【ツアー報告】早春の奥日光で渡りの冬鳥に会いたい！ ２０２４年４月５日
（写真：オオアカゲラ 撮影：中村由紀子様）
奥日光といえば毎年恒例になっているのが、晩秋にアオシギを集中的に探すツアーと初夏に草原や森林の夏鳥を探すツアーですが、今回はあえて中途半端な時期に奥日光を訪れ、定番になっている平地では越冬しない小鳥類、さらにはちょうど渡り期を迎えた冬鳥たちを探すことをメインにしてみました。奥日光といえば、平地では越冬しないアオシギ、カワガラス、キバシリ、ゴジュウカラ、コガラ、オオアカゲラといった種が生息していて比較的見やすく、今回はこれらに加えてレンジャク類やベニヒワ、オオマシコ、アトリ、マヒワといった冬鳥たちとの出会いに期待しています。昨年は冬鳥の渡来状況が良かったことから期待が膨らんではいましたが、ここまでの2日間では驚くような冬鳥との出会いはなく、またこの日は再び天気が悪くなるとの予報が出てしまいました。
5日、この日の東京都内の天気予報は曇り時々雨とのことで、早朝は霧雨が降っていました。ただ現地は昼前からずっと曇りとのことで探鳥には概ね問題なかろうと思っていました。今回は少々遅れて東京駅前を出発。バス車内ではいつものようにこの日見られる可能性がある野鳥たちの解説やこの2日間の状況をお伝えしながら進み、途中にあるサービスエリアで休憩をとった後は日光有料道路を経由して、おなじみのいろは坂に向かいました。途中、小雨が落ちてくる時間帯があり、いろは坂では思わぬ霧に覆われたため心配しましたが、中禅寺湖が見えたころには霧はなくなり、空は明るくなってきていました。到着後はトイレと観察機材準備を済ませてから探鳥をスタート。まずは遊歩道を歩きました。早速、小川のせせらぎでアオシギに出会いましたがどうにも警戒心が強いらしく、距離はあったもののすぐに飛んで行ってしまいました。さらに歩くと餌を探して幹をつつくオオアカゲラのメスに出会いました。川沿いまで行くとこの日もミソサザイが盛んにさえずっていて、中には間近にある枯れ木に止まってさえずっている個体も見られました。木道ではカワガラスに出会い、この日は潜水して餌を探す様子も観察することができました。またこの日は青いルリビタキが現れて早くも渡ってきたのだと感じました。戻る途中ではヒガラ、コガラ、ゴジュウカラ、エナガに出会うことができ、これらを観察していると倒木をつついているオオアカゲラのメスがいたため観察していると、間近にカケスが降りてきて歩き回り、よく見るとオオアカゲラのオスも一緒に倒木をつついていました。その後は一旦各自昼食の時間とし、その後は戦場ヶ原に向いました。小径を進むとここでようやくキバシリの声がしたため見ていると、どこからともなく飛んできたキバシリが間近に止まり、一旦どこかへ行ってしまったものの再度現れて周囲の木を登る行動を見せてくれました。木道を進むと川沿いにはオオバン、ホシハジロ、コガモの姿がありましたが、ここでは小鳥類の気配はありませんでした。ただ戻る途中ではコゲラ、エナガ、ヒガラ、ゴジュウカラに出会うことができました。そして最後は湯ノ湖に移動して遊歩道を歩いてみました。この日も間近にコガラ、ヒガラ、ゴジュウカラがやってきて賑やかになり、ここでも青いルリビタキが飛んできて針葉樹に止まっていました。また川では羽のマヒワが水を飲みにやってきていました。そしてどこからともなくアオゲラがやってきて盛んに鳴き、しばらく枯れ木に止まっていてくれたことから望遠鏡を使ってじっくり観察することもできました。湖上にはホオジロガモのオス、ヒドリガモ、カワウが見られ、その後は橋まで行ってみました。すると突然、アオシギが足元から飛び立ったため飛んでいった方向に進むと、さらに飛んで下流の方へ行ってしまいました。そのため再度探してみましたが見つからず、代わってツグミ、そしてカラマツに止まっている3羽のイカルを見て予定通り16:30にこの日の探鳥を終えました。
今回は渡り途中の冬鳥に期待してのツアーでしたが、結果的には残念ながら3日間を通して期待したような冬鳥との出会いはありませんでした。また例年に比べて残雪が多い印象で、この日はこの3日間で一番寒く感じました。じっくり観察とはいかなかったものの2カ所でアオシギに出会え、定番種のカワガラス、コガラ、ゴジュウカラ、キバシリ、そしてオオアカゲラのオス、メス、アカゲラ、アオゲラ、エナガ、ミソサザイ、イカル、ルリビタキ、カケスなども見られました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史
カワガラス 撮影：一ノ瀬徹様
ゴジュウカラ 撮影：大澤保男様
オオアカゲラ 撮影：中村由紀子様
ヒガラ 撮影：大澤保男様
ミソサザイ 撮影：中村由紀子様
カワガラス 撮影：大澤保男様
ルリビタキ 撮影：中村由紀子様
オオアカゲラ 撮影：大澤保男様
