【ツアー報告】冬鳥満喫!じっくり散策 冬の真岡市井頭公園 2025年1月15日

(写真:トラツグミ 撮影:亀田政弘様)

冬の小鳥類をまとめて観察することを目的とした毎冬恒例の日帰りバスツアー。広範囲に井頭公園で観察できるよう、ここ数年は終日井頭公園で探鳥する行程に変更しています。ここ数年の井頭公園は相変わらず小鳥類は安定して見られ、池に飛来するヨシガモの個体数が一気に増えたことで、そもそもよく見られていたミコアイサ、そして安定的ではないもののトモエガモも見られるようになり人気のカモ類が増えました。小鳥類ではエナガが良く見られ、ヤマガラ、シジュウカラも多く、冬鳥としてやってくるジョウビタキ、ルリビタキ、トラツグミ、シロハラ、シメ、ビンズイは定番種で、過去にはミヤマホオジロ、ベニマシコ、アリスイ、クイナ、ニシオジロビタキなども見られています。ただこの冬は全国的に冬鳥の渡来状況が極めて悪く、下見時にはツグミ、シメ、カシラダカといった冬鳥が全く見られず、この冬の傾向がそのまま出ていました。一方でお天気は最高気温が高くなり、終日穏やかで暖かな1日になるとのことでした。

15日、天気予報通りで早朝からほぼ快晴の東京駅前に予定通りご集合いただいたことから、08:30に出発して東北道を走りました。途中、サービスエリアで休憩を挟んでから北関東自動車道を走って現地に向かい、いつものようにバス車内ではこの日に見られる可能性がある種の中から、特に目立った種に関して識別ポイントなどの解説を行いました。また今回はコロナ以降ストップしていた、光学機器アドバイザーの方のご同行を再開することになり、銀座双眼堂の塚本さん、ハクバ写真産業の田中さんにご同行いただいたことから、この日に貸し出し可能な機材についても触れていただきました。現地に到着後は各自観察機材の準備を行っていただきましたが、早くも数羽のヤマガラが頭上に木で餌を食べていました。準備完了後は早速、公園内を歩きはじめました。やはり小鳥類の気配がなかったですが、幸にも青いルリビタキが姿を見せてくれ、低木に止まったり、地上に降りて餌を捕ったりと、さまざまな動きで楽しませてくれました。また観察しているとメジロ、ジョウビタキのメスもやってきてくれました。その後は地上から飛び立ったビンズイが木に止まったことから、じっくり観察することができ、さらに歩いて池が一望できる場所から観察してみました。相変わらずマガモ、カルガモが多いながら、ヨシガモが近い位置に群れ、その奥にはオカヨシガモの姿もあり、なぜかヒドリガモのオスの群れが1羽のメスを追って右往左往していました。森に入るとここでもなかなか小鳥の姿に出会えませんでしたが、やや薄暗い杉林ではトラツグミが歩きまわっていて、我々に驚いたようで、飛び立って木に止まりました。そのため望遠鏡を使ってじっくりと観察することができました。さらに歩くと20羽ほどの比較的大きなエナガの群れがやってきて、さかんに樹液を吸う様子が見られ、付近にはシジュウカラ、メジロ、コゲラの姿もありました。その後は広場に向って歩きましたが、やはり小鳥の気配はなく、一旦昼食の時間としました。昼食後は空に黒い雲がかかって、やや風が出てきたことから肌寒く感じる時間帯もありました。この時間はさらに大回りに歩き、途中では地上をノコノコ歩きながら餌を探すビンズイの小群を間近に観察することができ、さらに歩くと再びエナガの群れがやってきて、ヤマガラの姿もありました。池のほとりではジョウビタキのオスが現れて、柵に止まったかと思うと、どんどん我々に寄ってくるように飛んできては、地上に降りて餌を捕るシーンをゆっくりと見せてくれました。さらに歩くとアシ原には数羽のアオジの姿がり、シロハラが地上を歩きながら採食していました。この個体はそれほど警戒していないようで、しばらく我々の前で採食行動を見せてくれました。その後は来る時に見た池を逆回りで歩き、コガモ、カルガモの群れ、そしてここでもシロハラが湿地を歩きながら餌を探し、人慣れしているカワセミが間近にやってきて可愛らしい姿を見せてくれました。観察していると後側の雑木林の地上を歩き回りながら餌を探しているトラツグミに出会うことができ、この個体もそれほど活発に動かず、倒木に乗っていたため望遠鏡を使ってじっくり観察することができました。やや傾いてきたことからさらに駐車場に向って歩くと、ここでも再びトラツグミに出会うことができ、同様に倒木に乗っている姿を見ることができました。そして最後には最初にルリビタキを見た場所に立ち寄ってはみましたが、残念ながら出会うことはできず、この日の探鳥を終えました。

午後からはやや雲がかかって肌寒く感じる時間帯がありましたが、終日ほぼ穏やかな陽気の中で探鳥することができました。ただこの冬の傾向がそのまま出てしまったようで、全体的に小鳥類の姿が極めて少なく、いつもなら普通に見られる、ツグミやシメといった冬鳥の姿がありませんでした。一方で数こそ少ないながらも青いルリビタキが見られ、ジョウビタキは雌雄ともに見られました。またヨシガモ、オカヨシガモ、カワセミ、ミコアイサ、シロハラ、ビンズイ、アオジ、エナガ、ヤマガラ、シジュウカラは見られ、この日は各所でトラツグミに出会う幸運がありました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。ご同行いただいた光学機器アドバイザーの塚本さん、田中さんにも感謝申し上げます。

石田光史

ルリビタキ 撮影:亀田政弘様

 

ビンズイ 撮影:亀田政弘様

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