【ツアー報告】3月限定 やんばるの森とホエールウォッチング 2024年3月27日~29日
(写真:ザトウクジラ 撮影:伊原やよい様)
27日、那覇空港でお客様と合流。一気に北上してホエールウォッチングの事務所で手続き。気温が上がり真夏のような暑さである。港の近くの公園で昼食後に出航し、船はクジラを探しながらぐいぐい進む。毎年、12月~3月頃に沖縄本島近海には700~1000頭以上のザトウクジラがやって来て出産・子育てや求婚をするのである。ここは比較的に陸から近いところがクジラのポイントなので、港から短時間で出会うことが多い。45分程で走ってクジラのブローを発見し、全速力で直行する。お母さんと今年産まれの子クジラ、さらにお母さんに求愛する雄クジラの3頭である。今年産まれといっても全長4~5m、体重1トンもある。3頭でフルークダウンを繰り返すがちょっと距離がある。1時間程観察していると、別の親子がいるとの連絡が入り全速力で直行する。こちらも、お母さんと子クジラ、エスコートの3頭である。こちらは比較的近くでフルークダウンが見られて大盛り上がりとなった。帰港後、やんばるを目指して北上しヤンバルクイナのポイントで待つと、ヤンバルクイナの雌雄が出て来て餌を啄ばむ姿をみなさんでじっくり観察、撮影する。ホテルの横の空き地にもヤンバルクイナが餌を採っている。夕食はザトウクジラとヤンバルクイナの話で盛り上がる。
28日、一晩中、ホテルの周りでヤンバルクイナが鳴く。早朝、やんばるの森を車でゆっくり走る。春らしくオキナワシジュウカラ、リュウキュウメジロ、ホントウアカヒゲなどがあちこちで朗々と囀る。今年はずっと暖かいのでヤンバルクイナがあちこちに出てきて餌を啄ばむ。それにしても朝だけで合計10羽以上を確認するというツキまくり。畑でのんびりと餌を啄ばむペアを発見して、皆さんでじっくりと観察、撮影。さらにノグチゲラ3羽が追いかけっこをするのでみなさんで盛り上がる。一旦、ホテルに戻って朝食後は再び、やんばるの森をゆっくり走る。この時期は、イタジイなどの照葉樹が一斉に芽吹き、山はブロッコリーの森のようなのだ。ホントウアカヒゲのポイントで雄が出てきて朗々と囀るので、みなさんでじっくりと観察、撮影する。ホントウアカヒゲはアカヒゲの亜種だったが、この秋に晴れて独立種となる。別のポイントでも雄が出てきて朗々と囀るのでみなさんで盛り上がる。さらに、ノグチゲラが木で採餌をしている姿を観察、撮影して、やんばるの森を進む。この時期限定の“幻のパープル・シャンデリア”といわれているイルカンダが南国的なエキゾチックな花を付けている。辺野喜ダムへ行くと、ここでもホントウアカヒゲの雄が朗々と囀っているので全員でたっぷりと堪能する。その後は昼食とお買い物。午後、耕作地ややんばるの森を走ってからホテルに到着。勝手にヤンバルクイナ、ノグチゲラ、ホントウアカヒゲを“やんばる3点セット”と呼んでいるが、本日は3点セットを全員でたっぷりと観察、撮影することが出来て、夕食は大いに盛り上がったのである。夜、ホテルの前でリュウキュウアオバズクとリュウキュウコノハズクの声を聞いていると、真っ暗の中、ヤンバルクイナが餌を啄ばんでいた。
29日、夜中から土砂降り。今年の冬のやんばるは雨が殆ど降っていなくて水不足が心配されている。朝の観察は土砂降りで中止。朝食後に出発。南下すると雨も止み耕作地へ行く。サギ類やコチドリ、セイタカシギ、シロガシラ、シマキンパラなどを観察、撮影していると、ツアーになると出て来ない難敵のリュウキュウヨシゴイの雌を発見。全員が観察する前に飛んでしまうが草地の中でじっとしている姿を再発見して、みなさんでじっくりと観察、撮影する。11:15お弁当の昼食。さらに南下してコガモ、ハシビロガモ、ヒドリガモなどのカモ類やコチドリ、タカブシギ、オジロトウネンなどのシギ・チドリ類、白いクロサギなどを観察、撮影。シマアジの綺麗な雄がいて盛り上がる。耕作地をゆっくり走るとハクセキレイ10羽程の群れに亜種ホオジロハクセキレイ、タイワンハクセキレイ、ツメナガセキレイが混じっている。それらを観察しているとツバメチドリ2羽がいてみなさんでじっくりと観察、撮影する。その後は抱卵中のクロサギを観察して、ハシビロガモ、コガモなどのカモ類やコチドリ、セイタカシギ、タカブシギなどのシギ・チドリ類を観察、撮影。ソリハシセイタカシギが近くにやって来て盛り上がり那覇空港へと向かったのである。この時期限定のザトウクジラとやんばる3点セットにいろいろとおまけが付いて盛り上がったツアーでした。みなさま、お疲れ様でした。
宮島 仁