【ツアー報告】固有種と渡りの鳥たち 春の奄美大島 2024年4月6日~8日

(写真:ルリカケス 撮影:杉崎明登様)

6日、東京の羽田空港を出発して奄美空港に到着後、奄美空港ご集合の皆様、現地ガイドと合流してから奄美空港を出発します。空港を出ると、空は一面の灰色の雲に覆われながらも、幸いにも雨は降っていないので、まずは空港にも近い海岸へと向かいます。一見すると何も居ないように見える海岸ですが、ムナグロの群れと共にメダイチドリ、キョウジョシギ、オオメダイチドリなどが見られたほか、夏羽に変わったクロツラヘラサギの姿もありました。それらを観察した後は水田地帯に向かいます。ここではセイタカシギの姿がありましたが、それ以外のシギ・チドリ類の姿が見つからず鳥影も薄いので、予定を変更して奄美自然観察の森へと向かうこととしました。到着後、バスを降りるとすぐにアカヒゲの囀りが聞こえてきます。林内では繁殖行動に入ったルリカケスがさかんに動きまわっていましたので、本日はまずルリカケスを堪能することとします。夕方になり、観察の森を出ようと歩いていたところで、キツツキ類のドラミングが聴こえてきたので、その方向に目をやるとオーストンオオアカゲラの姿を見つけることができて、しっかりと観察してこの日の探鳥を終えました。

7日、ホテルのロビーに降りると強くないながらも雨が降っています。05:00に出発して奄美自然観察の森に向かいます。向かっていると雨はさほど強くないものの、所々が濃霧で覆われており、雨と共に霧に悩まされる1日となりそうです。ところが、到着して林内に入ると来る途中に見られたような深い霧は見られず、思ったよりも視界は開けていたのは幸いでしたが、日が差していないために薄暗く、林内での撮影には苦労をさせられそうです。今朝の最大の狙いはアカヒゲですが、昨日同様に林内各所でよく囀っているため、囀りの位置から観察、撮影にふさわしいと思われる個体を選び、その個体に狙いを定めて観察、撮影を行うと、予想した通り、姿を確認しやすい個体でした。しかし良いところに現れたタイミングに限って雨が降っていたり、霧が立ち込めたりと、なかなか鳥と天気の条件が揃いません。昼食を挟んで、14:30まで観察、撮影を行いましたが、天気予報を見ても現地の状況から判断しても、状況が好転することは無さそうだったので、場所を移動することとします。到着すると、多少の降雨はあったものの、幸いにも観察にはさほど影響がなさそうです。周囲を歩き、サシバ、リュウキュウツバメ、カワセミなどを観察しますが、期待していた渡り鳥たちの姿は多くなく、少し期待外れとなってしまいました。最後に山の枯れ木に現れたオーストンオオアカゲラを観察してこの日の観察を終えます。

8日、本日も05:00に出発して、今朝は林道へと向かいます。昨日の自然観察の森よりも近いため、到着するとまだ夜は明けておらずリュウキュウコノハズクのコホッ、コホッという声がよく響いてきます。そのリュウキュウコノハズクの鳴き声が止み始めたところで、私たちの前に1羽の鳥が舞い降りてきたので、ライトを当てるとこれがアマミヤマシギでした。そして夜が明け始めてくると、鳴き声の主役がオオトラツグミに変わります。ツグミ類特有の美しい囀りが様々な方向から聴こえ始めますが、どの個体も姿を狙うには少し距離があり、残念ながら姿の確認までにはいたりませんでした。朝食後は昨日も訪れた奄美自然観察の森へ向かい、昨日同様にアカヒゲを中心に狙うと、本日は短い時間の滞在ではあったものの、昨日よりも条件良く、観察、撮影をすることができたため、早めに観察、撮影を終えて、最後に情報のあったシマアジのきれいなオスを確認した後に、昼食に奄美大島を代表する郷土料理の鶏飯を食べて、旅を締めくくりました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

田仲 謙介

アカヒゲ 撮影:杉崎明登様

 

オーストンオオアカゲラ 撮影:杉崎明登様

 

リュウキュウツバメ 撮影:杉崎明登様

 

サシバ 撮影:杉崎明登様

 

クロツラヘラサギ 撮影:杉崎明登様

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