【ツアー報告】2等寝台で行く!春の小笠原 チャータークルーズと母島のメグロ 2025年4月1日~6日

(写真:ザトウクジラ 撮影:天野昌弘様)
2011年に世界遺産に指定された小笠原に生息するさまざまな生き物にスポットを当てた春恒例のツアー。東京~小笠原父島航路ではアホウドリ類3種やオーストンウミツバメ、オナガミズナギドリ、シロハラミズナギドリ、父島ではクルーズ船をチャーターして海鳥や繁殖期間に入ったカツオドリ、この時期限定のザトウクジラの親子を探します。ザトウクジラはアクティブな鯨類のため、豪快で神秘的なブリーチングが楽しめます。また母島にはメグロをはじめ、オガサワラノスリ、アカガシラカラスバト、ハシナガウグイスが生息しています。春の小笠原は夏に比べると海況が不安定なためややリスクはあるものの、気温も20℃前後と涼しく、汗だくになって徒歩探鳥をすることがないため体力的にも安心で、夏のギラギラとした太陽光がなく、小鳥類に関しては撮影向きの印象があります。この日のおがさわら丸は春としてはやや多めの511名を乗せて父島に向って出航しました。
1日、この日の東京都内は前日からの雨がまだまだ降り続き、予想最高気温はなんと7℃と真冬並みで、山間部では雪の予報まででていました。今回は4月の1便目ということもあって集合場所の竹芝桟橋はかなり混雑していて、09:00過ぎに竹芝桟橋に行くと人、人、人といった感じでした。09:30にご集合いただいた後はツアー資料、乗船券の配布、トラベルイヤホン使用方法の説明、また今回は日程が長いことから6日間の流れと翌日までの連絡事項をお伝えしてから乗船しました。そして曇り空から小雨が落ちてくる中、おがさわら丸は11:00に出港し、東京湾内を出るのに3時間ほどかかることからまずは昼食や船内見学に時間を使っていただき14:00から観察を開始しました。
*詳しい出現状況をウェブサイトでは公開しておりません。
小笠原というと夏の海鳥観察ツアーや年に一度の硫黄島クルーズに人気があり、もはや定番化していますが、今回は海鳥をはじめ、小鳥類そして鯨類もお楽しみいただけるツアーでした。往復の航路では春の主役のオーストンウミツバメが数多く見られ、アホウドリ類3種やオナガミズナギドリ、シロハラトウゾクカモメ、カツオドリなどが見られ、今回は春には珍しくアオツラカツオドリに出会う幸運もありました。またチャータークルーズでは海況悪化でわずかな時間になってしまいましたが、ザトウクジラを間近に見ることができ、ははじま丸からはザトウクジラの豪快なブリーチングを見ることもできました。また母島、父島ではアカガシラカラスバト、オガサワラノスリ、ハシナガウグイス、メグロといった定番種に加え、渡り途中のムナグロ、キョウジョシギにも出会えました。夏にはよく来ている小笠原ですが、今回訪れてみてあらためて気候の良さを感じ、心地よく過ごせることを感じました。今回はいろいろあった5泊6日の長旅、お疲れさまでした、またご一緒できましたら幸いです。
石田光史