【ツアー報告】早春の奥日光で渡りの冬鳥に会いたい! 2024年4月3日
(写真:ミソサザイ 撮影:東海林治様)
奥日光といえば毎年恒例になっているのが、晩秋にアオシギを集中的に探すツアーと初夏に草原や森林の夏鳥を探すツアーですが、今回はあえて中途半端な時期に奥日光を訪れ、定番になっている平地では越冬しない小鳥類、さらにはちょうど渡り期を迎えた冬鳥たちを探すことをメインにしてみました。奥日光といえば、平地では越冬しないアオシギ、カワガラス、キバシリ、ゴジュウカラ、コガラ、オオアカゲラといった種が生息していて比較的見やすく、今回はこれらに加えてレンジャク類やベニヒワ、オオマシコ、アトリ、マヒワ、ウソといった冬鳥たちとの出会いに期待しています。この冬は例年に比べてかなり冬鳥の渡来状況が良かったことから期待しての出発でしたが、この日は残念ながら午後からかなり激しい雨が降るとの予報が出てしまいました。
3日、この日は午後からの天気予報が悪かったものの、早朝の東京駅前は薄曇りといった感じで、まだまだ雨が降ってくる気配はありませんでした。今回は東京駅前からのバスツアーとしては現地までの距離があるため出発時間を早めて07:30としていますが、今回も順調にご集合が完了したことからほぼ予定通り出発することができました。バス車内ではいつものようにこの日見られる可能性がある野鳥たちの解説を行い、途中にあるサービスエリアで休憩をとった後は日光有料道路を経由して、おなじみのいろは坂に向かいました。ただ宇都宮付近でバスのエンジンが不調で出力が上がらず、通常走行は問題ないものの、いろは坂を登れない可能性があるとのことで、一旦バスを日光口PAにバスを止めて、代わりのバスに来ていただき乗り換えることにしました。約1時間ほどの待ち時間はPA内で過ごし、コゲラ エナガ ヒガラ ツバメなどを見ていると、たまたま群馬県内にバスがあったことから1時間ほどで乗り換えることができ、その後はいろは坂を通ってまずは戦場ヶ原に向いました。トイレと観察機材準備の後は最初の探鳥地に向い、バスを降りるとどこからかノスリが飛んできて木に止まり、さらにもう1羽が上空を飛んでいました。やや雪が残る道を進むといきなりすぐわきのせせらぎからアオシギが飛びたって驚かされました。川の本流まで行くと忙しくさえずるミソサザイが枯れ木のてっぺんに止まり、当地では定番のカワガラスが流木に止まったり、流れに入って餌を探したりしていました。木道を歩くと各所にマガモの姿があり、周囲の林ではヒガラ、コガラが餌を探し、針葉樹の枝先にはキクイタダキの姿もありましたが、ここで残念ながら小雨が落ちてきてしまいました。バスに戻る途中ではようやくカラ類の混群に出会い、かなりの数のヒガラ、そしてコガラ、シジュウカラ、ゴジュウカラが地面に降りて餌を探していて、エナガまでもが雪の上に降りていました。また周囲ではキバシリの姿を見ることもできました。その後は一旦、昼食の時間として、昼食後は戦場ヶ原に向いました。ここでは雨のせいもあってか小鳥の雰囲気はありませんでしたが、川ではマガモ、オオバン、カワガラスが見られ、戻る途中ではアカゲラが枯れ木をつつき、ズミの実にはウソがやってきていました。その後はさらに雨が強くなる中、湯ノ湖に向い雑木林を歩いてみました。ここではコガラ、ゴジュウカラが見られ、間近の地面にはヒガラがやってきてくれました。また木には2羽のウソの姿があり新芽をついばんでいるようでした。また地面付近で餌を捕っていたアオゲラが飛び立ち、川沿いには歩き回るツグミの姿もありました。また湯ノ湖にはかなりの数のオオバンが見られ、ほかにもキンクロハジロ、ホオジロガモ、ヒドリガモ、カワウも見られました。そして最後はもう一カ所探鳥し、ここでは地面で餌を探すヒガラ、コガラ、またカラマツの根の付近をつつくアカゲラも見られ、周囲が薄暗くなってきた16:30にこの日の探鳥を終えました。
今回は渡り途中の冬鳥に期待してのツアーでしたが、結果的には残念ながら期待したような冬鳥との出会いはありませんでした。また例年に比べて残雪が多く、また午後からはかなりの雨に降られてしまい、探鳥としては厳しいものになってしまいました。ただ幸いなことに定番種のカワガラス、コガラ、ゴジュウカラ、キバシリ、そしてじっくりではなかったですがアオシギにも出会え、アカゲラ、アオゲラ、ウソ、エナガ、ミソサザイ、キクイタダキなども見られました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史