【ツアー報告】関東有名探鳥地巡り 100種に会いたい! 2025年1月17日~19日

そもそもは関西方面のお客様から、日帰りツアーに参加するために1日だけ東京に行くのはなかなか難しいとのご意見をいただき、それを機に東京発日帰りバスツアーの中でも特に人気のある探鳥地をまとめる形で始まったのがこの関東有名探鳥地巡りです。東京発日帰りバスツアーで好評をいただいている関東圏を代表する探鳥地を8カ所ほどまとめ、できる限りその時期の旬の野鳥も見られるように考慮しながら、東京、群馬、栃木、茨城、千葉と3日間かけて関東を時計回りに探鳥しながら巡ります。ただ、単に探鳥するだけではおもしろくないだろうと思い、サブタイトルとして100種に会いたいとしてみました。幸いなことに過去、観察種が100種に達しなかったことは1度しかなく、とにかく数多くの種類の鳥たちが見たいと考えているお客様には好評を得てきました。ただこの冬は冬鳥の渡来状況が極めて悪く、特に小鳥類の少なさが顕著で心配が尽きませんでした。天気もなかなか難しいことが多いツアーですが、今回は幸いにも3日間を通して雨マークがない中で出発することができました。

17日、気温の差が大きい時期で、また過去には大雪に見舞われたこともあることから、なにかと天気が気になるツアーですが、今回は幸いにも3日間を通して雨の予報は出ていませんでした。このツアーは関東圏の有名探鳥地をめぐることから、ぜひ遠方の方にもご参加いただきたいとの思い、集合時間をやや遅めの09:00に設定しています。この日は早朝からやや風が強かったですが、予定通りご集合いただいたことから09:00に東京駅前を出発して、まずは東北自動車道を走り、途中サービスエリアで休憩後は群馬県の館林市を目指しました。最初の探鳥地の駐車場に到着すると、遠くの山々は見事に雪景色になっていて、赤城おろしの強風が吹き荒れ、小鳥類の観察はほぼ無理といった感じでした。駐車場でシジュウカラ、ヒヨドリを見てから湖畔を歩くと、ヨシ原からツグミが飛びたち、遠くにはオオハクチョウの群れが見られ、カワウの群れやセグロカモメも見られました。望遠鏡がひっくり返ってしまうような強風の中、さらに歩くと風を避けるように群れているオオハクチョウの群れが見られ、よく見るとその中にコハクチョウ、そして1羽ながら亜種アメリカコハクチョウの姿がありました。ここではほかにもモズ、コサギ、ダイサギ、アオサギなども見られました。強風に追われるようにバスに乗り込んで、お隣にある沼に向うと、ここでは固まって風を避けているオナガガモの群れの中にキンクロハジロの姿もありました。その後は別の沼に立ち寄り、ここでも強風に耐えながらもなんとかバン、ホシハジロ、ミコアイサなどを見てから昼食の時間としました。昼食後は付近の川をのぞいてみましたがなにもおらず、ただふと見るとこちらに向って低く飛んでくるハイイロチュウヒのメスの姿があり、強風にあおられたせいか、かなりゆっくりと手が届くような距離を飛んでいきました。その後はさらに周辺の畑地をめぐり、電柱に止まっているチョウゲンボウ、かなり大きなミヤマガラスの群れを見てから渡良瀬遊水池に向かいました。まずはメジロガモがよく見られている池に向いました。この時間もまだまだ風が強かったですが、それが幸いしたようで、風を避けるように地上で餌を探す、カシラダカ、ホオジロを思いのほかじっくり観察することができました。池には残念ながらメジロガモはいませんでしたが、かなりの数のヨシガモが見られ、ほかにもミコアイサ、マガモ、ハシビロガモ、カイツブリが見られました。そしてここでも小鳥を追い回すハイイロチュウヒのメスが見られ、最後はチュウヒにも出会いました。その後は公園を歩きましたが、相変わらずの強風で小鳥の姿は薄く、アキニレに群れているカワラヒワが見られた程度でした。谷中湖ではマガモ、カンムリカイツブリが多く見られたものの、トモエガモの姿はなく、代わってカワアイサを見ることができました。その後は日没まで周辺の畑地をめぐってこの日の探鳥を終えました。強風の影響か、昨年に比べてかなり鳥は少なく、観察種数は計46種でした。

18日、この日は早朝から雲一つない快晴。天気予報によると早朝は気温が低いものの、強風も収まってかなり穏やかな1日になるとのことでした。この日はまず冬の小鳥類を探すため、朝食後に公園に向かいました。まだまだ空気がひんやりとする中を歩き出すと、間近にシロハラの姿があり、道端には2羽のビンズイがいて、ノコノコ歩きまわる様子をじっくり観察することができました。その後は一部が凍った池を見てみるとマガモ、カルガモ、ヒドリガモ、ヨシガモ、オカヨシガモが見られ、林に入るとカケスが頭上の杉の木に止まって騒いでいました。さらに進みましたが、この日はなかなか小鳥類に出会うことができず、沼沿いまでやってきて、ここでようやくルリビタキのメスに出会うことができました。観察していると、この冬にほぼ見かけていなかったシメが種子をついばんでいてうれしい出会いでした。その後はコガモ、カルガモを見ながら歩くと、盛んに幹をつついているアオゲラに出会うことができ、しばらくの間、じっくり観察することができました。ふと見るとここでもルリビタキのメスの姿があり、地上に降りてはせっせと餌を探していました。休憩後には地上に降りては餌を探している、ジョウビタキのメスが見られ、広場を歩くと、エナガ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロの混群が見られました。その後はここまでの観察種を踏まえ、コースをやや短縮して歩き、途中では木の幹を盛んにつついているアカゲラに出会うことができ、しばらく観察しているといつの間にか間近にアオゲラの姿もありました。また湖畔ではセグロセキレイ、そして愛想が良いカワセミも見られ、最後はトラツグミを探して歩いてみました。すると道端で歩きながら餌を探しているトラツグミの姿があり、短時間ながらも観察することができました。さらには駐車場に向う途中では、ようやく青いルリビタキに出会うことができ、美しい姿を堪能して午前中の探鳥を終えました。ここからは北関東道経由で常磐道に入り、途中にあるパーキングエリアにて昼食の時間としてからさらに南下し、右手に牛久大仏をみて、この日最後の探鳥地である茨城県稲敷市までやってきました。まずはヒシクイが毎年越冬している干拓に向かい、この日はいつもよりかなり近くの畑地に降りている50羽ほどのヒシクイを見ることができ、戻る途中ではタゲリがいたことからバスを降りて観察していると、ハシブトガラスに追われるようにハイイロチュウヒのメスが現れ、見ているともう1羽が現れて計2羽のハイイロチュウヒのメスの飛翔を見ることができました。その後は休憩を挟んで淡水域のシギチドリ類を探してみました。ポイントに向う途中では電柱の上で魚を食べているミサゴが見られ、最初のポイントでは群れているタシギのほか、タカブシギ、クサシギが見られ、少々場所を変えてみると上空をチュウヒが舞い、30羽ほどの群れで飛び回るハマシギが見られました。ハマシギを見ながら周囲を見てみると、数羽で群れているオジロトウネンが見られ、ようやく小型シギ類の姿を見ることができました。その後もいくつかのハス田をめぐり、セイタカシギ、タカブシギ、タシギなどが見られ、ようやく20羽ほどで採食しているオオハシシギを間近に観察することができました。その後はホシムクドリを探してみたものの見つからず、ただ最後にヨシ原の上をすべるように飛んでいく、ハイイロチュウヒのオス、そして電線に止まっているコチョウゲンボウのメスに出会うことができました。そして間もなく日没というタイミングで塒入りポイントに向い、数羽で乱舞したり枯れ木に止まったりしているチュウヒ、そして最後はハイイロチュウヒのメスを見てこの日の探鳥を終えました。この日は新たに計30種を加えてここまでの観察種は合計76種となりました。

19日、この日は曇り予報だったにも関わらず、早朝に外に出るとほぼ快晴といった感じでした。今年から銚子駅前のホテルに宿泊していたことから、朝食後に出発するともうすぐ目の前が銚子漁港ということで、まずは銚子漁港をめぐってみることにしました。この日の銚子漁港は漁船の往来はなく自然かな印象でしたが、堤防上にはそれなりの数のカモメ類が見られました。最初に立ち寄った漁港では堤防上に並んでいるカモメ類を観察し、基本種のセグロカモメ、オオセグロカモメ、ウミネコ、ユリカモメの中に混じる、1羽のニシセグロカモメが見られました。次に訪れた場所では海沿いに歩き、まずは堤防に止まっているイソヒヨドリのメスが見られ、海上にはアカエリカイツブリの姿があり、次第に接近してきてくれました。堤防上に並んでいるカモメ類を見てみると、かなりきれいな冬羽のシロカモメが見られましたがそれ以外に目に止まる種はいませんでした。その後は一番奥の漁港まで進み、ここではまずポートタワーに止まっているハヤブサ、海上に浮いているカンムリカイツブリが見られ、よく見るとその中にアカエリカイツブリが混じり、たった2羽ながらハジロカイツブリも見られましたがカモ類は全く見ることができませんでした。その後は一旦、銚子大橋を渡って茨城県の波崎港に向かい、まずはここ数年越冬しているオオホシハジロを探してみましたが見つからず、オカヨシガモ、ハシビロガモ、ハジロカイツブリなどが見られたのみでした。利根川沿いの堤防を見てみると、かなりの数のユリカモメが止まっていて、その中に混じる1羽のワシカモメが見られ、最後はセグロカモメと並んでくれたことから背の色の濃さの違いや初列風切の違いを見ることができました。さらに進むとウミアイサ、スズガモの群れが見られ、漁港内には残念ながらカモ類は全くいなかったですが、クロサギがなんと3羽同時に見られました。その後は再び銚子大橋を渡って銚子漁港に戻り、同様に各漁港を見てまわりましたが、新たに見られた種はなく、各自昼食の時間としてからこのツアーの最後の探鳥地である船橋海浜公園に向かいました。向かう途中からは小雨が落ちてきてしまい、最後の最後で雨の中の探鳥になってしまい、また干潟全体を見渡すとそれほどシギチドリ類の姿はありませんでした。ただよく見ると点々とミヤコドリの姿があり、目の前にはシロチドリ、ミユビシギが歩きまわっていました。この日は干潟の西側にシギ類が集中していたことから行ってみると、かなりの数のハマシギ、ミユビシギ、シロチドリが群れ、たった1羽ながらダイゼンも見られました。またやや距離はありましたが嘴が長い大型のシギ類が見られ、1羽は下腹部が白く飛翔時に腰が白く見えたことからダイシャクシギ、もう1羽は全体に褐色で飛翔時にも腰が白く見えなかったことからホウロクシギと判断しました。そして最後は東側にある堤防に向って歩き、途中、餌を探って飛び回るズグロカモメが見られました。堤防上から海面を眺めると、かなりの数のスズガモが見られ、毎年越冬にやってきているビロードキンクロを探してみましたがこの日は見つからず、どんよりとした空模様の中、この日の探鳥を終えました。この日は新たに22種を観察し追い上げましたが3日間の合計観察種は98種と結果的には目標達成はなりませんでした。

今回は出発前の天気予報は悪くはなかったのですが、初日のいきなりの強風には驚きました。その影響があったかどうかはわかりませんが、結果的には2日目、3日目は昨年を上回る観察種数だっただけに少々残念でした。ただ、初日にはいきなりこの冬にあまり見かけなかったツグミが見られ、強風を避けるように群れるオオハクチョウ、コハクチョウ、そして強風に舞うミヤマガラスの群れは見応えがありました。またハイイロチュウヒのメスが我々をかすめて飛んでいく姿も印象的でした。翌日は極めて穏やかな快晴無風だったことが幸いして良いペースで探鳥ができました。公園ではルリビタキ、トラツグミ、シロハラ、ビンズイ、シメ、アカゲラ、アオゲラ、カワセミなどが見られ、午後からはタゲリ、オオハシシギ、オジロトウネン、ハマシギ、タシギ、ヒシクイなどが見られ、チュウヒの塒入りも楽しめました。最終日は最後に小雨はあったものの、シロカモメ、ワシカモメ、アカエリカイツブリ、ハジロカイツブリ、クロサギ、最後はミヤコドリ、ミユビシギ、ダイシャクシギ、ホウロクシギ、シロチドリ、ズグロカモメなどが見られ、3日間の合計観察種は98種と結果的には残念でしたが、これだけ冬鳥が少ない状況の中、ツグミやシメ、カシラダカ、オオジュリンなども見られました。来年もチャレンジしますのでぜひご参加ください。この度はありがとうございました。

石田光史

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