【ツアー報告】漁港の海鳥を満喫!冬の銚子と波崎 2025年3月1日

(写真:シロカモメ 撮影:小林浩様)
関東圏で冬に絶対に行きたい探鳥地といえば銚子漁港でしょう。カモメ類、カイツブリ類、海ガモ類といえば、まず真っ先に思いつく探鳥地であることは間違いないし、特にカモメ類観察に関しては日本一といっても過言ではないはずです。ただ、銚子漁港は地図で見るよりも実際には意外と遠く、交通のアクセスも悪いためなかなか足が向かないのも事実で、その点からいえばツアー向きと言えるでしょう。比較的大人数でも鳥や環境に影響を与えることがなく、難解なカモメ類の識別に関してはむしろ大人数でいろいろと話し合いながら行ったほうが楽しいものです。ただここ数年は越冬しているカモメ類の数が少ないそうで新聞記事にもなるほどでした。一方、ここ数年は極めて珍しいヒメカモメやチャガシラカモメ、さらにはオオホシハジロ、メジロガモも記録され、オオホシハジロに関してはこの冬も越冬が記録されているようでした。タイトルは冬で3日には積雪予報が出ているにも関わらず、この日は異常に気温が高く最高気温は17℃の予報が出ていました。
1日、この日の東京駅前は翌日に控えた東京マラソンの準備が進んでいました。天気は快晴でこの日の東京都内の最高気温は19℃とのことで初夏のような陽気になるとのことでした。もちろん我々が訪れる銚子、波崎も同様に季節外れの陽気になるとのことでした。予定通りご集合が完了したことから08:00に東京駅前を出発してまずは東関東道を走りました。移動中のバス車内ではこの日に見られる可能性が高い種の中から、主にカイツブリ類、カモメ類の識別について予習しながら進み、途中、サービスエリアでの休憩を挟んでまずは茨城県の波崎港に到着しました。ここで各自観察機材の準備をしていただいてからまず波崎港を見てみました。この冬は小鳥類がほぼ見られていないのですが、カモ類も同様に少なく、ここでも数羽のカンムリカイツブリは見られたものの、カモ類はクロガモがたった1羽見られたのみでした。その後も全体的に見てみましたが、キンクロハジロ、スズガモ、ウミウが見られたのみで河口に移動しました。ここでは数羽で群れているハジロカイツブリ、オカヨシガモが見られ、さらに移動すると堤防にはセグロカモメ、オオセグロカモメが見られ、2羽で並んでいるカモメも見られ、ユリカモメが飛んでいました。またここではホシハジロ、ハジロカイツブリ、カイツブリの姿もみられ、この後は一旦、銚子漁港に移動して各自昼食の時間としました。ただ移動中に各漁港を見てみると、たまたま水揚げがあったようで、意外なほど数多くのカモメ類が乱舞していました。朝食後は早速、カモメ類が群れている場所にとは思いましたが、水揚げの最中は仕事の邪魔になってしまうこと、また大型車両が往来して危険なことから、まずは第三漁港に行ってみました。ここは水揚げには無関係で、まずはアオサギ、コサギ、クロサギが並んで餌を捕っている場面が見られ、付近ではツグミ、イソヒヨドリも見られました。また海面にはかなりの数のスズガモが群れ、そこに混じるようにクロガモが1羽で寝ていました。また、たった1羽ながらアカエリカイツブリの姿があり、カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリは冬羽から夏羽まで見ることができました。その後は次第に水揚げ作業が終わってきたことから、カモメ類を見に行ってみました。最初の堤防ではかなりの数のユリカモメが群れる中、セグロカモメ、オオセグロカモメ、ウミネコ、カモメが見られ、そこに混じっているたった1羽のシロカモメが見られ、さらに探すと足が黄色いセグロカモメが2個体見られ、微妙に背の灰色が異なる点も見ることができました。その後は水揚げ作業を避けるように場所を変え、ここでも2個体のシロカモメが見られ、さらに堤防沿いに見ていくとミツユビカモメ、堤防に張り付くように群れるヒメウが見られました。休憩を挟んで15:30を過ぎると、いよいよ水揚げ作業が終わったことから、各堤防に並んでいるカモメ類を見ていきましたが、新たな種に出会うことはできず、最後は堤防に入れ替わり立ち替わりやってくるカモメ類を見てこの日の探鳥を終えました。
まるで初夏のような陽気の1日でした。カモメ類がかなり少ないと聞いていましたが、この日はたまたま水揚げの日に当たったことから、予想外にカモメ類が多く、久しぶりにカモメ類の大乱舞も見ることができました。基本8種の中のユリカモメ、カモメ、ウミネコ、ミツユビカモメ、セグロカモメ、オオセグロカモメ、シロカモメが見られましたが、残念ながらワシカモメが見られず残念でした。海上はかなり寂しかったですが、カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリは冬羽、夏羽が見られ、アカエリカイツブリ、クロガモも見られ、クロサギ、イソヒヨドリ、ツグミにも出会いました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史