【ツアー報告】沖縄やんばるの森の固有種たち 2016年6月12日~14日
(写真:ヤンバルクイナ 撮影:須﨑明男様)
12日、12:05 羽田空港、伊丹空港からのお客様と那覇空港で合流。昨日から土砂降りで大雨・洪水警報が発令され雨がずっと降り続いている。沖縄の梅雨は内地のようにシトシトシトシトといつまでも降るようなことはなく、バッーと降ってはカラッと晴れるを繰り返すのだが、梅雨明け前だけはこれでもかと降るのである。
昼食後、北上してやんばるに向かう。やんばるとは漢字で「山原」と書き、沖縄本島北部一帯を示し、亜熱帯の豊かな森が広がる地域である。林道を専用車でゆっくりと走って行くと、かなりの数のホントウアカヒゲが道路の脇で餌を採るが直ぐに飛び立ち、ヤンバルクイナも数回道路を横切るが、いずれもじっくりと観察までには至らない。ただ、ズアカアオバトが餌をついばむ姿を見ることができた。18:10 相変わらず激しい雨が続いているので諦めてホテルへ行こうと思ったが、ちょっとだけ小降りとなったので、もう一度、最近よく見られるポイントに戻ると1羽のヤンバルクイナが雨宿りから河原に出てきて羽づくろいや伸びをはじめた。それを皆さんでじっくりと観察・撮影する。18:35 やんばるの山の中のホテルに到着。
13日、一晩中、激しい雷と横殴りの雨で何度も目が覚めた。朝05:40、どんよりと曇っているが雨は降っていない。最新ポイントに専用車でゆっくり向かう。ホントウアカヒゲが道路の脇で餌を採るが暗い。さらに進むと、道路で餌を採るヤンバルクイナのペアを発見。やっと皆さんでじっくりと観察・撮影する。ノグチゲラのドラミングがするので探しているとリュウキュウアカショウビンが大声で鳴きながら飛来して近くの木にとまる。ホントウアカヒゲのオスが道路の脇の木で鳴き出すと、それに呼ばれたのか幼鳥も2羽同じ木にとまり、全員で観察・撮影する。その後もちらちらとヤンバルクイナやホントウアカヒゲが見られるが直ぐに藪に入るので消化不良である。天気は相変わらず土砂降りになったり小降りになったりを繰り返す。08:05 朝食のためホテルに戻る途中、道路を渡るヤンバルクイナのペアを発見。何となくいつもと動きが違うので待ってみると草地に巣立ちビナがいた。さらにオスも戻り、再びペアが道路を渡ると、ヒナも道路を渡ろうとするが草地から出られない。再び親鳥が戻るとヒナも出てくる。そんな行動を繰り返す親子の姿を皆さんでじっくりと観察・撮影する。
朝食後、再び林道に入る。あちこちでホントウアカヒゲが道路の脇で餌を採る。モクマオウにとまっているリュウキュウアカショウビンを発見して全員で観察する。さらに林道を進むと、アカヒゲのオスがガードレールにとまって囀る。するとノグチゲラが近くで鳴く。慌てて車から降りて探すと、木の皮を剥いで餌を探しているノグチゲラを発見。直ぐに我々の頭上を越えて近くの木に止まったため全員でじっくりと観察する。雨が小降りになるとリュウキュウサンコウチョウをはじめ、やんばるの鳥たちが一斉に囀りだす。さらにゆっくり走っているとノグチゲラが道路脇の木から飛び出し谷の木にとまる。頭の赤いオスが鳴くともう1羽が林内から答える。そんな姿を皆さんでじっくりと観察する。遅い昼食後、那覇まで移動してクロツラヘラサギ2羽の採餌シーンを見てから17:20に 庭にプールのあるリゾートホテルに到着。
14日、05:40 いまにも降り出しそうな中を出発し耕作地でセッカ、シロガシラ、ヒヨドリ、イソヒヨドリなどを観察しながらゆっくりと走る。しかし、06:20に前が見えないほどの土砂降りとなり観察が困難となる。そこで、雨雲レーダーとピンポイント天気をみると、激しく降っているのは南部だけで中部以北は降っていないようだ。さらに中部に住んでいる友人にメールをしたら薄日が差しているという。そこで、予定を変更して北上する。こんな時は臨機応変に対応してくださる運転手さんにつくづく感謝なのだ。耕作地をゆっくりと走ると、いきなりリュウキュウヨシゴイのオスが飛び出し休耕田に降りる。全員が見られなかったので、降りた辺りを探していると再び飛び立ち今度は全員で観察・撮影する。カルガモ、アマサギ、コサギ、ダイサギ、バン、シロハラクイナ、シロガシラなどを観察しながらゆっくりと走ると、クロハラアジサシの夏羽が数羽飛ぶ。サギ類の群れの中にアカガシラサギのやや夏羽を発見。さらにレンカクのやや夏羽も発見。そして、最後にリュウキュウアカショウビンを見てから那覇空港へと向かったのである。
ほとんど土砂降り一時小降りという悪天候の中ではありましたが「やんばる3点セット」とレンカクを堪能したツアーとなりました。みなさまお疲れ様でした。
宮島 仁