【ツアー報告】ベストシーズンに行く!三宅島 2024年5月24日~26日

(写真:アカコッコ 撮影:山尾文明様)

週末を利用して、アカコッコに代表される特産の野鳥たちが生息する三宅島を巡る初夏恒例のツアー。渡り鳥であるイイジマムシクイ、ウチヤマセンニュウも渡ってきて、三宅島の野鳥たちが出揃い、さえずりが多く、緑が鮮やかな時期に訪れます。三宅島といえば、真っ先に名前が挙がるのがアカコッコですが、ここ数年はなぜか観察が難しく、5年ほど前までの観やすかった印象が無くなってしまっているのですが、今年はどうでしょうか。

24日、集合場所の竹芝桟橋は週末ということで混雑していましたが、集合時間の21:30には皆様ご集合いただきましたので資料配布、翌日とツアー全体のスケジュールなどを連絡して、22:10頃から乗船開始となりました。

25日、04:50に伊ヶ谷港に入港。先ずはウチヤマセンニュウの生息地へと向かうと強い北風が絶えず吹きつけてきます。そのため、狙いのウチヤマセンニュウも囀りは草原の中から聴こえてくるものの、なかなか観察しやすいところに現れてくれず、少し残念なスタートとなってしまいましたが、次の林道では狙っていたタネコマドリの美しい姿を至近距離で確認することができたため、皆さんで観察、撮影を楽しむことができました。一度、宿に立ちって荷物を下ろした後は、三宅島の噴火を今に伝える阿古小・中学校跡、アーチ状の奇石めがね岩などを観ながら、島内を一周します。その途中に立ち寄った三宅高校裏の林では複数のサンコウチョウが鳴き交わしていたのですが、この観察がなかなか難しく苦戦しましたが、なんとか姿を確認すると、尾の短い雌タイプの鳥でした。宿に戻ると昼食までにはまだ少し時間があったので、宿の庭にくるカワラヒワ、オーストンヤマガラを見ながら過ごします。昼食後は、バードアイランド三宅島のもっとも有名な探鳥地であるアカコッコ館周辺で探鳥します。よくさえずるイイジマムシクイ、本土の亜種より長い嘴をした亜種シチトウメジロ、モスケミソサザイ、タネコマドリなど三宅島らしい鳥を観察しますが、肝心のアカコッコは居るにはいるものの、がなかなかしっかりと観られず、今年も苦戦させられます。それでも、夕方になると活動が活発になったのか、狭い範囲に何羽も現れてくれますが、なかなか良いところに現れてくれず、いまひとつ満足のいく観察、撮影がかなわなかったので、明日への持ち越しとなりました。

26日の早朝はアカコッコをしっかり観察するために、今季の観察に適しているという場所から観察をスタートします。最初に道沿いで観察すると、2羽のアカコッコが道端で餌をついばんでいるのを確認することができました。次いで林道に観察ポイントを移すと、こちらにも雄雌の姿があり、特に雌はすぐ近くにまで現れてくれました。朝食後は最後の観察、撮影時間となるため、集合時間を決めてアカコッコ館周辺で参加者各々が、観察、撮影を充分にできていない種にターゲットを定めて観察してもらいましたが、天候に恵まれたこともあり、自由に動かれた方々も親子のオーストンヤマガラやカラスバトを撮影された方もいて、なかなかの成果を上げることができたようです。宿に戻っての昼食後、出港する港である錆が浜港へ向かいます。船は定刻より15分ほど遅れて出航し、海上での観察では着水しているオオミズナギドリの大きな群れが一斉に飛び立つところを始め、ハシボソミズナギドリ、ハイイロミズナギドリ、アカアシミズナギドリのほか、トウゾクカモメ、クロアシアホウドリ、そしてこの時期のこの海域では珍しいハジロミズナギドリも現れてくれました。

ツアーを行う前から、その動向が気になったアカコッコですが、今回は幸運にもツアーを通して観察する機会に恵まれました。それでも、以前と比較すると今年もかなり観察が難しくなっている印象を受けました。この状態が一過性のもので、来年以降は以前のように観察しやすい状態に戻ることを願うばかりです。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

田仲 謙介

カラスバト 撮影:上田恵様

 

タネコマドリ 撮影:杉崎明登様

 

シチトウメジロ 撮影:小林圭一郎様

 

イイジマムシクイ 撮影:山尾文明様

 

オーストンヤマガラ 撮影:上田恵様

 

タネコマドリ 撮影:杉崎明登様

 

アカコッコ 撮影:小林圭一郎様

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