【ツアー報告】フォトツアー落石クルーズで夏羽のエトピリカに会いたい!2024年6月29日~7月1日

(写真:エトピリカ 撮影:遠藤英一様)

鳥の観察会の道東ツアーでは必ずといってよいほど乗船してきた落石クルーズ。今や落石クルーズに乗船するために根室に行っているといっても過言ではありません。この落石クルーズの素晴らしさは見られる海鳥の顔ぶれを見ていただければ一目瞭然で、さらに普段撮影可能な距離感で見られることがほとんどないウミスズメ類を間近に見られることです。ただ実はもっとすごいことがあるのです。それは実際に毎日毎日忙しく漁をされている漁師さんが海鳥たちに興味を持って運行されていて、さらには海鳥の識別をもほぼ完璧にマスターされているということです。ただ小型の漁船を使ったクルーズのため当然のことながら欠航のリスクは常について回ります。今回も最終日の天候、海況が芳しくないとのことで2日目に2回乗船するスケジュールに変更することにしました。

29日、とにかく真夏のような日が続いている東京都内でしたが前日は珍しく激しい雨が降っていました。ただこの日は天気は持ち直して朝から蒸し暑い陽気になっていました。集合場所の羽田空港は土曜日ということもあって大混雑。大変な状況になっていましたが無事にご集合が完了したことから、まずは資料配布、その後はこの3日間の旅程の変更をお伝えしてから搭乗して中標津空港に向かいました。このツアーはメインとなるエトピリカを観察するために落石クルーズに乗船するのですが、その確率を上げるために日曜日、月曜日のそれぞれ午前中に1回ずつ、計2回の乗船を予定しています。

*諸般の事情により詳しい出現状況をウェブサイトでは公開しておりません。

小型船を使ったツアーは欠航という大きなリスクがついて回るため出発前から心配が尽きないのですが、今回も3日目の天候、海況共に悪いとのことで結果的には旅程を変更して2日目に2回乗船することになってしまいました。ただ幸いなことに時間とともに深い霧が晴れてくる状況になり、特に午後からの乗船では視界がはっきりして美しい落石の風景を堪能することができました。海も穏やかだったことから普段なかなか見ることができないウミスズメ類を撮影可能な距離感で見るというメリットを生かすことができ、主役のエトピリカは生殖羽個体に出会えなかったことは残念でしたが10個体ほどが見られ、換羽中と思われるさまざまな色合いの個体が見られたことは成果でした。また落石クルーズでは珍しくウトウ、フルマカモメの群れが着水しているところが見られ、そこに混じるコアホウドリ、ウミガラス、ハシボソミズナギドリ、ほかにも繁殖行動中のケイマフリの群れやラッコの群れ、またウミスズメ、カンムリウミスズメ、ハシブトウミガラスも見られました。そして今回は岩礁で繁殖中のチシマウガラスを見るという大変印象的な時間のあるクルーズになりました。この落石クルーズは海鳥好きのバードウォッチャーにとっては極めて貴重なクルーズです。 冬季にはウミバトをはじめ、コウミスズメ、エトロフウミスズメといった国内観察が極めて難しい小型ウミスズメ類が過去、高確率で見られます。ぜひまた季節を変えてご乗船ください。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

エトピリカ 撮影:遠藤英一様

 

ノゴマ 撮影:遠藤英一様

 

フルマカモメ 撮影:遠藤英一様

 

コアホウドリ 撮影:遠藤英一様

 

チシマウガラス 撮影:遠藤英一様

 

ラッコ 撮影:遠藤英一様

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