【ツアー報告】ブッポウソウとチゴモズが棲む松之山の森 5月28日(木)~29日(金)
冬季は日本有数の豪雪地帯として知られている新潟県中越地方。積雪量が多い時はテレビのニュースでも取り上げられるほどです。そのため鳥を見るためのベストシーズンは5月下旬から6月上旬ですが、それでも山深い場所には残雪があり、みずみずしいブナ林とのコラボレーションが楽しめます。鳥相は独特でノジコ、サシバ、オオリリ、ホトトギス、サンショウクイとの出会いの頻度が高く、目玉は局地的にしか生息していないブッポウソウです。ただ、ここ3年、チゴモズと出会う幸運があり、過去にはアカショウビンとも出会っているため、これらの鳥との出会いにも期待が持てます。
28日、天気予報に反して薄曇りの東京駅前を予定通りに出発しました。豪雪地帯らしく雪解けが進む春先には各所で道路が寸断されるケースが多いのですが、今回も一部のルートで通行止めがあったため、高速道路を降りた後は迂回ルートを走って現地に向かいました。結果的には30分ほど多くかかり最初のポイントに到着。すでにお昼を過ぎていたことから僅かな時間の探鳥でしたが、ハシブトガラスに追われるクマタカが見られ、周囲ではオオヨシキリ、ノジコ、イカルの姿がありました。日中は暑さがあったことから昼食後は森の中で探鳥をすることにし、この森を代表する夏鳥、キビタキの美しい姿とリズミカルなさえずりを楽しみました。次のポイントでは「トッキョキョカキョク」と叫ぶようにさえずりながら飛翔するホトトギスの姿を観察したほか、間近にオオアカゲラのドラミングを見る機会に恵まれました。アカゲラよりも心なしかダイナミックに感じるドラミングは腹の底に響くような感じがしました。そして暑さを避けて夕方に訪れた最後のポイントでは目玉であるブッポウソウに出会うことができ、飛翔時に見ることができる翼にある水色の斑点も見ることができました。気がつけば天気予報ほどの暑さを感じない過ごしやすい1日でした。
29日、05:00に宿を出発して早朝にさえずることが多いアカショウビンを探しに出かけました。この日もまずはブッポウソウが出迎えてくれ、周囲ではクロツグミ、ヤブサメが歌っていました。結果的にはアカショウビンは声すらも聞くことができませんでしたが、再びオオアカゲラに出会うことができ、森の中からは「ツキヒホシ、ホイホイホイ」というサンコウチョウの声が響いていました。まず見ることはないだろうと思っていましたが、幸運にも長い尾羽をなびかせてオスが登場し、その後はメスも見ることができました。
29日、05:00に宿を出発して早朝にさえずることが多いアカショウビンを探しに出かけました。この日もまずはブッポウソウが出迎えてくれ、周囲ではクロツグミ、ヤブサメが歌っていました。結果的にはアカショウビンは声すらも聞くことができませんでしたが、再びオオアカゲラに出会うことができ、森の中からは「ツキヒホシ、ホイホイホイ」というサンコウチョウの声が響いていました。まず見ることはないだろうと思っていましたが、幸運にも長い尾羽をなびかせてオスが登場し、その後はメスも見ることができました。
今回は2日間共に雨の心配はなく、2日目は暑さを感じるほどでした。目玉だったブッポウソウの姿は何度も見ることができ、チゴモズとアカショウビンには出会えませんでしたが、サンコウチョウとオオアカゲラ、そしてホトトギスの姿を見ることができ、この地を代表するサシバ、ノジコ、オオルリ、サンショウクイ、そして好天だったことからクマタカの飛翔も見られました。山菜料理や温泉、そして残雪とブナ林の美しいコラボレーションなど、見どころある2日間でした。皆様お疲れ様でした。
石田 光史