【ツアー報告】8月の東京~小笠原父島航路と南島クルーズ 2024年8月23日~25日

(写真:オガサワラヒメミズナギドリ 撮影:宅間保隆様)

今年は早くも5月から暑い日が続き、この時期になると外出も危険なレベルになってしまいました。こうなるとバードウォッチングに出かけるにもどこに行って良いか悩んでしまうわけですが、比較的涼しい海上での探鳥はこの時期の逃げ道のようになっています。中でも小笠原父島へ向かう航路は通常であれば5泊6日の日程で運行しているものの、ちょうどこの時期に3日間で往復できる着発航路が設定されます。6日間だとなかなか足が向かない小笠原ですが、3日間という日程であればお忙しい方にもご参加いただけるだろうとのコンセプトで企画しているのがこのツアーです。この時期の小笠原航路は小笠原海鳥基本5種がほぼ間違いなく見られることはもちろん、時には大変珍しい海鳥に出会うこともでき魅力的な時期です。父島には4時間ほどしか滞在できませんが、これといって目立った種がいるわけではないことから南島へのクルーズを実施し、この時期可愛らしい姿を見せてくれるカツオドリの親子や岩礁に群れるクロアジサシを観察する短時間のチャータークルーズを企画しています。出発地の竹芝桟橋は朝からかなり暑いのですが、小笠原はこの時期でも最高気温が35℃になることはまずありません。そのためまるで避暑に行くような感覚で出発することになりました。

23日、出発直前に台風10号が発生したことから、その動向をずっと気にしていました。ただ進路がやや西にずれたこと、またスピードがかなり遅く小笠原近海にやってくるのが帰着日の25日頃とのことで、ひとまず影響はないだろうと判断していました。そして出発当日の東京都内は相変わらず快晴で、ぐいぐい気温が上がってくる朝でした。この日も集合時間の1時間ほど前に東京竹芝桟橋に到着して準備を進め、おかげさまで集合時間の10:00には全員のご集合が完了したことから、資料配布、行きのチケットの配布、そして海鳥観察ツアーには欠かすことができなくなくなったトラベルイヤホンの配布および使用説明を行い、ツアー全体の重要事項の説明、さらには小笠原航路で見られる海鳥たちの解説をしてから乗船しました。この日のおがさわら丸の乗船人数は着発便の最終便ということもあって208人とかなり少なく、そのため竹芝桟橋は閑散としていました。そして定期船おがさわら丸は定刻の11:00に父島に向けて出港しました。ただ、おがさわら丸が東京湾を出るまでに約3時間を要することから、乗船後はひとまず船内見学や昼食の時間としていただき、観察は東京湾を出る14:00からとしています。昼食などを済ませて14:00の洲の崎沖からデッキに出ると薄曇りながらも一部に青空が見え、やや風があることからかなり涼しく感じました。

*諸般の事情により詳しい出現状況をウェブサイトでは公開しておりません。

今回は出発直前に台風10号が発生してしまい、その動向が気になる中での出発でしたが、結果的には台風の速度が遅く、観察には全く影響はなく幸いでした。今回もまず覚えたいアナドリ、カツオドリ、オナガミズナギドリ、シロハラミズナギドリ、クロアジサシの小笠原海鳥基本5種を見ることができ、特にシロハラミズナギドリはたった1回のチャンスながら良いシーンが見られました。また今回はツアーとしては久しぶりにオガサワラヒメミズナギドリを画像に残せるレベルで観察することができ、オガサワラミズナギドリも良い条件で見る幸運がありました。さらには3タイプのアカアシカツオドリ、アカオネッタイチョウ、南島クルーズではカツオドリの親子やクロアジサシ、そしてオナガミズナギドリのヒナ、アカガシラカラスバトも見られました。小笠原は基本的に5泊6日のため、なかなか簡単に行くことはできませんが、またの機会、季節を変えてぜひお出かけください。来年はオーストンウミツバメが乱舞する時期に、アホウドリ3種とメグロ、そしてザトウクジラの豪快な大ジャンプが見られる春に企画予定です。この度はご参加くださいましてありがとうございました。またご一緒できましたら幸いです。

石田光史

マッコウクジラ 撮影:坂東俊輝様

 

オガサワラミズナギドリ 撮影:佐久間昭宏様

 

アカアシカツオドリ 撮影:上野達雄様

 

カツオドリのヒナ 撮影:宅間保隆様

 

オオミズナギドリ 撮影:坂東俊輝様

 

シロハラミズナギドリ 撮影:佐久間昭宏様

 

オガサワラミズナギドリ 撮影:上野達雄様

 

アカアシカツオドリ 撮影:宅間保隆様

 

ハシナガイルカ 撮影:坂東俊輝様

 

クロアジサシ 撮影:佐久間昭宏様

 

アナドリ 撮影:上野達雄様

 

アカアシカツオドリ 撮影:佐久間昭宏様

 

オナガミズナギドリ 撮影:上野達雄様

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