【ツアー報告】春の利尻島 最北の航路と渡りの鳥たち 2024年5月5日~8日

(写真:ヤマゲラ 撮影:小林圭一郎様)

本州に住んでいる我々にとっては春の渡りはすでに終わっているという認識の時期ですが、北海道北部の島々ではこの時期、ちょうど春の渡りの最盛期を迎えています。このツアーでは時期を5月の初中旬に合わせることで渡り途中の小鳥類に期待できるようにしているほか、海上を渡る海鳥たち、そして利尻島内ではクマゲラやコマドリ、また道内では原生花園の小鳥やヤマゲラを探すなど、さまざまな楽しみを組み合わせています。北海道はさまざまな時期にツアーを企画していますが、この時期は厳冬期や花々が咲き乱れる初夏に負けない魅力があります。ただ、この時期の道北はまだまだ真冬のような気温になることも普通で、さらに利尻島に渡る船上は冷たい風が吹きつけます。今回は本州では初夏のような陽気が続く異例の状況が続く中での出発となりましたが、6日からは北海道内には寒気がやってきてやや荒れ模様との予報が出ていました。

5日、ここ数日の東京都内は初夏のような陽気が続き、この日も東京都内は早朝から快晴でこの日も暑くなりそうでした。予定通り羽田空港にご集合いただいた後は資料の配布、そしてこの日の連絡事項をお伝えしてから搭乗し、稚内空港に向けて出発しました。着陸直前には機体が大きく揺れはしたものの無事に到着。稚内空港は薄曇りでやはり空気はひんやりとしていました。構内で観察機材準備の後は、まずは原生花園に向かいました。

*諸般の事情により詳しい内容をウェブサイトでは公開しておりません。

今回の利尻島ツアーは稚内~利尻島の航路の欠航があったため、急遽、大幅な旅程変更をすることになってしまい、また利尻島滞在中はほぼ強風や雨、そして最後は雪が降ってくるといった状況になってしまい、ほとんどまともな探鳥ができず残念でした。それでもわずかながらコマドリが見られ、オジロビタキ、ルリビタキ、ノビタキ、キビタキ、オオルリ、イスカ、シメ、マヒワ、ウソなどが楽しませてくれ、数万羽はいようかというアカエリヒレアシシギの大群が陸から見られました。航路でも海鳥が少ない印象ながらケイマフリ、ウトウ、ウミスズメ、シロエリオオハム、ハシボソミズナギドリが見られ、なんとか時間を絞り出して訪れた道内の森では最後の最後で目的のヤマゲラをじっくりと観察することができました。また初日に訪れた原生花園では、まだまだ花がなく殺風景ながらノビタキやノゴマ、オオジュリン、アカエリカイツブリが見られ、北へと渡っていくガン類の飛翔は見応えがありました。北海道はいつどこに行っても見どころ満載です。今後もさまざまな季節にさまざまな場所でツアー企画していきますので、次回は花々が咲く原生花園や憧れのギンザンマシコが見られる夏季にまた北海道にお出かけいただければと思います。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

ガン類の飛翔 撮影:石川浩様

 

コマドリ 撮影:小林圭一郎様

 

ノゴマ 撮影:小林圭一郎様

 

イスカ 撮影:小林圭一郎様

 

シノリガモ 撮影:小林圭一郎様

 

オオジシギ 撮影:小林圭一郎様

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