【ツアー報告】秋の対馬 大群で渡るアカハラダカと渡りの小鳥たち 2024年9月13日~15日

(写真:アカハラダカ 撮影:小林圭一郎様)

この時期恒例のアカハラダカの渡りを観る対馬のツアーですが、このツアーは時期柄、台風の影響を受けることが多くあり、直前までいつも天気図を見ては気を揉みながらの出発となるのですが、今秋は幸いにもツアーの期間は台風の影響を直接に受けずにツアーが出来そうと喜んで出発日を迎えたのも束の間、羽田空港の福岡行きの搭乗口に向かうと、ここで使用機材の到着が遅れたために20分の出発遅延が伝えられ、結果的には福岡到着が30分遅れることになってしまいました。これだけ遅れてしまうと、次の対馬便への乗り継ぎができるか不安になりましたが、福岡空港の地上係員の皆様の適切なご案内により、無事に定刻発の対馬便に滑り込むことが出来ました。対馬便が予定通り定刻に、対馬やまねこ空港に着くと、秋晴れの空というか盛夏の青空が迎えてくれましたが、本日はアカハラダカの渡りを観るにはすでに遅いため水田へと向かいます。どちらの水田も稲の刈り取り前で、稲が青々と茂っており、観察することが難しく、コチドリやトウネンを観察するにとどまりました。

14日、朝にホテルを出てバスの到着を待っているわずかな時間にも、道向かいの稜線沿いをアカハラダカが飛ぶのを何羽も観察します。ここでこの様子なら、どうやら今日は飛びそうです。実際にはその予感が的中し展望台に着くと、早くも今朝、すでに2,000羽が飛んでいるということでした。そして、私たちが到着して間も無く、200羽ほどの群れを観察したのを皮切りに、20羽〜300羽ほどの群れが次々と観察されます。そのままの勢いで11時頃までは次々と群れが観察されましたが、11時を過ぎると今までの勢いも落ち着いてきました。しかし、その静寂を破るように12時過ぎに2,000羽を超えるアカハラダカの大群が現れました。その群れが旋回しながら上昇して、群れが解けて、流れていく様子はまさに川の流れのようで、この時期の対馬でないと見られない圧巻の景色に、展望台も今日一番の盛り上がりを見せましたので、満足して昼食に向かいました。昼食後に再び展望台に上がりましたが、その後はアカハラダカの動きも無くなってしまっていましたので水田地帯に向かいます。水田も昨日の水田同様に稲の刈り取り前で観察しづらかったのですが、ここで4羽のツメナガセキレイを確認することができました。

15日、最終日の今日は雲が低く立ち込めていましたが、展望台に上がっても雲が低く立ち込めていて、見晴らしが悪い空模様です。肝心のアカハラダカもその雲の切れ間を小さな群が時折、飛ぶ程度であり、展望台のそばを飛ぶ個体は数羽のみでした。そんななか、展望台の真上をふわふわと飛んでいく鳥が現れ、これが驚くことにコウライウグイスでした。肝心のアカハラダカは数少なかったのですが、このコウライウグイスのほかにも、展望台周辺にはサンコウチョウやツシマテンなども現れてくれました。しかし、正午が近づいてくると、雲がより低く垂れ込めるようになり、アカハラダカの動きもほとんど観られなくなってしまいましたので、観察を終えて昼食に向かいます。昼食後は帰路に就くために対馬空港に向かいますが、到着地である福岡の悪天候の影響で、飛行機の定時運行も心配されましたが、幸いにも予定通りに対馬空港を発つことができて、福岡の乗り継ぎも予定通り済み、定刻に予定通りに羽田空港に到着して解散しました。

秋のタカの渡りはおそらくこれくらいの時期という傾向はあるものの、実際には行ってみないことにはその様子が分からないために難しさもあるのですが、今回は天候にも恵まれ、アカハラダカの渡りの本流である対馬ならではの、大きなアカハラダカの大群を観察する機会にも恵まれました。皆様、大変にお疲れさまでした。

田仲謙介

アカハラダカ 撮影:寺田祐治様

 

アカハラダカ 撮影:宅間保隆様

 

エゾビタキ 撮影:小林圭一郎様

 

ハチクマ 撮影:寺田祐治様

 

コチドリ 撮影:宅間保隆様

 

アカハラダカ 撮影:小林圭一郎様

 

アカハラダカ 撮影:寺田祐治様

 

ハチクマ 撮影:宅間保隆様

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