【ツアー報告】ブッポウソウとチゴモズが棲む松之山の森 2024年6月5日~6日

(写真:ブッポウソウ 撮影:前野ふみ子様)

梅雨入り間近の時期ですがこの時期は恒例となっている北信越のブナ林をめぐりながら主にブッポウソウとチゴモズを探すツアーの時期です。今回訪れる場所は私的には20年以上通っていますが、のどかな山村風景はまるで日本むかし話に出てくるような独特の風情があり、豪雪地帯らしい家屋の作りも印象的です。思い返すと長年にわたってこういった風景が全く変わらない点は驚きで、それだけに現地の環境にも配慮し、小型バスを使ったかなり小さなツアーにしています。タイトルにもなっているブッポウソウ、チゴモズといった希少な野鳥が生息しているほか、ブナ林を好む野鳥たちが数多く生息し、この時期は北信越を代表するピンク色のタニウツギや紫色の桐の花も見事な時期です。今回は一昨日までの不安定な天候はなくなり、両日ともに晴天の予報が出ている中での出発となりました。

5日、一昨日はめまぐるしく変わるおかしな天候で、急激に雨が降ったり晴れたりしましたが、ようやく天候が落ち着いたようで、今回は両日ともに晴天との予報が出ていました。そのためこの日の東京駅前は早朝から快晴で、予定通り08:30に出発してひとまず関越自動車道を走り新潟県を目指しました。車内ではここまでの状況に加え、今回のツアーで期待できる種について解説するとともに、現地の環境についてもお伝えしました。

*諸般の事情により詳しい内容をウェブサイトでは公開しておりません。

今回は幸いにも両日ともに晴天になり、早朝は冷え込み、日中は暑さを感じる当地独特の陽気になりました。ただ主役のチゴモズがなかなか見られず観察するまでにかなりの時間を要してしまいました。ここまで観察が難しいと果たして今後も見ることができるのか、やや心配になってしまいました。一方、ブッポウソウは光線状態が良い中で緑、紺、黒、赤の独特のグラデーションが鮮やかなその姿を何度も見ることができました。また美しく見える飛翔形もたっぷり観察することができ、翼にある青斑もしっかりと見ることができました。ほかにも当地を代表するノジコもレモンイエローの美しい姿とさえずりを堪能することができ、サシバ、サンショウクイ、イカル、アカゲラ、アオゲラなども見られ、ハチクマの飛翔、そして瞬間的ではありましたがアカショウビンも見ることができました。また声だけでしたがクロツグミ、ヨタカも確認でき、当地が貴重な野鳥たちの生息地であることを認識できました。今後も当地ののどかな山村風景と人の営み、そして野鳥たちの営みが保たれるようご協力ください。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

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