【ツアー報告】モロッコ バードウォッチング 2025年3月18日~27日

(写真:ホオアカトキ)
北アフリカのモロッコは北アフリカでも西側に位置し、日の沈む地を意味するマグレブと呼ばれる国のひとつです。国土の多くがサハラ砂漠に占められている国ですが、今回は観光地としても人気の高いマラケシュから、アトラス山脈を越えてサハラ砂漠に入り、大西洋岸まで、ぐるっとこの国をまわってきました。
今回、モロッコを訪れた最大の目的のひとつがホオアカトキというトキの仲間を観察することでした。もともとは地中海沿岸の各地に分布する鳥でしたが、多くの場所で絶滅してしまい、現在ではトルコとモロッコなどにわずかに生息しているだけで、モロッコは最大の生息地となっています。しかし生息地である国立公園を訪れると、そこは地平線まで広がる砂漠、ここで探すのか・・・と思っていたところ、遠くを飛んでいく3羽を確認することができました。距離はあったものの稀少なトキを観察できたことを喜んでいると、次いで砂浜で採餌する個体、そして我々のすぐそばを飛んでくれる個体を観察する幸運に恵まれました。
モロッコでの探鳥は砂漠が中心であるため、確認できた鳥の種数はアフリカとしては少なめでしたが、地中海対岸のヨーロッパとは別種とされる、この地域特産のアフリカズアオアトリやマグレブカササギや、砂漠ならではのサケイの仲間やサバクヒタキの仲間など、モロッコだからこそ観察できた独特な顔ぶれの鳥たちを楽しむことができたツアーでした。今後、モロッコのツアーを企画する予定は今のところありませんが、来年は西アフリカのセネガルのツアーを企画しようと思っていますので、こちらも発表をお待ちいただければと思います。
田仲謙介