【ツアー報告】東シナ海第三の秘島 秋の伊平屋島と野甫島 2024年10月6日~9日

(写真:クロハラアジサシ 撮影:藤塚譲二様)

6日 12:00那覇空港を出発。31℃の真夏のようなギラギラ太陽光線の中、ぐいぐい北上して公園へ行く。ツメナガセキレイ6羽がいるが遠い。14:00に港に到着。周辺の河口でカワセミを撮影してきたお客様がいる。15:00出港。「フェリーいへや」は498トン、定員300名の村営の立派なフェリーなのだ。伊平屋島は沖縄県の有人島では最北端に位置し、本部半島より北へ約41km、面積約20.7k㎡、賀陽山(標高294m)を最高峰とする山地が島の大半を占めているのである。海はべた凪で海鳥がいない南の海を眺めて進んでいく。オオミズナギドリ2羽という奇跡の出会いを果たして到着。沖縄県内でも以外と知られていないが、伊平屋島は水が豊かで稲作が盛んな“お米の島”なのだ。ところが耕作地へ行くと何故か水田が全て放置されている。アマサギ60羽程にダイサギ、コサギなどが混じったサギ類の群れが休んでいる。ツバメが無数に飛び、60羽程のクロハラアジサシも飛んでいる。ムナグロ、タシギ、タカブシギ、ツメナガセキレイなどをみなさんでじっくりと観察、撮影する。18:00 ホテルにチェックイン。19:00 から伊平屋島の食材を使った豪華な夕食。夜、ホテルの直ぐ前でリュウキュウコノハズクが鳴いていた。

7日 早朝、徒歩でホテルの周りを歩く。コムシクイが渡って来てあちこちで鳴いている。エゾビタキもかなりの数が入っている。電線にムクドリ類30羽程がとまっていて、ドキドキしながら全部確認するがコムクドリだけの群れだった。朝食後に出発。展望台へ行くとアカハラダカ数羽が飛んで行くが遠い。ハヤブサが頭上までやって来て、サシバも次々に渡って行く。樹林ではカラスバトが鳴いている。その後は耕作地へ行き、クロハラアジサシやツメナガセキレイなどをみなさんでじっくりと観察、撮影する。12:00 伊平屋島名物のもずくが入った“もずくそば”の昼食。午後に耕作地へ行くと、ここも全ての水田が放置されている。例年なら二期作の2度目で、今頃は稲穂が風に揺れているのである。ツバメが無数に飛び交い、ツメナガセキレイもたくさんいる。セイタカシギ、アオアシシギをみなさんでじっくりと観察、撮影する。公園に行くとムナグロやシロチドリが多数降りている。周囲には沖縄でもベスト1,2を争う綺麗な海が広がっている。14:40に 野甫島へ渡る。野甫島は伊平屋島と橋で繋がっている面積約1.1k㎡、周囲約4.8km、標高48mの小さな島である。耕作地の農道をゆっくり走るとエゾビタキがあちこちにいて、時々、アカハラダカやサシバが道路を横切るが直ぐに見えなくなる。ガジュマルに3040羽のコムクドリの群れが降りて餌を食べている。サシバが比較的近い木にとまっていて、じっくりと観察、撮影する。ここにもツメナガセキレイがたくさん入って来ててあちこちで見られる。すると、道路の直ぐ脇のモクマオウからアカハラダカが飛び立って、丘の上の照葉樹にとまる。ちょっと距離があるがなんとか観察、撮影する。17:50 ホテルに戻り、19:00から伊平屋島のいろいろな食材を使った豪華な夕食。

8日 早朝、徒歩でホテルの周りを歩く。昨日はいなかったウグイスがあちこちで鳴く。サシバもどんどん渡って来ているようで数羽が飛び回っている。そういえば、今日は二十四節季の“寒露”でサシバが渡って来る頃といわれている。朝食後、雨の中を出発。 公園に行くがムナグロとシロチドリで新しい種は入っていない。野甫島へ渡り、農道を走るとアカハラダカが横切る。昨日はあれだけいたツバメがほとんどいなくなっている。前線の通過で風雨が激しくなったので、雨宿りをしながらフェリーターミナルのお土産屋さんに立ち寄る。10:30に小降りになったので耕作地へ行き、タカブシギ、アオアシシギ、セイタカシギ、クサシギなどを観察、撮影する。その後、集落で電線にとまっている70羽程のムクドリ類を発見。慌てて何か混じっていないかとドキドキしながら観察するが、全てコムクドリであった。再び耕作地へ行くと昨日よりも多くのツメナガセキレイとツバメが渡って来ていた。珍鳥や迷鳥だけでなく、こういう鳥たちの移動が目に見えて分かる楽しみが離島にはある。12:00から昼食。昼食後、島の北へ走り、国指定天然記念物「念頭平松」やクバ(ビロウ)が山の一面を覆う「久葉山」などの観光地を廻る。シロオビアゲハ、ベニモンアゲハ、リュウキュウアサギマダラなどの蝶たちが優雅に舞っている。その後、耕作地へ行くが新しい種は入っていない。15:15に野甫島へ行く。午前中は殆どいなかったツバメがたくさん渡って来ていた。モクマオウにとまっているアカハラダカを発見して、やっとみなさんでじっくりと観察、撮影する。17:30に ホテルに戻り、今夜も豪華な夕食となる。

9日 早朝に公園に行くとムナグロとシロチドリがのんびと餌を啄ばんでいる。野甫島へ行き農道をゆっくりと走る。昨日はいなかったウグイスがあちこちで鳴いていて、サシバもたくさん入って来ている。朝食後に出発。フェリー乗り場へ行き出港。何もいない海上を有志で頑張って伊是名島上空でミサゴ2羽、海上でオオミズナギドリ1羽を確認して港に着岸。ぐいぐい南下して耕作地へ行く。ここにもツメナガセキレイがたくさんいて鳴きながら飛んで行く。タカブシギ、ウズラシギ、コチドリなどをみなさんでじっくりと観察、撮影する。12:10に東南アジアの屋台のようなお弁当屋さんで昼食。再び耕作地へ行き、セイタカシギ、アカアシシギ、ヒバリシギ、アオアシシギ、タシギ、タカブシギ、コチドリ、シマアジ、コガモ、クロハラアジサシ、シロガシラ、シマキンパラなどの鳥たちをたっぷりと観察、撮影。さらに南下してクロツラヘラサギ、セイタカシギ、バン、アカアシシギ、ハマシギなどを観察、撮影し、15:15に那覇空港へ到着したのである。鳥たちが多くなったり少なくなったりと渡りを感じられた伊平屋島・野甫島・沖縄本島。みなさま、お疲れ様でした。

宮島 仁

アカハラダカ 撮影:藤塚譲二様

 

コムクドリ 撮影:藤塚譲二様

 

サシバ 撮影:藤塚譲二様

 

アカハラダカ 撮影:藤塚譲二様

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