【ツアー報告】珍鳥が渡る!春の与那国島 2024年3月30日~4月3日

(写真:アサクラサンショウクイ 撮影:日下部桂子様)

3月30日、夕方に那覇空港に全員集合。みんなで沖縄都市モノレールに乗って空港近くのホテルにチェックイン。

3月31日、朝、沖縄都市モノレールに乗って那覇空港到着。与那国島に向かう飛行機に搭乗顎、与那国島空港に到着。今年は異常に高温で28℃もあり、ジメッとした湿気をたっぷり含んだ風が吹く中、専用バスで探鳥を開始。まずは耕作地へ行く。数年前までは広大な水田地帯だったのだが、今年は田植えをしている水田が2枚しかない。サギ類やシロガシラ、タイワンヒヨドリなどを観察。シマアカモズがたくさん渡って来ているようであちこちにとまっている。移動中、耕作地上空をハイイロチュウヒの綺麗な雄が飛んでいるのでみなさんで盛り上がる。貯水池にカルガモ、コガモの中にマガモがいる。さらに進むと、ツメナガセキレイと綺麗なタイワンハクセキレイがいてみなさんでじっくりと観察、撮影。セイタカシギ、タカブシギなどもいて上空にはツバメが無数に飛んでいる。小学校の海側の堤防を歩くとヤツガシラがモモタマナの木に飛び移る。ヤツガシラは個体によって警戒心のすごく強い個体とまったく人を気にしない個体がいるが、この個体は我々を全然気にしないのでたっぷりと堪能する。昼食後、耕作地を歩くが水田が無くなってしまい乾燥化している。セイタカシギ、タシギ、セッカなどを観察。その後、集落へ行くとインドハッカが50羽程いて、ムクドリ、カラムクドリ、ホシムクドリが混じった群れが飛び回っている。小学校の校庭にムネカアタヒバリ10羽程にミヤマガラス、ケリなどがいる。ツバメの群れにアマツバメも混じっている。それらを見ていると電線にアサクラサンショウクイがとまったので慌ててみなさんで観察するが直ぐにヤマグワの木に入ってしまった。その後、もう一度、電線にとまるが、また、直ぐに飛んでしまい、しばらく待つが出て来ないので海の方へ歩いて行くとニシオジロビタキがいてみなさんでじっくりと観察、撮影する。

4月1日、朝の薄暗い中をダイサギとアオサギの50羽程の群れが海から入って来た。ホテルの周りを歩くとインドハッカの50羽程にムクドリ20羽、カラムクドリ15羽、ホシムクドリ4羽が混じった群れに、昨日はいなかったコムクドリも数羽入っている。ツグミ、ツメナガセキレイ、ハクセキレイなどを見てから朝食。別で行動していたお客さんがアサクラサンショウクイを見たという。出発後、耕作地の貯水池へ行くと、カルガモ、コガモ、ハシビロガモ、カイツブリ、セイタカシギなどがいる。崖にとまっているオオノスリを発見するが遠くて望遠鏡でもやっとの距離である。サシバ、ハイタカ、ハヤブサなどが次々に飛んで来る。耕作地を歩き水田で採餌をする綺麗なセイタカシギをみなさんでじっくりと観察、撮影。さらに比較的近い距離でオオノスリの飛翔を堪能する。さらに、ノスリ2羽とオオノスリ1羽が空中戦を何度も繰り返す。ノスリも大陸型なので内地で見るノスリと印象が違う。耕作地にツバメチドリが降りててみなさんでじっくりと観察、撮影する。昼食後、近年、数が減っている亜種サンショウクイの50羽程の群れが木で採餌をしてて感動する。ヤツガシラも残っていてじっくりと観察、撮影する。その後、さまざまな場所を廻るがバン、オオバンが新たに増えただけで新たな種は入っていない。その後は自由行動にしてホテルで休む人やこの周辺で粘る人に分かれる。インドハッカ、ムクドリ、コムクドリ、カラムクドリ、ホシムクドリが飛び回る。数名がアサクラサンショウクイを確認したが直ぐに飛んでしまったという。ホテルに戻り夕食。夜、リュウキュウコノハズクとアオバズクの声がする。

4月2日、朝からホテルの周りを歩く。ムクドリ類が大騒ぎをしていて昨日より数が増えている。電線にとまっているアサクラサンショウクイを発見。急いで全員で観察、さらに周りにいたバーダーたちにも声を掛けてみんなが集まる。昨日までとは違い、じっとしているので、そこにいた人たち全員でじっくりと観察、撮影する。20分以上もとまっていて「電線じゃなぁ~」などと余裕の発言も飛び出すほどアサクラサンショウクイを堪能したのである。朝食後出発。朝から晴れてて真夏のように暑い。日本最西端の西崎へ行く。ここから台湾まで約100km、晴れる台湾が見える近さのだ。空港近くの耕作地の貯水池へ行くと昨日はいなかったヨシガモの雄が入っている。上空をオオノスリがゆっくりと旋回していく。田原から山道を登っていくとここでもオオノスリがゆっくり舞う。序に日本で一番小さなセミのイワサキクサゼミをみなさんで観察、撮影。明らかに昨日より鳥が減っている。ヤツガシラは今日も残ってて餌を投げては食べる動作を繰り返している。その後、各所を廻るが、ノビタキがたくさん渡ってきただけで新たな種は入っていない。夕方は集落へ行き、ホオジロハクセキレイ、タイワンハクセキレイやコサメビタキなどを観察、撮影。モモタマナにインドハッカ約30羽、カラムクドリ約15羽、ホシムクドリ4羽、コムクドリ4羽、ムクドリ約20羽がとまっている。カラムクやホシムクなんて東京や大阪辺りで1羽でも出たら大騒ぎとなるのに、ここでは、もう、普通種扱いで誰も撮影しないのである。

4月3日、風の強い中、朝からホテルの周りを歩く。芝生にツバメチドリが入っている。ムクドリ類は相変わらず大騒ぎをしてて、今日もアサクラサンショウクイが電線にとまっている。朝食後に出発。無数のツバメが飛んでいる。その後、耕作地の貯水池に着いてみんながバスから降りた時である。大地がぐらぐら揺れて中型バスがポンポン跳ねている。“地震だ!”しかもかなり大きいので、急いで皆さんをバスに戻す。すると、アラートが鳴り続け、台湾でマグニチュード7.7の大地震があったという。急いでドライバーさんとバスを高台へ移動する。島民たちもぞくぞくと集まって来た。津波警報が発令され予報では3mの津波が来るという。緊張が走る中、与那国島に第一波が到着したというが波の高さは30cm。津波警報が発令中は与那国空港も那覇空港も全て閉鎖という。その後、津波注意報となったが、那覇空港は大混乱。定刻より2時間半遅れで那覇空港に到着。搭乗予定の那覇―羽田便は欠航。しかし、臨時便で全員が帰れることとなり羽田空港へと向かったのである。

思わぬことで台湾の近さを実感した春の与那国島は、カラムクドリ、ホシムクドリ、ムクドリ、コムクドリ、インドハッカのムクドリ祭りでした。そして、アサクラサンショウクイ、オオノスリ、ハイイロチュウヒ、ヤツガシラ、ツメナガセキレイ、タイワンハクセキレイ、ホオジロハクセキレイなどと渡り鳥の島を実感できたことと思います。みなさまが無事でよかった。お疲れ様でした。

宮島仁

サンショウクイ 撮影:tayan様

 

アサクラサンショウクイ 撮影:大場宏一様

 

ニシオジロビタキ 撮影:近藤俊三様

 

カラムクドリ 撮影:福渡毅様

 

ツメナガセキレイ 撮影:日下部桂子様

 

ツメナガセキレイ 撮影:tayan様

 

ヤツガシラ 撮影:大場宏一様

 

ハイイロチュウヒ 撮影:近藤俊三様

 

インドハッカ 撮影:福渡毅様

 

シロガシラ 撮影:日下部桂子様

 

シマアカモズ 撮影:tayan様

 

ツメナガセキレイ 撮影:大場宏一様

 

ツバメチドリ 撮影:近藤俊三様

 

アサクラサンショウクイ 撮影:福渡毅様

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