【ツアー報告】東シナ海第四の秘島 秋の粟国島 2024年10月11日~14日

(写真:ツメナガホオジロ 撮影:伊原やよい様)

11日、午後、那覇空港を出発。粟国島ツアーだが粟国島へ行くフェリーが午前中の1便しかないので夜に集合して翌日発でもいいのだが、折角だから昼に集合して沖縄本島で鳥見する。まずは耕作地へ行き、農道をゆっくり走ると、シロガシラやシマキンパラがのんびりと採餌をしている。繁殖羽から非繁殖羽の様々な模様のクロハラアジサシ20羽程が水田に降りていてみなさんで観察、撮影する。サシバが渡って来てあちこちの木の上にとまって鳴き、ツメナガセキレイ、キセキレイもたくさん渡って来ててあちこちに降りている。コチドリ、タカブシギ、ヒバリシギ、オグロシギ、アオアシシギなどのシギ・チドリ類やシマアジ、コガモ、サギ類など鳥たちがたくさん入っている水田があり、みなさんでじっくりと観察、撮影する。18:00にホテルへチェクイン。18:40から沖縄料理の夕食で盛り上がる。

12日、早朝にホテルを出発。ムナグロ、チュウシャクシギやサギ類を観察、撮影。ただクロツラヘラサギを探すが見当たらない。コアオアシシギ、アカアシシギ、ヒバリシギ、セイタカシギなどをみなさんでじっくりと観察、撮影する。亜種リュウキュウヒクイナが出て来るが、直ぐにアシの陰に入ってしまう。その後は海岸でクロツラヘラサギを探すが見当たらない。白いクロサギ、ミユビシギ、キョウジョシギ、キアシシギなどをみなさんで堪能する。そして乗船手続き等を行う。「ニューフェリーあぐに」は粟国村が運航している全長65m、451トン、定員270名の立派なフェリーなのだ。粟国島は那覇市の北西約60kmに位置し、面積約7.6k㎡、周囲12.8km、産業は主に農業と漁業だが、近年では製塩業も有名である。周囲に島がないことから渡り鳥が立ち寄る離島として一部のバーダーの間では昔から有名で、勝手に「沖縄の舳倉島」と呼んでいる。出港後、何もいない南の島の海を数名で頑張って甲板で鳥を見てオオミズナギドリ4羽を確認して粟国島に着岸する。真夏のように暑くて、ぱっと見は島が静かで嫌な感じがする。急いで広場へ行くが鳥がいない。ただエゾビタキが数羽いてオオムシクイが鳴いている。過去にいい思いをしているので勝手に「珍鳥街道」と呼んでいる道を歩くがエゾビタキがちらほらいるだけで鳥が少ない。猛禽類やツバメ類を狙って定点観察をしていると牧草地から茶っぽい鳥が飛び出して道路脇の草に入る。草の陰でちらちらと見える姿がヤバイ感じがする。ツメナガホオジロであった。30℃を越えている南の島には似合わない姿の鳥が出てきたのでみなさんで観察、撮影する。その後、耕作地の畑を11枚丹念に見る。アカハラダカ、サシバを島のあちこちで見る。ツメナガセキレイ、キセキレイもたくさん渡って来ている。今年はハクセキレイをまだ見ていない、という話をしていたら亜種ホオジロハクセキレイ1羽が耕作地で採餌をしていたのでみなさんでじっくりと観察、撮影する。17:45ホテルにチェックイン。小さな離島には珍しくプチホテルがあり、全員個室でウォッシュレット完備というのが素晴らしい。

13日、早朝にホテル周辺を歩くと、コムシクイがあちこちで鳴いている。サシバがさらに増えたようで電柱に数羽がとまっている。カラムクドリ雌雄が電線にとまっているのを発見するが、直ぐに飛んでしまう。朝食後再出発。集落外れの林縁部を歩くとかなりの数のエゾビタキが飛び回り、コサメビタキ、サメビタキ、オオルリがいる。キマユムシクイもたくさん渡って来たようであちこちで鳴いている。耕作地をゆっくり走ると、ここにもエゾビタキがたくさんいて、初登場のセッカを見ているとコヨシキリがとまっていたが直ぐに草地に入ってしまう。午後もエゾビタキが10羽程いてサメビタキやコサメビタキもいる。さらに、コムシクイ、キマユムシクイも数羽いてこれらをみなさんでじっくりと観察、撮影する。さらにコホオアカが出て来て盛り上がる。この日は、人生でこんなに見たことのないという数のエゾビタキをたっぷり観察し、さらにヒタキ類、ムシクイ類がたくさん渡って来たので楽しい一日となった。夕方、ツバメがどんどん増えてきて、疲れて道路で休んでいる。17:30 ホテルに帰り19:00夕食。

14日、早朝にホテル周辺を歩く。海上から20数羽の鳥が渡ってきたので見るとスズメの群れであった。いったいどこから渡って来たのだろう。サシバも増えているようであちこちの電柱にとまり、コムシクイも昨日より鳴いている。朝食後に出発。ただこの日はエゾビタキ12羽に減っていた。それでもサメビタキ、コサメビタキ、コムシクイ、キマユムシクイにムジセッカもいてみなさんでこれらの撮り難い種をじっくりと撮影する。「珍鳥街道」や集落外れの林縁部へ行くが、昨日あれだけたくさんいた鳥たちが殆どいなくなっているのだ。これがあるから島での探鳥って怖いのである。昼食後フェリー乗り場へ行き、出港。慶良間諸島沖で高空を飛ぶ大型の鳥を発見する。逆光と遠すぎて良く分からないがフクロウ類のような飛び方である。港に着岸。16:10に那覇空港へ到着したのである。鳥たちが次々に入れ替わる渡りの中継地・粟国島。みなさま、お疲れ様でした。

宮島仁

コホオアカ 撮影:杉崎明登様

 

クロハラアジサシ 撮影:福渡毅様

 

ホオジロハクセキレイ 撮影:伊原やよい様

 

アカハラダカ 撮影:杉崎明登様

 

ヒバリシギ 撮影:福渡毅様

 

サメビタキ 撮影:伊原やよい様

 

キマユムシクイ 撮影:杉崎明登様

 

ツメナガセキレイ 撮影:福渡毅様

 

粟国島の夜空 撮影:HN様

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