【ツアー報告】秋のシギチドリ巡り 東京湾と霞ケ浦 2024年10月4日

(写真:ウズラシギ 撮影:福渡毅様)

1日という限られた時間の中で海水域と淡水域の両方をめぐりながら、それぞれの環境に生息するシギチドリ類を集中的な観察する秋定番の日帰りバスツアー。淡水域での探鳥では道幅が狭い県道を走らなくてはならないため、車幅が狭い小型のマイクロバスを利用した少人数でコンパクトなツアーとし、アクセスを良くして歩く距離もできる限り軽減しています。また海水域に関しては潮位を見て日程を決めています。そして淡水域での探鳥ではさまざまなトラブル事例があることから、それらを回避するための探鳥ルールについて説明してから現地に向かうようにしています。ただ秋はなかなか天候が安定せず、晴れたり雨が降ったりと毎回毎回悩ましく、今回も天気予報は晴れのち曇りでしたが、にわか雨があるとのことでした。

4日、この日は潮位の関係から集合時間は08:30。早朝の都内はほぼ快晴だったにも関わらず、なぜか08:00頃から突然、黒い雲が接近してきて雨が落ちてきてしまいました。ただほぼ予定通り出発することができ、まずは海水域での探鳥のため千葉県に向かいました。移動中のバス車内ではわずかな時間ながら、秋の地味な色合いのシギチドリ類識別のポイントを説明しながら進むとともに、この日に見られる可能性が高い種について解説しました。到着後は長靴に履き替えるなど準備をしていただいてからトイレに立ち寄り、それから干潟に向かいました。この時間はやや風があったこと、そして曇っていたことから暑さはそれほど気になりませんでした。ひとまず干潟を見回してみるとこの時間帯、シギチドリたちはちょうど干潟の中央部に集まっているような状況だったため、ほぼ中央部での探鳥となりました。浅瀬には主にハマシギが群れ、付近にはソリハシシギ、メダイチドリ、ミユビシギ、ダイゼンの姿があり、よく見ると小型のトウネン数羽も見られました。ここからは小雨が降ったりやんだりといった状況の中での探鳥になりましたが、やや離れたところには数羽のオグロシギが見られ、よく見てみると1羽のエリマキシギが混じっていました。少々戻ると数羽で採食しているオバシギが見られ、付近ではハマシギ、ミユビシギ、シロチドリ、ダイゼンなども見られ、再びオグロシギの群れに接近して観察していると、オオソリハシシギも一緒にいて全く逃げる気配もなく間近に観察することができ、ミヤコドリがいつの間にかかなりの数になっていました。探鳥後は靴や三脚の泥を落としていただいてから再びバスに乗っていただき茨城県に向かいました。途中、サービスエリアで各自昼食をとっていただき、その後は車内で淡水域でのシギチドリ観察のルールについて説明しながら進み、最初のポイントでバスを下りて探鳥スタートとなりました。この時間はすっかり真夏のような陽気になっていて、日差しがジリジリと痛い感じでした。最初の場所は残念ながらコチドリが数羽いるだけでシギ類の姿がなかったことから、早々に場所替えすることにしました。ここでも下見時のようなにぎやかさはなかったですが、数羽のタカブシギとクサシギが見られ、戻る途中では1羽のヒバリシギが見られました。ただここも期待したような状況ではなく、一旦トイレに立ち寄ってから今回のメインポイントに向いました。最初の水田では3羽のオオハシシギと20羽はいようかと思われるトウネンが見られ、次に訪れた水田では1羽のウズラシギ、オジロトウネン、そしてここでも複数のトウネンの姿があり、足の色の違いなどを見ることができました。さらに進むとタシギ、アオアシシギ、セイタカシギが見られ、ようやく最後の最後で2羽のツルシギと1羽のコアオアシシギを見ることができました。

この日は雨はないだろうと思っての出発でしたが、結果的には午前中は雨が降ったり止んだりで、午後からは一転して真夏のような陽気になり気温30℃を超える状況になりました。ただシギチドリ類のバリエーションは見事で、海水域では基本種のハマシギ、ミユビシギ、ダイゼン、シロチドリをはじめ、メダイチドリ、ソリハシシギ、オオソリハシシギ、キアシシギ、オバシギ、ミヤコドリ、そしてオグロシギ、エリマキシギなどが見られ、淡水域ではセイタカシギ、タシギ、ツルシギ、コアオアシシギ、アオアシシギ、クサシギ、タカブシギ、オオハシシギ、トウネン、オジロトウネン、ヒバリシギ、ウズラシギ、コチドリなど計26種のシギチドリ類に出会うことができました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

オグロシギ 撮影:福渡毅様

 

ミヤコドリ 撮影:福渡毅様

 

エリマキシギ 撮影:福渡毅様

 

オジロトウネン 撮影:福渡毅様

 

ツルシギ 撮影:福渡毅様

 

アオアシシギ 撮影:福渡毅様

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