【ツアー報告】冬の琵琶湖で1日60種観察にトライ! 2025年1月5日
ここ数年、新年のスタートツアーとして定番になった冬の琵琶湖をめぐる日帰りバスツアー。2025年は2本企画してみましたが、おかげさまですべて満席となりました。琵琶湖でのツアーは毎年これだけではありますが、湖北の探鳥地をたった1日めぐるだけでもかなりの数の野鳥に出会えることから、タイトルには60種観察という目標を掲げてみました。今回もさまざまな方面からご参加いただきやすいように米原駅発着のツアーとし、幸いご好評をいただけたようでそれぞれの方向から多くの方々にご参加いただくことができました。冬の琵琶湖はなかなか天候が安定せず、何かと心配が尽きませんが、今回は雨マークや雪マークはなく、終日穏やかに晴れるとの予報の中で出発できることになりました。
5日、この日の米原駅周辺は早朝から見事な青空が広がっていてお天気には全く心配がない印象でした。ほぼ予定通り10:00に出発してこの日も30分ほどで最初のポイントに到着することができ、各自観察機材の準備をしていただいてから歩き出しました。周囲の山々は見事な雪景色でしたが、無風だったことが幸いして寒さを感じることはありませんでした。駐車場付近では早速、ムクドリとモズが小競り合いをしていて、地上ではツグミが採食していました。園内に入ると残念ながら小鳥の気配はなかったことから河口に行ってみると、枯れ木にアオゲラがじっと止まり、草地からはホオジロが飛び出し、河口ではセグロセキレイ、カワラヒワ、イソシギが見られ、アオゲラを追いまわすオオタカ、そしてハヤブサがハシブトガラスを追って巧みな飛翔を見せてくれました。来た道を戻るとアオゲラが現れ、しばらく観察していると1羽、また1羽と計3羽が見られ、樹洞に頭を突っ込んで水を飲んでいるようでした。さらにはアカゲラも見ることができ、最後は河原に佇む2羽のアオアシシギ、フェンスに止まっているジョウビタキのオスも見ることができました。その後は一旦、各自昼食の時間とし、昼食後は対岸の枯れ木に止まるオオワシを望遠鏡で見てから湖岸を歩きました。ここではかなりの数のマガモ、ヒシクイが見られ、この日はたまたまマガンが活発に行動していたことからじっくり見ることができ、カワアイサのオス、メスも陸地に上がっていました。また水辺ではイカルチドリも歩きまわっていました。その後は畑地を歩き、少々近くなったオオワシを再び観察しましたが、観察していると飛びたって移動してしまいました。ただその後はより接近して観察することができ、同時に湖面にいるオカヨシガモ、ホオジロガモ、カンムリカイツブリなども見ることができ、ノスリの飛翔も楽しむことができました。観察後はここまで見られていないカモ類を探してみました。この日も過去には見たことがなかったヒシクイがかなりの数で見られ、突然、コガモの群れが一斉に飛び立ったため見てみるとオオタカが急旋回して飛んでいきました。丹念に見てみるとヨシガモが多く、ほかにもミコアイサのオスが見られ、数が少ないながらもトモエガモの姿もありました。そして対岸の木にはこの日もオシドリが群れで止まっていました。そして最後は真っ青な空に周辺の雪化粧した山々が映える畑地を歩きました。この日も期待していた小鳥類は少なく、電線に止まっているスズメの群れやモズ、そして電柱に止まっている2羽のノスリが見られた程度でした。さらに歩くとようやくカシラダカが見られ、この日はわずかに2羽ながらタゲリも見られ、最後は飛翔する姿も見られました。貯水池ではミコアイサの小群を見ることができ、最後はコハクチョウの親子が飛んできて着水していました。そしてこの日は見事な夕陽を見ながら探鳥を終えました。
恒例になっている新年最初の琵琶湖ツアー2日目は穏やかな陽気の1日になってくれました。名物であるオオワシを堪能することができ、定番種のヒシクイ、カワアイサ、ヨシガモ、トモエガモ、ミコアイサ、タゲリなどは見られたものの、この冬を象徴するかのようにシメ、オオジュリン、イカルといった小鳥類、さらにケリ、チュウヒ、ミサゴが見られませんでした。ただマガン、アオアシシギ、イカルチドリ、オシドリ、アオゲラ、アカゲラ、オオタカ、ハヤブサといった意外な出会いもあり60種には届かなかったものの計57種に出会うことができました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史