【ツアー報告】夏休みに行く!東京~小笠原父島航路 2024年7月30日~8月1日

(写真:ナスカカツオドリ 撮影:遠藤英一様)

今年は早くも5月から暑い日が続き、この時期になると外出も危険なレベルになってしまいました。こうなるとバードウォッチングに出かけるにもどこに行って良いか悩んでしまうわけですが、比較的涼しい海上での探鳥はこの時期の逃げ道のようになっています。中でも小笠原父島へ向かう航路は通常であれば5泊6日の日程で運行しているものの、ちょうどこの時期に3日間で往復できる着発航路が設定されます。6日間だとなかなか足が向かない小笠原ですが、3日間という日程であればお忙しい方にもご参加いただけるだろうとのコンセプトで企画しているのがこのツアーです。この時期の小笠原航路は小笠原海鳥基本5種がほぼ間違いなく見られることはもちろん、時には大変珍しい海鳥に出会うこともでき魅力的な時期です。父島には4時間ほど滞在する時間がありますが、これといった野鳥が生息していないこと、また暑さが厳しいことから基本的には長時間の徒歩探鳥は避け、港近くの公園やビジターセンターで過ごしていただき、ご希望のお客様には南島へのクルーズを実施し、この時期可愛らしい姿を見せてくれるカツオドリの親子や岩礁に群れるクロアジサシを観察していただいています。今年は春からとにかく暑い日が続いていますが、小笠原はこの時期でも最高気温が35℃になることはまずありません。そのためまるで避暑に行くような感覚で出発することになりました。

30日、もういつから暑かったか忘れてしまうほど、ずっと暑い東京都内は、この日も朝から快晴でうんざりするほどの暑さでした。この日は集合時間の1時間ほど前に東京竹芝桟橋に到着して準備を進め、おかげさまで集合時間の10:00には全員のご集合が完了したことから、資料配布、行きのチケットの配布、そして海鳥観察ツアーには欠かすことができなくなくなったトラベルイヤホンの配布および使用説明を行い、ツアー全体の重要事項の説明、さらには小笠原航路で見られる海鳥たちの解説をしてから乗船しました。この日のおがさわら丸の乗船人数は482人とのことでそれほど多くはない印象で、無事乗船後、定期船おがさわら丸は定刻の11:00に父島に向けて出港しました。ただ、おがさわら丸が東京湾を出るまでに約3時間を要することから、乗船後はひとまず船内見学や昼食の時間としていただき観察は東京湾を出る14:00からとしています。

*諸般の事情により詳しい出現状況をウェブサイトでは公開しておりません。

早くも5月から関東圏はとにかく暑い日が続いていて、最高気温が35℃を超えることはすでに珍しくなくなっています。小笠原と聞くと暑いイメージがあり、実際に暑いのですが、あまりにも都内が暑いため到着した父島の33℃はもはや涼しく感じるほどでした。今回は最終日がほぼ1日、デッキにしぶきが上がる状況の中での探鳥になってしまいましたが、総じて穏やかな海況が続きました。全体的にミズナギドリ類の出現が少なく、特にシロハラミズナギドリをじっくり観察する機会に恵まれなかったことは残念でした。ただアナドリ、オナガミズナギドリ、クロアジサシはよく見られ、カツオドリに関しては過去最大数と思える大乱舞をしばらく楽しむことができ、3タイプのアカアシカツオドリが見られたことも成果でした。そして今回はなんといっても国内での観察例がわずかなナスカカツオドリを数時間に渡って観察する機会に恵まれ、アカオネッタイチョウ、オガサワラヒメミズナギドリとの出会いもあり大変印象的なツアーとなりました。小笠原は基本的には5泊6日のため、なかなか簡単に行くことはできませんが、またの機会、季節を変えてぜひ小笠原にお出かけください。来年はオーストンウミツバメが乱舞する時期に、アホウドリ3種とメグロ、そしてザトウクジラの豪快な大ジャンプが見られる春に企画予定です。をこの度はご参加くださいましてありがとうございました。またご一緒できましたら幸いです。

石田光史

アカオネッタイチョウ 撮影:佐久間昭宏様

 

クロアジサシ 撮影:柳由紀子様

 

アナドリ 撮影:佐久間昭宏様

 

アカアシカツオドリ 撮影:遠藤英一様

 

クロアジサシ 撮影:佐久間昭宏様

 

カツオドリ 撮影:柳由紀子様

 

オナガミズナギドリ 撮影:佐久間昭宏様

 

アカアシカツオドリ 撮影:佐久間昭宏様

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