【ツアー報告】冬の道東でシマフクロウとユキホオジロに会いたい!2024年12月6日~8日
(写真:ユキホオジロ 撮影:内藤将様)
季節を問わず魅力的な野鳥たちが目白押しの北海道。特に道東、知床エリアはバードウォッチャーならば毎年でも訪れたい憧れの場所でしょう。その道東エリアの一部に留鳥として生息しているシマフクロウに出会うことを主な目的として長らくツアー企画してきましたが、昨年からリニューアルし、日中の時間のほぼすべてをユキホオジロを探す行程に変更してみました。まずシマフクロウは国の天然記念物に指定されている日本産では最大のフクロウ類で、全長70cm、翼を広げると180cmにも及びます。夜行性のためその姿を見ることは難しいのですが、道東の一部の宿泊施設ではお客様に提供するために活けられている魚を狙って夜な夜なシマフクロウがやってくるようになった場所があり、それらの場所ではシマフクロウが見られるよう工夫し、また結果として保護増殖に貢献している事例があります。この時期はシマフクロウの繁殖期前のためオス、メス共に行動が活発で、つがいで見られる可能性が高いことが特長で、日没が早いため観察時間を長めに確保できること、厳冬期に比べて混雑していないこと、そして雪景色で見られる可能性が高いことからシマフクロウ観察、撮影にはベストシーズンです。一方、ユキホオジロは冬鳥として渡来するものの、採食行動の特性から行動範囲が極めて広く、北海道の人気種の中でも出会うことが難しい種といえるでしょう。
6日、この日の東京都内は早朝から強風が吹き荒れてはいましたが、幸にも早朝から澄み切った快晴でした。羽田空港に予定通りご集合ただいた後は資料、搭乗券を配布し、この日の連絡事項をお伝えしてから中標津空港に向いました。強風のため離陸時にかなり機体が揺れましたが、ほぼ予定通り中標津空港に到着することができ、春のようだった羽田空港とは全く異なる、寒々しい雪原を見ながら羅臼町に向いました。なにしろこの時期の羅臼町は日没が15:45と早く、とにかく暗くなる前に準備を終えたいと考えていたため、どこにも立ち寄らずに移動しました。
*諸般の事情により詳しい出現状況をウェブサイトでは公開していません。
長らく企画、催行してきた「シマフクロウに会いたい」「シマフクロウを撮る」をリニューアルし、昨年からは日中の時間のほぼすべてを使って、なかなか出会うことができないユキホオジロを徹底的に探す行程に変更してみました。正直、かなり難しいだろうと覚悟はしていましたが、昨年は4回チャレンジしてすべてでユキホオジロに出会う幸運がありました。今回は強風の影響でなかなかうまくいきませんでしたが2回目のチャレンジでよい条件が整い、群れで飛び交う姿やハマニンニクに止まる姿をたっぷり見ることができました。一方、シマフクロウは無事に1羽のヒナが巣立ったようでまずはほっとしました。ほかにも一昨年生まれの個体も居残っていて、計4個体を見ることができ、降りしきる雪の中で見られたことは印象的でした。北海道はどこに行っても魅力的な野鳥が楽しめます。ぜひ季節や場所を変えてまたお出かけください。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史