまわり、熱帯林の森の精のような神秘的な雰囲気の鳥です。ところがヒクイドリはオーストラリアでは「最も危険な鳥」とされています。この鳥は意外なほど人家の近くにも住んでいて、ケアンズ郊外などの森林性の公園では、気をつけるようにという看板が随所に立てられているほどなのです。
いったいこの鳥の何が危険なのでしょうか。実はヒクイドリは足の指に長さ5㎝以上もある長い鋭い爪を持っていて、野犬などからヒナや自身を守るときなどこれで蹴りつけて反撃するのですが、散歩中の犬やその飼い主までも襲うことがあります。熱帯林の林床の泥や腐葉土は腐敗菌など雑菌のかたまりのようなもので、この泥にまみれた足で蹴りつけられた相手は傷口からの感染のため、かつてはほぼ100%、敗血症で死んだそうです。ヒクイドリと遭遇したときは、静かに動いてその場から去るのが。敬意を持って観察しましょう。
・ 今回ご紹介したヒクイドリが期待できるツアーはこちら!