【ツアー報告】ベストシーズンに行く!三宅島 2015年5月15日(金)~17日(日)

離島でありながら東京から比較的近く、竹芝桟橋から出発することができ、鳥たちの密度が濃く、さらには魅力的な固有種が生息することで知られる三宅島。今回は梅雨入り前の良い時期に企画しましたが、残念ながら土曜日は雨予報となってしまいました。さて、雨の日はどうしようかと思案しながらの出発でしたが、観察するための施設もあり、うっそうとした森は雨をもしのぐことができるのが三宅島の良いところなのです。
15日、集合時間の21:30から地図を使って三宅島内の説明を行い、その後はツアー説明、翌朝の連絡を済ませて22:10から乗船開始。すっかりお馴染みとなった「橘丸」にて三宅島に向かいます。ややうねりがあるとのことで今回も条件付き出航となりました。
16日、三宅島到着は05:00の予定でしたが、04:55に島の東側にある三池港に到着。この時、雨は止んでいましたが予報ではこの後、雨が強くなるとのことでしたので一旦宿に向かい、広間で朝食の時間をとらせていただくことにしました。朝食を食べている間に雨は激しくなり、さすがに探鳥には出かけられないとの判断で、毎回午後から行なっているバスによる島内一周に出かけることにしました。時より雨が激しく降る中でしたが、地元在住のドライバーさんの解説付きで島内の様子を詳しく知ることができました。その後は一旦宿に戻って準備を整え、アカコッコ館に向かうことにしました。まだまだ小雨が降っている中でしたが、小道では地上で採食するタネコマドリ、アカコッコの姿があり、何度となく見ることができました。その後は館内から水場にやってくるアカコッコ、タネコマドリ、モスケミソサザイを観察しました。12:30からは一旦昼食の時間とし、午後からは雨が止むとの予報だったため、バスにて伊豆岬に向かうことにしました。しかし雨、風は収まることはなくウチヤマセンニュウはチラッとしか見られませんでした。ただカラスバトが飛び交い、低木に止まる姿を見ることができたほか、海上を飛翔するキアシシギの群れ、ミサゴ、アマツバメの姿を見ることができました。その後は大路池周辺を歩き、アマサギ、ダイサギ、アオサギなどのサギ類、ホトトギスなどを見ることができました。
17日、うっすらと青空が見える早朝05:00から探鳥を開始。探鳥ポイントが宿からほど近い場所であることから、自由行動も可として出発しました。宿を出てすぐのところでいきなり数羽のカラスバトが木の実をついばみ、少し歩いた場所では枯れ木に止まる姿があり、電線には4羽のコシアカツバメの姿もありました。その後は大路池まで歩き、アカコッコ、イイジマムシクイ、タネコマドリ、そして渡り途中と思われるコサメビタキの姿を見ることができました。07:30の朝食後の探鳥も再集合時間を決めた上で自由行動可とし、希望者のみで歩きました。ここでは一通りの種を見ることができましたが、巣立ったばかりのヒナにせっせと餌を運ぶタネコマドリのつがいをじっくり見ることができたことが印象的でした。11:00からは再度伊豆岬に向かい、じっくりと見ることができていないウチヤマセンニュウに再チャレンジをすることにしました。ただ、時間帯が悪いのか、タイミングが悪かったのか、さえずっている個体は少なく数回観察するに留まりましたが、数日前から滞在しているというツバメチドリの姿を見ることができました。そしてこの日の帰りの船は東風のため島の西側にある錆ヶ浜港からの出航かと思われましたが、港内のうねりが高いため普段はほとんど使われていない伊ヶ谷港からの出航となりました。出航後間もなくしてクロアシアホウドリが間近を悠々と飛び、14:30以降は近海にある御蔵島で繁殖するオオミズナギドリの大群が随所で観察されました。よく見ると時より真っ黒いアカアシミズナギドリの姿があり、東京湾が近づくにつれハシボソミズナギドリの姿も目に付くようになりました。また驚いたことに東京湾内に入った後の17:10にオーストンウミツバメがヒラヒラと舞って締めくくってくれました。
今回は土曜日の天気が悪く、十分な観察ができませんでしたが、雨上りの道端では採食行動をする小鳥たちの姿が多く見られ、普段見る機会が少ないカラスバトの姿を何度も見ることができ幸運でした。写真撮影ご希望のお客様のために自由時間も多くとりましたので、それぞれにお楽しみいただけた時間もあったと思います。年々緑が濃くなり、少々鳥たちの姿を探しづらくなったような気がしますが、早朝のコーラスなどバードアイランドと呼ぶにふさわしい三宅島をお楽しみいただけたかと思います。この度はお疲れ様でした。
石田 光史

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