【ツアー報告】フォトツアー空の王者 イヌワシに会いたい! 2024年8月4日

(写真:イヌワシ 撮影:村瀬隆司様)

今年は春からすでに真夏のような暑い日が続き、夏になったらどうなるのだろうかと思っていましたが、結果的にはいつが夏だったのかがよくわからないほど暑い日が続いていました。さすがにこうなると、特に暑さが厳しい8月は国内ではなかなか行く場所が見当たらず、したがって国内のバードウォッチングツアーも一休みとなるのですが、こういった時期だからこそ歩きまわることなく定点観察を、しかも涼しい場所でしてみてはどうかといったコンセプトで企画してきたのがこのツアーです。定点観察といえば真っ先に思いつくのが大型猛禽類ということで、今回はイヌワシとの出会いをポイントに掲げています。もちろん天気が極めて重要になることから、過去の天気を見て晴れの確率が高い時期に合わせています。その甲斐あってか今回は晴れマークが出る中での出発となりましたが、この日は雷雨の可能性があるとのことでした。

4日、この日も米原駅前は朝から暑いの一言。東京都内もかなり暑いのですが、なにかむっとするような空気の暑さを感じる朝でした。この日は集合時間の09:00よりも少々早めに集合が完了したことから予定通り出発してまずは伊吹山ドライブウェイに向かい、途中、今回の主役であるイヌワシの基本的な話をしながら進めました。そして伊吹山ドライブウェイのゲートまでやってきたところで掲示板を見ると山頂付近の気温は22℃、視界は良好とのことでまずは一安心して山頂駐車場に向かいました。10:00には山頂駐車場でトイレに立ち寄ってから観察場所に移動し10:20からは探鳥を開始することができました。この時間は無風だったこともあって意外に蒸し暑く、また天気は不安定で谷底からは霧が立ち込めていて山頂駐車場付近を覆い隠していました。早速、周辺からはウグイス、ホオジロのさえずりが聞こえ、ツバメがすいすいと飛んでいました。またこの日はホトトギス、カッコウの声も聞こえてきていました。10:45頃からはやや雲が広がっていくぶん涼しいといった感じになってきました。すると10:55にいきなり背後から我々の上空をすり抜けるようにイヌワシの成鳥が飛び、すべるように対岸の森に消えていきました。11:20にはホトトギスが鳴きながら飛び回り、11:30には再びイヌワシの成鳥が飛んだものの、斜面を下っていきすぐに見えなくなってしまいました。11:45にはさらに雲が増え、風も出てきたことからさらに涼しく感じるようになってきました。そして13:05にはようやくイヌワシの幼鳥が右側の山の稜線上に現れましたが、あっという間に対岸の森の中に消えていってしまいました。その後は13:15に対岸の稜線上にイヌワシが旋回する姿が見られたものの接近してくることはなく、13:55には2羽のトビが山頂駐車場付近を飛んでいるのが見えました。14:00には再び幼鳥が右側の山の稜線上に現れて、今度は少々旋回飛翔してくれたため、ようやくその特徴である「三ツ星」を見ることができましたが、この時もそのまま対岸の森に消えてしまい、接近することはありませんでした。その後、15:10にさらに風が強まる中、対岸の稜線付近を飛ぶ3羽のイヌワシが見られましたが、この時も稜線裏に消えてしまい、直後には真っ黒い雲と霧が迫ってきて小雨が降り出し、一時的に探鳥を中止してバスに避難しましたが、雨はそれほど強まることはなく、16:00前には再び晴れ間が出てきました。そのため探鳥を再開しましたがイヌワシの出現はなく、予定通り17:00に探鳥を終えました。

さて、毎年盛夏の頃の恒例ツアーになっている国の天然記念物、イヌワシを観察、撮影するツアー。今年は久しぶりに幼鳥が無事巣立ったとのことで、なんとかその姿を一目見たいと願っていました。この日は結果的には成鳥よりも幼鳥の姿を見る機会の方が多く、なんとかその特徴である「三ツ星」を見ることはできましたが、全体的に飛翔する位置が高く、低い位置を飛ぶことはありませんでした。ただ無事に巣立ってくれたことは幸いとしか言いようがありません。いずれ新たな縄張りを作って、いつまでも日本のどこかの大空を舞ってほしいものです。この度はご参加いただきましてありがとうございました。またご一緒できましたら幸いです。

石田光史

イヌワシ 撮影:Ⅿ様

 

ホオジロ 撮影:Ⅿ様

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