【ツアー報告】アホウドリ類3種に会いたい!東京~八丈島航路 2025年3月21日~22日

(写真:アホウドリ 撮影:安武弘幸様)
過去、4月上旬に企画してきた東京~八丈島航路ツアーですが、ここ数年はアホウドリ、コアホウドリ、クロアシアホウドリのアホウドリ類3種を一気に観察できるよう企画変更しました。そもそも海況が良くないことが多い伊豆諸島航路において、この3月ももちろん海況が悪いことが多く心配ではありましたが、アホウドリ類3種をこの航路で見るにはこの時期が最も良いと判断し、リスクを承知の上で企画しました。主役のアホウドリは翼開長240cmと圧倒的な存在感を誇り、このツアーを始めた頃は、まだまだ幻の海鳥的存在で定期航路から観察できるという概念はありませんでした。ただツアー企画後は個体数の増大も手伝って、年々、観察頻度が上がってきました。またコアホウドリ、クロアシアホウドリも良く見られる時期のため楽しみが増えました。今回は東京都内の最高気温が18℃と前週までの厳しい寒さはなくなってはいるものの、海上は最大で風速14mの強い西風が吹き、最大波高3.0ⅿとこの時期らしい荒れ模様ながら天候は快晴との予報が出ていました。
21日、我々が乗船する橘丸はこの時期は混雑することはないのですが、この日は週末であること、そして神津島に向かうさるびあ丸の出航もあることから竹芝桟橋はかなり賑やかでした。チケットが受け取れる20:00に合わせて竹芝桟橋に到着後は準備を進め、予定通り21:30にご集合いただき、資料の配布、トラベルイヤホンの配布と使用方法説明を行いました。そして今年も山階鳥類研究所の平岡考さんにお越しいただき、アホウドリ調査、保全の現状、そしてマンスリーサポーターについてお話をしていただきました。その後は翌日の連絡事項、また念のため緊急時の対応方法をお伝えしてから22:15から乗船し、東海汽船橘丸は予定通り22:30にまずは三宅島に向けて出港しました。この日は三宅島、御蔵島、八丈島すべてについて条件付きでの出航でした。
*諸般の事情により詳しい出現状況をウェブサイトでは公開しておりません。
私が海鳥観察をはじめた頃は定期航路でアホウドリが高確率で見られる日がくるとは夢にも思っていませんでした。ただ保護活動の成果もあって、かつては幻の海鳥だったアホウドリが身近な海鳥になりつつあること年々実感するようになってきました。今回は春の伊豆諸島航路らしさが出てしまい、大きなうねりと強烈な西風にさらされる中での観察になりました。アホウドリの観察個体数はやや少ないかなといった感じはありながらも、主な目的だったアホウドリ類3種に出会うことができました。ほかにも今回はオオミズナギドリの巨大な群れには出会えなかったものの、カンムリウミスズメが比較的良く観察できました。今後もさまざまな海域でさまざまな季節に海鳥観察ができるツアーを企画予定です。この度はご参加いただきましてありがとうございました。またご一緒できましたら幸いです。
石田光史