【ツアー報告】アカハラダカが渡る!秋の石垣島 2024年9月23日~26日
(写真:アカハラダカ 撮影:島田真司様)
9月23日、石垣空港に全員集まって出発。石垣島では、地元で鳥を見ている方からリアルタイムの最新情報を頂けるので本当にありがたいです。早速、空港近くのカタグロトビのポイントへ行く。ツメナガセキレイが50~60羽飛び回っている。すると、リュウキュウツミがハンティングをするが失敗。日本で一番体の小さな亜種オサハシブトガラスや色の濃い亜種イシガキヒヨドリ、リュウキュウキジバトが飛び回る。遠くでアカハラダカ3羽が旋回しているが、遠すぎて話にならない。林内を飛ぶカタグロトビをチラッと見るが、その後はまったく動きが無いので移動する。海岸へ行くと渡って来た疲れたのかダイサギとコサギが約100羽程休んでいる。ムナグロ、メダイチドリ、オオメダイチドリ、ソリハシシギ、キョウジョシギなどのシギ・チドリ類を皆さんでじっくりと観察、撮影。クロハラアジサシがふわふわ飛んでいる。夕方にズグロミゾゴイを探すが見当たらない。シマアカモズがたくさん渡って来たようであちこちにいて、サンショウクイ70~80羽の群れが鳴きながら飛んで行く。いろいろと渡り鳥が入って来ているようで、明日に期待を持ってホテルにチェックイン。
9月24日、ホテルで朝食後、バスで出発し展望台へ行くが、曇っていて周囲の山々は霧に覆われている。ミサゴやハヤブサなどを観察、撮影し、時々、土砂降りとなっては階下に避難する。それでも10:00頃から薄日が差してくると20~30羽程のアカハラダカの鷹柱が見られる。時々、至近距離を飛んで来る個体がいて、アカハラダカの上面、目線、下面の写真が撮れるから盛り上がる。ツバメやサンショウクイもかなりの数が渡っている。天気はイマイチだったが、3時間程でアカハラダカが150羽程渡って行ったのである。その後はメダイチドリ、トウネン、キアシシギ、カワセミなどを観察、撮影する。12:30から八重山そばの昼食。その後、耕作地へ行くとツメナガセキレイ100羽以上が水田に降りていて、中には真っ黄色の繁殖羽もいる。農道を歩きながらセイタカシギ、タカブシギ、ヒバリシギ、タシギなどのシギ・チドリ類やクロハラアジサシを皆さんでじっくりと観察、撮影する。水田に降りているムラサキサギを観察、撮影していると、いきなり何か変な形の物を咥えた。望遠鏡で見るとカメの頭を咥えててカメが手足をバタバタさせている。ムラサキサギはカメを咥えてゆっくりと草地へと入っていったのだ。すると、ドライバーさんが「早くこっちへ来い」と手を振っている。急いで行くと畑の杭にカンムリワシがとまっていたが飛んでしまったという。周辺を探すと畦に降りているカンムリワシを発見。カンムリワシに近づいていると、上空をカタグロトビが飛び、モクマオウにとまる。あっという間に、昨日は見られなかった八重山4点セットのうちの3種を観察、撮影する。夕方にカタグロトビのポイントへ行くとムラサキサギ4羽が牧草地で採餌をする。さらに、とまっているカタグロトビを発見して観察、撮影する。そしてズグロミゾゴイがのんびりと採餌をしているので、こちらも皆さんでじっくりと観察、撮影する。ホテルへ戻り沖縄料理の夕食。アカハラダカや八重山4点セットの話で盛り上がったのである。
9月25日、ホテルで朝食後にバスで出発し公園へ行く。ムクドリ類10数羽が飛んで行くが識別には至らない。オオムシクイとシマアカモズがあちこちで鳴いている。展望台へ行くと直ぐにブッポウソウが飛んで行く。すると次々にアカハラダカ40~60羽程の鷹柱があちこちに見られる。エゾビタキ、サンショウクイが飛んで行き、亜種チュウダイズアカアオバトがとまって盛り上がる。中でも翼を広げると1m近くもあるヤエヤマオオコウモリが飛ぶと大騒ぎなのだ。スジグロカバマダラ、ツマムラサキマダラ、オオゴマダラなどの蝶もたくさん飛んでいる。この日はアカハラダカの50~150羽程の鷹柱が次々に見られ、真上を通過する群れや至近距離で旋回する個体もいて大盛り上がりとなる。渡り鳥のツアーはみんなでわいわい楽しめるのがいい。この日は朝の3時間程で約900羽のアカハラダカを観察して今期の石垣島では最大数となったのである。12:30から石垣牛ハンバーグの昼食。その後、海岸に行くとクロハラアジサシ60羽程が電線にとまっていて盛り上がる。エゾビタキとオオムシクイがたくさん入って来ててあちこちにいる。オオアジサシがとまっていて皆さんでじっくりと観察、撮影する。耕作地へ行きセイタカシギ、ヒバリシギ、タカブシギ、タシギなどを観察、撮影しながら歩く。タシギではないジシギ類が何羽も飛び出すが識別には至らない。その後、カンムリワシを探しに行くが発見できず、耕作地を歩いているとタカグロトビが飛行ととまりを繰り返すので盛り上がる。さらに、カタグロトビがもう一羽飛び出して電柱にとまり、昨日から2羽がこの辺りに執着しているようなのだ。まだまだ、真夏のような暑い中、ホテルに戻る。
9月26日、ホテルで朝食後にバスで出発して公園へ行く。カラムクドリ18羽、コムクドリ7羽がガジュマルの実を食べていて、直ぐに飛び立って電柱にとまる。皆さんで観察、撮影しているといきなり土砂降りとなる。展望台へ行くが、霧に覆われてて視界が悪い。しかし、9時頃に薄日が差してくると市街地の上空に100羽以上の鷹柱がいくつも出来て海へと渡って行く。時々、頭上を通過する群れがいて盛り上がる。遠くをアカハラダカにモビングをされてる大型のタカが飛んで行く。羽縁が後方に膨らんでいて下面が白っぽい。ハチクマだ!ハチクマの渡りのコースは九州から中国大陸へと渡るが、稀に南西諸島を通るものがいるのだ。今日も2時間半で約450羽のアカハラダカが渡って行ったのである。11:30 に広場に行くとツメナガセキレイが50~60羽がいる。ズグロミゾゴイを探して歩くがまったくいない。日本で一番小さな亜種オサハシブトガラスがケラケラと笑ったように鳴く。カンムリワシを探すが、これにも出会えない。道路の脇にスジグロカバマダラ、ヤエヤマムラサキ、リュウキュウムラサキ、タテハモドキなどの蝶が乱舞している。カンムリワシを諦めてバスで移動すると、轢かれそうな停空をカンムリワシが飛んで行く。午後は耕作地へ行き、アオアシシギ、セイタカシギ、タカブシギなどのシギ・チドリ類を観察、撮影する。水路からムラサキサギが飛び立つ。すると、水路の壁を登っていくリュウキュウヒクイナを確認した方がいて皆さんに羨ましがられる。バスに向かうといつの間にかクロツラヘラサギが水田に降りて採餌をしているので皆さんで観察、撮影する。そして石垣空港へと向かったのである。アカハラダカの渡りで大いに盛り上がり、渡り途中のシギ・チドリ類や小鳥をたっぷりと楽しむツアーとなりました。激熱の中、お疲れ様でした。
宮島 仁