【ツアー報告】冬鳥満喫!じっくり散策 冬の真岡市井頭公園 2025年1月29日

冬の小鳥類をまとめて観察することを目的とした毎冬恒例の日帰りバスツアー。広範囲に井頭公園で観察できるよう、ここ数年は終日井頭公園で探鳥する行程に変更しています。ここ数年の井頭公園は相変わらず小鳥類は安定して見られ、池に飛来するヨシガモの個体数が一気に増えたことで、そもそもよく見られていたミコアイサ、そして安定的ではないもののトモエガモも見られるようになり人気のカモ類が増えました。小鳥類ではエナガが良く見られ、ヤマガラ、シジュウカラも多く、冬鳥としてやってくるジョウビタキ、ルリビタキ、トラツグミ、シロハラ、シメ、ビンズイは定番種で、過去にはミヤマホオジロ、ベニマシコ、アリスイ、クイナ、ニシオジロビタキなども見られています。ただこの冬は全国的に冬鳥の渡来状況が極めて悪く、下見時、また先週のツアーではツグミ、シメ、カシラダカといった冬鳥が全く見られず、この冬の傾向がそのまま出ていました。一方でお天気は今回もほぼ快晴予報。ただやや風が強いとの予報が出ていました。

29日、天気予報通りで早朝からほぼ快晴の東京駅前に予定通りご集合いただいたことから、08:30に出発して東北道を走りました。途中、サービスエリアで休憩を挟んでから北関東自動車道を走って現地に向かい、いつものようにバス車内ではこの日に見られる可能性がある種や前回のツアーの様子などについて話し、特に目立った種に関して識別ポイントなどの解説を行いました。また今回はコロナ以降ストップしていた、光学機器アドバイザーの方のご同行を再開することになり、銀座双眼堂の塚本英夫さんにご同行いただいたことから、この日に貸し出し可能な機材についても触れていただきました。現地に到着後は各自観察機材の準備を行っていただいてから歩きだしましたが、早速、小川には2羽のセグロセキレイの姿があり、珍しく岩に止まってじっとしてくれたことから、しばらく観察することができました。その後は池を一望できる場所から観察してみました。相変わらずマガモ、カルガモが多いながら、この日はヨシガモがかなり近い位置に群れ、作り物のような可愛らしい姿をたっぷり見せてくれました。またオカヨシガモもいつもとは異なる位置に群れ、こちらもかなり近い距離感で見ることができました。そしてハシブトガラスがかなり騒いでいて、ふと見るとハイタカがハシブトガラスに追われて飛翔していました。森に入るとエナガ、シジュウカラの群れが出迎えてくれ、珍しくエナガが木に止まってじっとしていました。さらに歩くと薄暗い林で地上採食しているシロハラが見られ、ここまで見ることができていなかったミコアイサの美しいオスがメスに追われているシーンを間近にじっくりと観察することができました。その後は湖畔に沿うように歩き、樹液に集まっているエナガ、椿の花に集まっているメジロ、さらにはコガモの群れ、カルガモ、そして普段は見られないダイサギが見られ、広場までくると落ち葉の上を歩きながら餌を探しているトラツグミに出会うことができました。その後は一旦昼食の時間とし、その後はさらに大回りに歩いてみました。まずは支柱にとまっているルリビタキのメスが見られ、その後は間近をノコノコ歩きまわる数羽のビンズイを見ていると、ジョウビタキのオスとヤマガラが小競り合いをしていて、その後はジョウビタキのメスもやってきてしばらく楽しませてくれました。また付近にはシロハラの姿もあり、なぜかじっとしていてたっぷりと楽しむことができました。さらに歩くと湿地の草むらにはアオジの姿があり、雑木林では数羽のカケスが騒ぎながら飛び回っていました。湖畔に目を移すとカワセミが間近の枯れ木に止まっていて、じっくりとその姿を楽しませてくれました。ここからはややルートを変えて雑木林の中の小径を歩いてみました。するとこの冬に平地では全く見ることができなかったツグミが地上採食していて、ここでもトラツグミの姿をじっくりと観察することができ、観察しているとシロハラもやってきてツグミ類3種を同時に観察することができました。ここで残り時間が30分ほどになってしまったことから、ここまで見ることができなかった青いルリビタキを最後に探してみることにしました。少々待ったものの意外とあっさりとルリビタキのオスがやってきて切り株に止まり、その後も地上に降りては餌を捕ってまた木に戻るといった動作を繰り返して意外なほど、じっくりと観察することができ、この日の探鳥を終えました。

やや風が強く吹く1日ではありましたが、終日青空の下で探鳥することができ幸いでした。この冬はとにかく鳥が少ない残念な冬になってしまっていて、当地も例年に比べて観察種類数、個体数ともにかなり少ない印象でした。ただこの冬によく見られているトラツグミが2個体見られ、シロハラ、ビンズイ、カワセミ、エナガ、ヤマガラ、そしてジョウビタキのオス、メスがじっくり姿を見せてくれ、最後は青いルリビタキがじっくりと楽しませてくれたことは幸いでした。またヨシガモが間近で見られ、この冬にほとんど見かけなかったツグミも見られ収穫がありました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。ご同行いただいた銀座双眼堂、スワロフスキーの塚本英夫さんにも感謝申し上げます。

石田光史

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