【ツアー報告】アオシギに会いたい!奥日光ハイキング 2024年11月26日
(写真:ウソ 撮影:松岡哲弘様)
晩秋恒例になっている奥日光を訪れる日帰りバスツアー。数ある日帰りバスツアーの中でも移動時間がかかることから集合時間07:30と早めていましたが、参加が難しいとの声が多かったことから、今回からは08:00としました。この時期の奥日光は、すでに紅葉の季節が過ぎていることから混雑はなくなり、そのせいで林は静まり返っていて鳥の声もよく聞こえてバードウォッチングには良い季節です。このツアーでは平地では越冬しないアオシギ、カワガラス、キバシリ、ゴジュウカラ、コガラ、オオアカゲラといった種、さらには渡ってきたばかりのアトリやマヒワ、ツグミといった冬鳥たちを観察することも主な目的とし、その中から特にアオシギを探すことを目的にしているため、アオシギが生息している可能性が高い場所を中心にめぐります。過去には積雪があったり、小雪が舞ったりすることもあった奥日光ですが、この日の奥日光は午後から次第に天気が悪くなり、夜には雨、そして東京都内も夜には本降りの雨になるとの予報がでていました。
26日、この日の東京都内は朝からほぼ快晴で、東京駅前も青空が見えていて雨が降り出すのはまだまだ先だろうという印象でした。予定通りにご集合いただいたことから08:00に出発して、ひとまず奥日光に向けて東北道を進みました。バス車内ではこの日の行動予定、そしてここまでの2日間の状況を含め、今日見られる可能性がある野鳥たちの解説しながら進み、まずは途中にあるサービスエリアで休憩をとりました。その後は次第に雲が多くなってきた日光有料道路を進み、まだまだなんとか残っている紅葉を見ながら、いろは坂をグイグイと上り、左手にはいよいよ中禅寺湖が見えてきました。ただ湯元方面に真っ黒い雲があったこともあり、その後は予報よりもかなり早く小雨が落ちてきてしまいました。最初の探鳥ポイント到着後は各自観察機材準備をしていただき、まずは過去にアオシギが見られた小さなせせらぎを見て回りました。苔むした倒木の陰からはミソサザイが姿を見せ、川まで行くとこの日も愛想のよいカワガラスが間近にある岩に止まったり、潜水採食したりとさまざまな姿を楽しませてくれました。その後はさらに歩いて周辺の水際を見てみましたが残念ながらこの日はアオシギの姿はなく、ここでも倒木に止まるミソサザイが見られました。さらに進むと我々のすぐ頭上に数羽のエナガの群れがやってきてくれ、よく見るとコガラの姿があり、いつの間にかキバシリの姿もありました。また高木にはアオゲラの姿があり、間近の木を登っていくゴジュウカラも見られましたが、ここでもアオシギの姿がなかったことから場所を変えてみることにしました。ここでは針葉樹からキクイタダキの声が聞こえ、コガラ、エナガ、コゲラ、ゴジュウカラの混群れに出会うことができ、枯れ木をかなりしつこくつつくアカゲラをじっくりと観察することはできたもののアオシギの姿はありませんでした。探鳥後は昼食の時間をとって、その後は別のポイントに行ってみました。ここでも過去にアオシギが見られていることから探しては見ましたが、残念ながら姿はなく、やや雨が強まったことから別の場所に行ってみることにしました。ここでも時折、雨が降る中での探鳥になってしまいましたが、林に入ると数羽のエナガの群れがカラマツの木で餌を探し、コガラ、ヒガラも混じっていました。また付近のズミの実にはウソがやってきていて、よく見るとアトリが混じっていました。ウソは数羽いるようでそれほど人を警戒する様子もなく必死にズミの実を食べ、最後はどこかへ飛び去っていきました。駐車場では2羽のアオゲラが見られ、1羽はじっとカラマツに止まっていましたが、うち1羽はキハダの実を食べていました。天気のせいかかなり薄暗くなってはきましたが、最後にもう一度、アオシギを探してみることにしました。午前中と同じルートを歩きながら丹念に水際を見ていき、各所で全く逃げる様子がないカワガラスは見られましたが、この日は残念ながら最後までアオシギに出会うことはなく、かなり薄暗くなってきた16:15に探鳥を終了しました。
毎年、この時期恒例になっている奥日光ハイキングですが、今回は事前の予報よりも早く天気が崩れてしまい、小雨が降る時間帯もあり寒い1日でした。主な目的だったアオシギに出会うことができず残念でしたが、カワガラス、キバシリ、ゴジュウカラ、コガラ、そしてヒガラ、エナガ、ミソサザイ、アカゲラ、アオゲラといった鳥たちが楽しませてくれ、アトリ、ウソといった色のある冬鳥も楽しませてくれました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史