【ツアー報告】富士山五合目で高山鳥に会いたい! 2024年8月20日

(写真:ホシガラス 撮影:坂東俊輝様)

今年はかなり早い段階から暑い日が続き、その暑さがその後は猛暑に変わり、さらには酷暑に変わるといった感じで、もういつから暑かったのか忘れてしまうほど、ずっと暑い日が続いています。ここまで暑さが厳しくなってくると、国内ではバードウォッチングは熱中症の危険もありなかなか行く場所が見つからないものです。当然のことながらツアーも一休みといった状況にはなるのですが、それでも僅かに野鳥たちが楽しめるのが高山帯です。今回は標高約2500ⅿにある富士山五合目で涼みながら、これといって歩くことなくじっくり高山の野鳥たちを観察したり撮影したしてみようというコンセプトのツアーです。水場に小鳥たちが集まるにはここ数日の現地の天気が重要なのですが、天気予報で見ている限りでは、ここ数日、現地では全く雨は降っていないはずでしたが、ここはさすがに亜高山帯のため、突発的な雨はあるようで、現地到着時には雨水が溜まった小さな水たまりが見られました。

20日、この日の東京都内は早朝からどんよりとした曇り空で、前日夜には雨が一時的に降っていました。集合時間の頃には空にはやや青空がのぞいてきていましたが、この日の富士山の天気予報は終日曇りとなっていました。予定通りご集合いただいたことから08:30に出発して富士山五合目に向かいました。バス移動中はこの日に見られる可能性が高い種の解説や現地の状況、そして水場にやってくる鳥たちに傾向などを話しながら進めました。ただ、この日の中央自動車道は早朝から事故渋滞が重なり、最初の休憩までは通常であれば1時間少々といったところなのですが、この日はたっぷり2時間もかかってしまいました。ただ、その後は順調に進み、バスの車窓からは雲がみるみる切れたおかげで、富士山の山頂も見えてきていました。スバルラインを登ると雲は眼下に広がって、天気予報とは異なり、天気にはもう心配はないように感じられました。そして11:45に奥庭駐車場に到着し、バスを降りるとみるみる空は青空に変わってきていました。ただ道を歩くと各所に小さな水たまりがあり、後で聞いてみると、我々が到着する前まではかなり激しい雨が降っていたとのことでした。探鳥地に到着して準備を進めていると、いきなり12:00にホシガラスがバサバサと羽ばたきながら飛んできて木に止まり、その後はさっと水場に降りて、ゆっくりと何回も水を飲んでいました。この頃からはさらに空は明るくなってきていて、針葉樹林からはキクイタダキの声もかなり聞こえてきていました。ただその後は、水場には全く鳥の気配はなく、ただ周辺の針葉樹林ではウソやルリビタキが見られたようで、メボソムシクイのさえずりもかなり聞こえてきていました。その後は14:35にようやくルリビタキのメスが水場にやってきましたが、この個体は警戒心が強いらしく、何度かやってきては離れ、またやってきては離れといった感じで、結局、水浴びなどはせず去って行ってしまいました。ただこの日はこれ以外に水場にやってくる鳥の姿はなく、予定通り16:00に探鳥を終えました。

今回は普段の酷暑から逃れ、半袖では少々肌寒く感じられる環境の中で過ごすことはできましたが、直前に雨が降るなど、天気のめぐりあわせが良くなかったようで、水場にはほとんど小鳥たちの姿はなく残念でした。それでも普段なかなか見らえないホシガラスが見られ、周辺ではルリビタキやウソも見られました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

ウソ 撮影:室井秀久様

 

ルリビタキ 撮影:坂東俊輝様

 

ホシガラス 撮影:室井秀久様

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