大きいだけじゃない 毒まで持つコモドオオトカゲ
コモドオオトカゲ(Varanus komodoensis) (撮影:ポリタリウスさん)
体長が3m以上にもなる世界最大の爬虫類‐コモドオオトカゲ。世界中でインドネシアのコモド島と隣りのリンチャ島という2つの小さな島にだけ生息する稀少なトカゲです。乾燥したサバンナに住むこのトカゲの主な餌は腐肉ですが、生きたイノシシやシカ、家畜の山羊や豚なども襲います。じっと待ち伏せをして噛みつくのですが、かみ殺すのではありません。ワニほど顎の力は強くないのです。では、どうやって? 噛みつくのは、歯に大量に付着している腐敗菌の感染で敗血症を引き起こし、やがて弱って死ぬのを待ち、おもむろに食べる、と長らく考えられてきました。しかし最近の研究で、コモドオオトカゲは血液が固まるのを妨げる性質のある毒を持っていて、噛みつくとこの毒が血管に入り、血が止まらずに、失血によるショック死をさせていることがわかったそうです。ヘビとは違って、毒を持つトカゲは非常に少なく、他にはアメリカ大陸で2種が知られているだけで、コモドオオトカゲはとても貴重な動物なのです。
9/25発フローレス島とコモド島バードウォッチングツアーでは、コモドオオトカゲを観察するチャンスがあります。詳細はこちら