【ツアー報告】春の渡り鳥を求めて 新潟県・粟島 2024年4月29日~5月1日
(写真:ニシシベリアハクセキレイ 撮影:宅間保隆様)
4月29日、村上駅に皆様ご集合した後、岩船港からとても穏やかな海況のなかをフェリーで粟島に向かうと、多数のオオミズナギドリのほか、夏羽に変わったシロエリオオハムなどを確認できました。粟島の粟島港に到着後、宿泊する宿で休憩、観察道具の準備を整えて、初日の本日は島内の渡り鳥がどのような様子か、先ず農耕地を歩くとツグミとアオジの姿が良く目立つものの、全体的な渡り鳥の数は例年に比べると少なく感じます。その後、島の北側の農耕地も歩きますが、ツグミの中に1羽のハチジョウツグミを見た程度で、今ひとつという感じでした。今晩は雨が降るようなので、果たして明日はどのように変化しているでしょうか。
30日、早朝、ちょうどヒヨドリの渡りに当たったらしく、ヒヨドリの群れが途切れる事なく飛びまわっています。これだけヒヨドリがいて騒がしくしていると、なかなか他の種が目立ちませんが、近くの木にはヒガラの群れがいたり、上空をシメやアオジの群れが飛んで行ったりと、様々な種が渡っているようで、今まさに渡りの「現場」に身を置いていることを実感します。隣接する農耕地ではベニマシコの姿が目立つようになり、一本の木に5羽で集まる姿も見られるようになりました。その帰り道に、昨晩教えてもらったハクセキレイの観察に向かいます。種としてはハクセキレイですが、今まで東日本では記録が無いニシシベリアハクセキレイという非常に珍しい亜種なのです。探しに行くと道ばたにその姿が見つかり、皆さんで観察、撮影することが出来ました。しかし発見されたのが車道であったので、車が通るたびにそばに飛び去ったりしており、今ひとつ落ち着きがありません。朝食後の午前中は農耕地を歩きますが、鳥が増えた感じもありませんでしたので、午後にも再びニシシベリアハクセキレイの観察に向かいましたが、午前中と異なって交通量も増えたせいか、観察した道路にその姿は見つかりませんでしたが、役場前ではアオバトの声を聴きながら、道端に出てきて餌をついばむ雄のコルリをゆっくりと観察、撮影することができました。その後も農耕地を中心に歩きましたが、ツグミやアオジの数も昨日より減っているように感じられ、新たな種としては4羽で上空を飛んでいくイスカを確認するだけに留まりました。
5月1日、早朝の探鳥に出掛けようと、宿の前に出ると北風が強く吹いて寒く感じます。それもそのはずで、天気予報によると気温が一日を通して12度までしか上がらず、この強い北風で体感的には10度を下回る感じの寒さです。昨日と同じ場所に向かいますが、昨日はあれだけ賑やかであったヒヨドリがほとんど観られず、メジロの小さな群れが見られただけでひっそりとしているので、直ぐに場所を移そうと歩いていると、最後尾を歩いていたお客様が、飛んで来たベニヒワを発見してくれました。3羽のベニヒワたちは私たちを気にかけることもなく木の梢で盛んに餌をついばんでいたので、ゆっくりと観察することができました。朝食後は農耕地を歩きますが、かなり鳥影は薄くなっており、今までに見た鳥が少数ずつ見られるに過ぎませんでしたので林道を歩き、ご参加の方からご要望のありましたクロジを観察して今回の観察を締めくくりました。ご参加いただきました皆様、どうもありがとうございました。
田仲 謙介