【ツアー報告】富士山五合目で高山鳥に会いたい! 2024年8月21日
(写真:ウソ 撮影:東海林治様)
今年はかなり早い段階から暑い日が続き、その暑さがその後は猛暑に変わり、さらには酷暑に変わるといった感じで、もういつから暑かったのか忘れてしまうほど、ずっと暑い日が続いています。ここまで暑さが厳しくなってくると、国内ではバードウォッチングは熱中症の危険もありなかなか行く場所が見つからないものです。当然のことながらツアーも一休みといった状況にはなるのですが、それでも僅かに野鳥たちが楽しめるのが高山帯です。今回は標高約2500ⅿにある富士山五合目で涼みながら、これといって歩くことなくじっくり高山の野鳥たちを観察したり撮影したしてみようというコンセプトのツアーです。水場に小鳥たちが集まるにはここ数日の現地の天気が重要なので、昨日夜の天気が気になるところでした。この日は天気予報そのものは終日曇りとのことでしたが、夕方以降は関東各地で雷雨があるとの予報も出ていました。
21日、この日はそもそもも天気予報が芳しくなかったこともあって、東京都内は早朝からどんよりとした曇り空した。特に問題なくご集合が完了したことから08:30に出発して富士山五合目に向かいました。バス移動中はこの日に見られる可能性が高い種の解説や昨日の現地の状況、そして水場にやってくる鳥たちに傾向などを話しながら進めました。ただ、この日も中央自動車道はやや渋滞気味で最初の休憩までは通常であれば1時間少々といったところなのですが、この日は1時間半かかりました。ただ、その後は順調に進み、この頃からは空にはやや青空がのぞいてきていました。スバルラインを登るころにはさらに天気は回復傾向のようで日差しがありました。ただここからは亜高山帯のため、進むにつれて霧が出たり晴れたりと、状況はコロコロ変わっていました。そして11:30頃に奥庭駐車場に到着し、バスを降りると天気はかなり回復していて青空が見えてきていました。道を歩いて行くと、昨日に引き続いて小さな水たまりがあるのが少々気にはなりましたが、探鳥地に到着後は各自準備を進めていただきました。ただこの日も残念なことに昨夜雨が降ったとのことで水場にやってくる小鳥の姿はなく閑散としていました。遊歩道を歩いてみましたが、こちらも鳥の声はわずかで残念でしたが、この頃には雲が晴れて一時的に富士山頂を見ることができました。その後は13:00頃にヒガラが2羽でやってきて水浴びする姿をじっくり見せてくれました。ただその後は天気が急激に変わり始め、13:30に小雨が落ちてきたかと思うと、14:00には一旦、雨は上がって薄日が差してきました。ただ14:30にはいきなり間近で雷鳴が轟き、それが15分ほど続きました。ただ15:00にはほぼ雷は去ったようで、再び曇り空に戻り、急激に晴れてきていました。そしてそろそろ終了かと思った15:50にウソのメスがやってきて水浴びをはじめ、追うように頬が真っ赤なオスもやってきて2羽で仲良く水浴びを始めてくれました。ウソは一度来ると何度かやってくることから16:15まで時間を延ばし、数回、その姿を見ることができました。
今回は2回に渡って普段の酷暑から逃れ、気温20℃という下界では考えられないような涼しい環境の中で過ごすことができました。ただこの日もお天気のめぐりあわせが良くなかったようで、水場にはほとんど小鳥たちの姿はなく残念でした。それでもこの日はヒガラ、そして最後にはウソのつがいがやってきてくれ、一時的にはありましたが、富士山頂も見ることができました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史