【世界の花旅案内人・冨山 稔のひとりごと(15)】青いケシ事始め その12

(写真:グレイ・ウィルソンにより新亜種記載されたメコノプシス・シンプリキフォリア亜種シンプリキフォリア

チベットの青いケシ2種の話、シンプリキフォリアとプライニアナ

2002年の私のチベット調査で見たメコノプシス・シンプリキフォリアがある。シンプリキフォリアはシッキムやブータンでよく見かけるが、花弁は紫色が主で、青くない。ところがここチベット東部のものは花弁も大きく、素晴らしく青い色だ。また花糸が白いので、ブータン、シッキムなどのものと大きく違う。この地のシンプリキフォリアはグレイ・ウィルソンにより、亜種グランディフロラとして独立した。もっともな扱いだと納得したものである。

さらにこの調査で観察したのは、メコノプシス・プライニアナである。調査の時点ではまだ花はつけていなかったが、とげの形状がほかの青いケシと違っている。翌年花のついた株を見た。大きな株で、花弁は明るい空色で事のほか美しい。キングドン・ウォードにより発見されたが、英国の文献を見ても全く無視されている。なぜこの特徴的な青いケシが表に出ていなかったのか不明だ。近年、英国の学者がこの周辺に調査していなかったのか。。。

メコノプシス・プライニアナ変種プライニアナ

メコノプシス・プライニアナ変種プライニアナ

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