【ツアー報告】アオシギに会いたい!奥日光ハイキング 2024年11月21日
(写真:アオシギ 撮影:明官恵子様)
晩秋恒例になっている奥日光を訪れる日帰りバスツアー。数ある日帰りバスツアーの中でも移動時間がかかることから集合時間07:30と早めていましたが、参加が難しいとの声が多かったことから、今回からは08:00としました。この時期の奥日光は、すでに紅葉の季節が過ぎていることから混雑はなくなり、そのせいで林は静まり返っていて鳥の声もよく聞こえてバードウォッチングには良い季節です。このツアーでは平地では越冬しないアオシギ、カワガラス、キバシリ、ゴジュウカラ、コガラ、オオアカゲラといった種、さらには渡ってきたばかりのアトリやマヒワ、ツグミといった冬鳥たちを観察することも主な目的とし、その中から特にアオシギを探すことを目的にしているため、アオシギが生息している可能性が高い場所を中心にめぐります。過去には積雪があったり、小雪が舞ったりすることもあった奥日光ですが、この日は前日の雨から次第に天候が回復し、到着の頃には晴れるとの予報の中で出発できることになりました。
21日、この日の東京都内は昨日からの雨がまだまだ残っていて霧雨が降っていました。集合は予定通りに進んだことから08:00に出発して、ひとまず奥日光に向けて東北道を進みました。バス車内ではこの日の行動予定、そして今日見られる可能性がある野鳥たちの解説しながら進み、途中にあるサービスエリアで休憩をとりました。ただこの頃にもまだまだ小雨模様で、この後、本当に晴れてくるのか心配になるほどでした。ただ日光有料道路に入ったころからは遠くの青空が見え始め、いろは坂ではやや霧がかかってはいたものの、まだまだ残る紅葉を見ながら進み、左手に中禅寺湖が見える頃には空は快晴、無風のため鏡のような美しい湖面が出迎えてくれました。その後はさらに進み、戦場ヶ原で監察機材の準備をしてから最初のポイントに向いました。まずは過去にアオシギが見られた小さなせせらぎを見て回り、その後はさらにいくつかあるポイントを見て回りました。ただここでは残念ながらアオシギの姿がなかったことから、さらに川に沿って歩いてみました。ここでは愛想のよいカワガラスが間近に飛んできて、潜水しながら餌を探している姿が見られ、観察していると付近で餌を探して活発に動き回るアオシギの姿がありました。そのためやや接近してよく見える角度を探して時間をとって観察、撮影しました。じっとしていることが多いアオシギですが、この日は珍しく体を上下にゆすりながら餌を探す独特の行動をよく見せてくれました。その後はさらに進むとオオアカゲラ、アカゲラの姿がありましたが、すぐに飛んでしまったことからじっくり観察することはできませんでした。また戻る途中ではここでも全く警戒する様子がないカワガラスに出会うことができ、潜水して餌を探す様子をたっぷりと見ることができました。時間が過ぎてしまったことからこの後は昼食の時間をとって、その後は別のポイントに行ってみました。ここではいきなり間近にゴジュウカラがやってきてくれ、幹を上り下りしていました。また紅葉したカラマツにはコガラの姿があり、さらに歩くとアカゲラのオス、メスが見られました。川までいくとかなりの数のニホンザルが群れ、走り回ったり、ズミの実をほおばったりしていて、付近ではコガラ、ヒガラ、ヤマガラ、エナガの混群が見られました。また周辺にツグミの姿があったとのことで探してみると、地上から飛び立ったアオゲラがシラカバに止まり、カケスが付近を歩き回っていました。さらにはイチイの木にはコガラ、ヤマガラがやってきていて賑やかな状況でした。さらに進むと2羽で地上採食しているカシラダカ、そしてここでもアカゲラが見られ、最終的には数十羽のツグミの群れも見られました。そして最後にもう一カ所行ってみると、ここではズミの実に群れるツグミの乱舞が見られ、よく見るとアトリの姿もあり、間近にズミの実を食べる様子をじっくり見ることができました。またオオマシコがいるとのことで見てみると、ほんのりと赤みのあるオスの亜成鳥と思われる個体も見られ、最後は数羽で群れてズミの実をついばんでいるウソの小群を見てこの日の探鳥を終えました。
毎年、この時期恒例になっている奥日光ハイキングですが、今回は主な目的だったアオシギに早い段階で出会うことができ、まずはラッキーでした。常連のキバシリには残念ながら出会えませんでしたが、オオアカゲラ、カワガラス、ゴジュウカラ、コガラ、そしてヒガラ、エナガ、ミソサザイ、アカゲラ、アオゲラ、カケスといった鳥たちが楽しませてくれ、冬鳥の代表種、ツグミの群れが飛び交い、アトリ、ウソ、カシラダカ、そしてオオマシコとの出会いは印象的でした。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史