【ツアー報告】8月の東京~小笠原父島航路と南島クルーズ 2024年8月6日~8日

(写真:シロハラミズナギドリ 撮影:天野昌弘様)

今年は早くも5月から暑い日が続き、この時期になると外出も危険なレベルになってしまいました。こうなるとバードウォッチングに出かけるにもどこに行って良いか悩んでしまうわけですが、比較的涼しい海上での探鳥はこの時期の逃げ道のようになっています。中でも小笠原父島へ向かう航路は通常であれば5泊6日の日程で運行しているものの、ちょうどこの時期に3日間で往復できる着発航路が設定されます。6日間だとなかなか足が向かない小笠原ですが、3日間という日程であればお忙しい方にもご参加いただけるだろうとのコンセプトで企画しているのがこのツアーです。この時期の小笠原航路は小笠原海鳥基本5種がほぼ間違いなく見られることはもちろん、時には大変珍しい海鳥に出会うこともでき魅力的な時期です。父島には4時間ほどしか滞在できませんが、これといって目立った種がいるわけではないことから南島へのクルーズを実施し、この時期可愛らしい姿を見せてくれるカツオドリの親子や岩礁に群れるクロアジサシを観察する短時間のチャータークルーズを企画しています。今年は春からとにかく暑い日が続いていますが、小笠原はこの時期でも最高気温が35℃になることはまずありません。そのためまるで避暑に行くような感覚で出発することになりました。

6日、もういつから暑かったか忘れてしまうほど、ずっと暑い東京都内は、この日も朝から快晴でうんざりするほどの暑さでした。この日は集合時間の1時間ほど前に東京竹芝桟橋に到着して準備を進め、おかげさまで集合時間の10:00には全員のご集合が完了したことから、資料配布、行きのチケットの配布、そして海鳥観察ツアーには欠かすことができなくなくなったトラベルイヤホンの配布および使用説明を行い、ツアー全体の重要事項の説明、さらには小笠原航路で見られる海鳥たちの解説をしてから乗船しました。この日のおがさわら丸の乗船人数は601人と先週に比べて一気に増え、いよいよ夏の繁忙期を迎えたなといった感じで、親子連れなど子供たちの乗船が多い印象でした。そして定期船おがさわら丸は定刻の11:00に父島に向けて出港しました。ただ、おがさわら丸が東京湾を出るまでに約3時間を要することから、乗船後はひとまず船内見学や昼食の時間としていただき観察は東京湾を出る14:00からとしています。

*諸般の事情により詳しい出現状況をウェブサイトでは公開しておりません。

今回は最終日に熱帯低気圧が発生し、後に台風になりましたが、海況に大きな変化はなく総じて穏やかな海況の中、まず覚えたいアナドリ、カツオドリ、オナガミズナギドリ、シロハラミズナギドリ、クロアジサシの小笠原海鳥基本5種をしっかりと見ることがで、特にここまで数が少なかったシロハラミズナギドリが何回も良い条件で見られ幸いでした。またオガサワラミズナギドリも2度にわたって良い条件で見られ、アカアシカツオドリ、オーストンウミツバメも登場し、南島への上陸はできなかったものの、カツオドリの親子やクロアジサシを間近に見ることもでき、父島ではわずかな時間ながらアカガシラカラスバトにも出会えました。小笠原は基本的には5泊6日のため、なかなか簡単に行くことはできませんが、またの機会、季節を変えてぜひ小笠原にお出かけください。来年はオーストンウミツバメが乱舞する時期に、アホウドリ3種とメグロ、そしてザトウクジラの豪快な大ジャンプが見られる春に企画予定です。この度はご参加くださいましてありがとうございました。またご一緒できましたら幸いです。

石田光史

アカガシラカラスバト 撮影:天野昌弘様

 

アナドリ 撮影:天野昌弘様

 

クロアジサシ 撮影:天野昌弘様

 

アカアシカツオドリ 撮影:天野昌弘様

 

カツオドリ 撮影:天野昌弘様

 

オナガミズナギドリ 撮影:天野昌弘様

 

オーストンウミツバメ 撮影:天野昌弘様

 

オオミズナギドリ 撮影:天野昌弘様

関連記事

ページ上部へ戻る