【ツアー報告】早春の奥日光で渡りの冬鳥に会いたい! 2024年4月4日

(写真:キバシリ 撮影:向井幸雄様)

奥日光といえば毎年恒例になっているのが、晩秋にアオシギを集中的に探すツアーと初夏に草原や森林の夏鳥を探すツアーですが、今回はあえて中途半端な時期に奥日光を訪れ、定番になっている平地では越冬しない小鳥類、さらにはちょうど渡り期を迎えた冬鳥たちを探すことをメインにしてみました。奥日光といえば、平地では越冬しないアオシギ、カワガラス、キバシリ、ゴジュウカラ、コガラ、オオアカゲラといった種が生息していて比較的見やすく、今回はこれらに加えてレンジャク類やベニヒワ、オオマシコ、アトリ、マヒワ、ウソといった冬鳥たちとの出会いに期待しています。この冬は例年に比べてかなり冬鳥の渡来状況が良かったことから期待しての出発でした。この日は前日の雨は早朝には上がって終日曇りとの予報が出ていました。

4日、この日は前日の雨は上がっていて早朝の東京都内は曇り空でした。今回は東京駅前からのバスツアーとしては現地までの距離があるため出発時間を早めて07:30としていますが、今回も順調にご集合が完了したことからほぼ予定通り出発することができました。バス車内ではいつものようにこの日見られる可能性がある野鳥たちの解説や前日の様子をお伝えしながら進め、途中にあるサービスエリアで休憩をとった後は日光有料道路を経由して、おなじみのいろは坂に向かいました。サービスエリアでは一時的に晴れ間も見えましたがいろは坂では再び曇り空。ただ到着した戦場ヶ原では晴れ間が見えていました。最初の探鳥地ではバスを降りると上空をノスリが飛んでいました。道を歩くとここでは珍しいホオジロが2羽で餌を捕っていて付近では数羽のウソの姿もあり、地上から飛び立って針葉樹に止まっていました。さらには雪の上を歩いているエナガも見られ、倒木にとりついて餌を食べているオオアカゲラのメスとアカゲラのオスが見られ、3羽のゴジュウカラが次々に飛んできて木の幹を登っていました。川沿いまで行くとミソサザイがさえずり、木道から観察していると3羽のカワガラスが小競り合いをしているようで鳴きながら飛び回っていました。木道をさらに進むと各所でカワガラスが見られ、この日はオシドリのオス、さらにはメスも見ることができました。戻ってくる途中ではカラマツの林にヒガラが数多く見られ、珍しくじっと幹に止まって羽繕いをしているアカゲラを見ることもできました。その後は一旦各自昼食の時間としましたが、この時間も地上で餌を探すヒガラやコガラが見られ、上空をノスリが飛んでいました。その後は戦場ヶ原に向い、遊歩道を歩いて行くと間近にコゲラがやってきて止まり、雪の上では3羽のエナガが餌を探していました。またゴジュウカラもやってきたので見ていると、いつの間にか付近にやってきたキバシリが間近に幹を登り降りしていて、しばらくの間、じっくりと観察することができました。川沿いを歩くと小鳥の姿は少なかったもののコガモのつがいが見られ、戻る途中では再びキバシリが頭上の木にやってきて間近に見られ、ゴジュウカラは樹洞をのぞき込んで餌を探しているようでした。その後は湯ノ湖に向い、遊歩道を歩くと暖かかったせいかゴジュウカラがさえずり、ここでもヒガラが多くいるようでさえずりもよく聞こえました。すると突然、アオゲラが地上付近から飛び立って木に止まったため観察することができました。川沿いでは雪の上をハクセキレイが歩いていて、キセキレイは水浴びを繰り返していました。また湖上を眺めると遠くにカワアイサの小群、キンクロハジロ、ミコアイサ、カワウが見られました。その後は少々時間があったことからもう1カ所をめぐり、ここでもカラマツの林で地面で餌を探すヒガラ、コガラを見て16:30にこの日の探鳥を終えました。

今回は渡り途中の冬鳥に期待してのツアーでしたが、結果的には残念ながら期待したような冬鳥との出会いはありませんでした。また例年に比べて残雪が多い印象でしたが、この日は幸いにも天気が回復してくれ、これといった寒さを感じることもなく探鳥をすることができました。アオシギには出会えませんでしたが、定番種のカワガラス、コガラ、ゴジュウカラ、キバシリ、そしてオオアカゲラ、アカゲラ、アオゲラ、エナガ、ミソサザイ、ウソなども見られました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

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