【ツアー報告】アオシギに会いたい!奥日光ハイキング 2024年11月22日
(写真:アオシギ 撮影:村瀬隆司様)
晩秋恒例になっている奥日光を訪れる日帰りバスツアー。数ある日帰りバスツアーの中でも移動時間がかかることから集合時間07:30と早めていましたが、参加が難しいとの声が多かったことから、今回からは08:00としました。この時期の奥日光は、すでに紅葉の季節が過ぎていることから混雑はなくなり、そのせいで林は静まり返っていて鳥の声もよく聞こえてバードウォッチングには良い季節です。このツアーでは平地では越冬しないアオシギ、カワガラス、キバシリ、ゴジュウカラ、コガラ、オオアカゲラといった種、さらには渡ってきたばかりのアトリやマヒワ、ツグミといった冬鳥たちを観察することも主な目的とし、その中から特にアオシギを探すことを目的にしているため、アオシギが生息している可能性が高い場所を中心にめぐります。過去には積雪があったり、小雪が舞ったりすることもあった奥日光ですが、この日は午後からは曇ってくるものの、終日ほど晴れで昨日よりも暖かくなるとの予報がでていました。
22日、この日の東京都内は昨日とは異なり、早朝から快晴で雨の心配はまったくない状況でした。予定通りにご集合いただいたことから08:00に出発して、ひとまず奥日光に向けて東北道を進みました。バス車内ではこの日の行動予定、そして昨日の状況を含め、今日見られる可能性がある野鳥たちの解説しながら進み、まずは途中にあるサービスエリアで休憩をとりました。その後は快晴の日光有料道路を進むと、まだまだ残る真っ赤な紅葉、そして遠くには男体山が見えてきていました。その後はいろは坂をグイグイと上り、左手にはいよいよ中禅寺湖が見えてきました。この日はさらに進んで最初の探鳥ポイントまで行き、到着後は各自観察機材準備をしていただきました。まずは過去にアオシギが見られた小さなせせらぎを見て回り、ここでは水際で餌を探し回るミソサザイが見られました。川まで行くとこの日も愛想のよいカワガラスが間近で潜水採食したり、流木に止まったりしてじっくりとその姿を見せてくれました。その後はさらに歩いて周辺の水際を見てみましたが残念ながらこの日はアオシギの姿がなかったことから、場所を変えてみることにしました。するとここでは中州でせっせと餌を捕っているアオシギがいたことから、徐々に距離を詰めながら時間をとって観察してみました。いつもならばじっとしていることが多いのですが、この日も前日同様に体を上下にゆする独特の動作をしながら活発に餌を探していました。観察中には間近にゴジュウカラがやってきて苔をつついて餌を探し、さらには針葉樹にキクイタダキがやってきてホバリングしながら餌を捕っていました。観察後にさらに歩くと、周辺にはコガラ、エナガ、ゴジュウカラの姿がありました。探鳥後は昼食の時間をとって、その後は別のポイントに行ってみました。ただこの頃からは黒い雲が発生したことから、小雪がちらついてくる時間帯がありました。ここでも過去にアオシギが見られていることから探しては見ましたが、残念ながら姿はなく、代わって愛想が良い2羽のキバシリが間近の枯れ木を登っては降り、登っては降りと動いてくれたため珍しくしっかりと見られ、川沿いの杭には2羽のアオゲラが止まっていました。周辺ではさかんにツグミが飛び交っていたことから見てみると、どうやら水浴びをしているようで木に止まって羽繕いする個体が数多く見られ、ズミの実を食べている個体も間近に見ることができました。ここではほかにもヒドリガモ、キンクロハジロ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヤマガラ、アカゲラなども見られ、いよいよ最後の探鳥地に移動しました。ここでは周辺にあるズミの実を見ながら進み、とある場所では川沿いで餌を探すミソサザイが見られ、その後はツグミとアトリの群れ、そしてアカゲラも見られました。時間がきたことから来た道を戻ると、すぐわきにあるズミの実を食べている2羽のウソのメスがいたことから、間近にしばらく観察、撮影することができました。さらに最後の最後には10羽ほどの群れでズミの実を食べているウソにも出会うことができ、ここでは頬が赤いオス、さらには腹まで赤みがある亜種アカウソの姿もあり、周囲が薄暗くなってきた16:30に探鳥を終え、現地を出発しました。
毎年、この時期恒例になっている奥日光ハイキングですが、今回は主な目的だったアオシギに早い段階で出会うことができ、常連のキバシリ、カワガラス、ゴジュウカラ、コガラ、そしてキクイタダキ、ヒガラ、エナガ、ミソサザイ、アカゲラ、アオゲラといった鳥たちが楽しませてくれ、冬鳥の代表種、ツグミの群れが飛び交い、アトリ、ウソ、シメといった冬鳥にも出会えました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史