【ツアー報告】珍鳥の宝庫 春の飛島 2015年5月2日(土)~5日(祝)
いよいよ春の渡りの季節になりました。この時期は宝探しのような探鳥ができる日本海側の島々に出かけるのがすっかり定番化しています。島に渡るには定期船を使うのが一般的なため何かと欠航が心配なのですが、今回は波の状況も良いとの予想だったため安心して当日を迎えることができました。
2日、連休初日ということもあり、朝の東京駅はものすごい人でした。我々は新幹線の車内集合のため皆様それぞれスムーズにご集合いただき、まずは新潟駅に向いました。新潟駅では思った以上の人混みに苦労しましたが無事乗り換えを済ませて酒田駅に向かいました。その後は酒田駅から酒田港へ、ここで現地集合のお客様と合流し、定期船で飛島に向かいました。船のデッキからはオオミズナギドリやウトウ、コアジサシ、そしてトウゾクカモメの姿をご覧になった方もいらっしゃいました。飛島到着後は一旦宿に入って16:00から探鳥を開始しましたが、これといった情報はなかったことから小学校のグランドに行くことにしました。晴天続きだったので鳥は減少傾向だそうでしたが、オオルリのオスの姿が非常に目立ち、キビタキ、そしてセンダイムシクイの姿もかなり目立ちました。また高木に止るカラスバトの姿を望遠鏡で観察できたのが幸運でした。
3日、05:00から探鳥を開始し、まずはウミネコの繁殖地、崖で休むハヤブサを観察。歩き出そうとすると道端にクロツグミとアカハラ、アオジ、ホオジロが出てきて餌をついばんでいました。畑まで行くとこの日もオオルリのオスの姿が目立ち、ある場所ではサンショウクイがゆっくりとその姿を見せてくれました。他にもジョウビタキ、コムクドリ、トビを追い回すハヤブサ、帰り際には水場でクロジの姿が見られました。朝食後は再び小学校方面に歩きました。途中ミサゴが飛び、またまたカラスバトの姿を見る機会に恵まれました。この日はオオルリ、キビタキ、センダイムシクイに加え、エゾムシクイの姿も多く、ミヤマホオジロの姿も見ることができました。岬では飛翔するツツドリの姿も見られました。ダム湖ではクサシギ、アマツバメ、展望台からはウミアイサ、アカエリカイツブリの姿がありました。一旦宿で昼食を食べた後は再び同じコースを歩き、ビンズイ、ツグミの群れ、ルリビタキなどを観察しました。
4日、前日同様、05:00から探鳥を開始。天気予報は曇りでしたが朝から青空が見えていました。この日もハヤブサの飛翔が見られ、あちらこちらからコルリのさえずりが聞こえていました。ある場所ではカキの木で歌うウグイスの姿をじっくりと見ることができ、不意にカラスバトが我々の頭上を飛翔し驚かされました。歩いてみた印象としては、この日は鳥がやや減った印象がありましたが、ジュウイチのさえずりが聞こえたり、ホオアカの姿があったりと新たな種が島にやってきたことを実感することができ、最後は島では珍しいアカゲラの姿をじっくりと観察することができました。朝食後はムギマキの情報のあった場所に向かいましたが、結局ルリビタキのみ。その後はダム湖でマガモ、展望台からはウミアイサ、アカエリカイツブリを観察しましたが、突然現れたハヤブサが急上昇、急降下を繰り返しながらハクセキレイを見事に捕獲するシーンを見ることができました。この日は夕方から雨予報だったため昼食を遅めにして状況を見ることにしましたが、予報通りに食後には雨足が強まっていました。どうしようかと思いましたがとりあえず小学校まで行き、じっくりと待ってオオルリ、キビタキ、センダイムシクイ、ビンズイ、アオジなどを観察しましたが、気が付くと雨は上がっていました。ただ夜からは雨足は再び強くなり、明日に期待を持たせてくれる状況でした。
5日、雨はすっかり上がっていたため予定通り05:00に出発。雨上りということで期待しましたが鳥が増えた印象はなく小学校でオオルリ、ヘリポートではツグミ、アトリ、ただ、コマドリ、コルリの声を聞くことができ、最後にようやくムギマキの姿を見ることができました。全体的には鳥たちの入れ代わりが少ない4日間でしたが70種ほどの鳥たちを楽しむことができました。やや風があったことから心配された帰りの定期船は遅れがあったものの運行され、帰りのデッキからはオオミズナギドリ、ウトウ、渡っていくオグロシギの群れが見られました。
離島での探鳥は定期船の欠航がある場合があり、旅程をスケジュール通りにこなすことが難しいのですが、今回は無事に終えることができました。鳥の動きが今一つでしたが、カラスバトを複数回見ることができ、最後はムギマキが現れてくれました。当たりハズレはありますが今後も春と秋は離島にぜひお出かけください。この度はお疲れ様でした。
石田 光史