【ツアー報告】春の与那国島 2015年3月31日(火)~4月3日(金)

今回は与那国島での探鳥に集中するべく、集合時間を早めて羽田から石垣島を経由して与那国島に向かい、初日から与那国島での探鳥が可能なコース設定にしました。早朝の羽田空港はまだまだ閑散としていましたが、お客様がご集合される頃には団体客も増え、いつの間にかいつもの賑やかな羽田空港になっていました。
渡りを狙った離島での探鳥は、一般的には天候に変化があったほうが良いと言われていますが、これも必ずという話ではないように感じています。今回はツアー4日間を通して概ね天候は良く、風のない時間帯は暑さを感じることもありました。
到着した31日はまず空港にて各自で昼食をとっていただき、その後は今回宿泊する島内唯一のホテルであるアイランドリゾートへと向かい、ロビーにて観察機材の準備をして探鳥に出発しました。まずは東崎にオオチドリがいるとのことで現地に向かうと、そう簡単には見られないような夏羽のオオチドリの姿があり、思いのほかじっくりと観察することができました。その後は久部良で海上を飛ぶカツオドリ、林ではアカハラダカ、池ではシマアジ、またバスの前を横切っていくミフウズラ、夕方には祖納で美しい夏羽のアカガシラサギ、電線に群れるギンムクドリ、カラムクドリ、ホシムクドリ、コムクドリの豪華なムクドリ類の群れを観察することができました。
1日はまだまだ暗い06:00に出発して祖納へ。与那国島は早朝に天候が悪く、風が強いことが多いのですが、この日はまさにそういった状況でしたが、リュウキュウコノハズクの声が聞かれ、水田ではシロハラクイナの姿がありました。また塒となっているアシ原から飛び出してきたシロガシラが電線にズラリと並びました。朝食後は昨日オオノスリの姿が見られたというポイントに向かいました。現地に到着するとその姿が空港のフェンス上にあり、やや遠かったことからできる限り近づいて観察しましたが、頭部がかなり白い個体でした。またここでは無数のツバメが乱舞する中にアマツバメの姿があり、付近ではツメナガセキレイも飛び、渡りの島である感じがしました。その後は水田でコチドリ、クサシギ、タカブシギ、飛翔するツバメチドリ、岩礁では南西諸島らしいクロサギの白色型を観察しました。また草地ではノビタキのオスとメス、与那国島では比較的普通に見られるシマアカモズの姿をじっくり観察することができました。
2日も06:00にホテルを出発し祖納を目指します。この日は風も無く穏やかだったことからリュウキュウコノハズクの声をよく聞くことができ、アカガシラサギが飛翔し、再びギンムクドリ、カラムクドリ、コムクドリの群れに出会うことができました。朝食後は水田で地面に降りているツバメチドリの群れを見つけることができ、じっくりと観察することができました。この鳥の夏羽が見られる確率が高いのも与那国島の特徴と言えるでしょう。午後からは再び久部良の草地を歩くことにし、アマサギ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、飛翔するオオノスリ、そしてキビタキの声を聞くことができました。その後は比川でハクセキレイの亜種、ホオジロハクセキレイ、シベリアハクセキレイ、東崎でジョウビタキ、海岸では昨日から見られているムナグロの群れ、岩礁では飛び去るアカショウビンの姿を見ることができました。
3日は帰りの飛行機の時間を考慮し、早朝探鳥の時間を長めにとり、朝食の時間をやや遅めにして探鳥時間を長めに確保することにしました。前日同様06:00にホテルを出ると、この日はキンバトの声を聞くことができました。ただ、新たな珍鳥に出会うことはなく、ここまで観察してきた種を改めて観察して終了しました。
今年の春の与那国島はセキレイ類、シギ、チドリ類が少ない印象がありました。シギ、チドリ類が少ないことに関しては、以前は水田であった場所が草地のように荒れてしまっていることが原因のように思いました。一方で、長年春に与那国島を訪れていてもなかなか見ることができないような、美しい夏羽のオオチドリに出会うことができ、アカガシラサギ、ツバメチドリ、オオノスリといった比較的観察頻度の高い珍鳥、そしてギンムクドリ、カラムクドリ、ホシムクドリ、コムクドリといったムクドリ類が良く見られました。好天続きでやや暑い中での探鳥でした、皆様お疲れ様でした。
石田 光史

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