【ツアー報告】トウゾクカモメ類に会いたい!東京~八丈島航路 2025年4月19日~20日

春の東京~八丈島航路といえば海鳥出現状況の調査乗船を15年以上前に開始し、その後、2012年からツアーを開始して早いもので13年が経ちました。当時は定期航路から海鳥を観察するといった概念はほとんどなく、外部デッキから双眼鏡で海を眺めている人を見かけることはほとんどありませんでした。そういったさまざまな経緯を経て、当時私の憧れの海鳥だったアホウドリを観察するツアーを開始し、開始当初は苦戦の連続ながら、現在はアホウドリの個体数増加に伴って安定的に見られるようになり、ツアーとしては定番になりました。ただ今回はアホウドリ類のピーク時期をあえて外し、トウゾクカモメ類やミズナギドリ類、カンムリウミスズメ、オーストンウミツバメといった、この航路で見られるさまざまな海鳥を見ようというツアーを企画してみました。

19日、ここのところめっきり春を通り超して初夏のような東京都内。この日も最高気温が23℃と汗ばむような陽気でした。20:00に合わせて竹芝桟橋に向い、航海状況を確認しましたが、翌日は風速5m、最大波高は1.5mと、一年中荒れているイメージが強いこの伊豆諸島航路とは思えないベタ凪ぎ予報が出ていて、そのため寄港する3島いずれも条件が付いていませんでした。21:30にご集合後は資料の配布、トラベルイヤホンの配布と使用方法説明を行い、その後はこの時期の海鳥のみどころなどを解説してから22:10に乗船し、東海汽船橘丸は予定通り22:30にまずは三宅島に向けて出港しました。この日は他に出航する船がなかったことからやや寂しい雰囲気の中での出航でした。

*諸般の事情により詳しい出現状況をウェブサイトでは公開しておりません。

長らくツアー企画してきた大洗~苫小牧航路での海鳥観察ツアーが新造船就航に伴いきなくなってしまい、海鳥観察が可能な定期航路は、この東京~八丈島航路と東京~小笠原父島航路、八戸~苫小牧航路のみとなってしまいました。そのため大洗~苫小牧航路で普通に見られていた定番のミズナギドリ類が観察しづらい状況になってしまいました。そんな中、今回はアホウドリ類を主役として長らく企画してきた、この東京~八丈島航路の時期をやや遅めにして、アホウドリ以外の海鳥たちを狙ってみました。結果的にはトウゾクカモメ類が見られず残念な部分はありましたが、大洗~苫小牧航路で春の定番であった、ハシボソミズナギドリやアカアシミズナギドリ、さらにはシロハラミズナギドリ、カンムリウミスズメなどが見られ、アホウドリ、クロアシアホウドリもしっかり見ることができ、一定の成果を挙げることができました。今後もさまざまな海域で海鳥観察ができるツアーを企画予定ですのでぜひまたご乗船ください。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

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