【ツアー報告】冬鳥満喫！じっくり散策 冬の真岡市井頭公園 ２０２４年１月１７日
（写真：ルリビタキ 撮影：坂東俊輝様）
冬の小鳥類をまとめて観察することを目的とした毎冬恒例の日帰りバスツアー。広範囲に井頭公園で観察できるよう、ここ数年は終日井頭公園で探鳥する行程に変更しています。ここ数年の井頭公園は相変わらず小鳥類は安定して見られ、池に飛来するヨシガモの個体数が一気に増えたことで、そもそもよく見られていたミコアイサと共に人気のカモ類が増えました。小鳥類ではエナガが良く見られ、ヤマガラ、シジュウカラも多く、冬鳥としてやってくるジョウビタキ、ルリビタキ、トラツグミ、シロハラ、シメ、ビンズイは定番種で、過去にはトモエガモ、ミヤマホオジロ、ベニマシコ、アリスイ、クイナ、ニシオジロビタキなども見られています。この日は天気予報は晴れマーク一色で最高気温は12℃とのことで、この時期としては比較的暖かな1日になるだろうとのことでした。
17日、天気予報通り、早朝から見事な快晴の東京駅前を予定通り09:00に出発して東北道を走りました。途中、サービスエリアで休憩を挟んでから北関東自動車道を走って現地に向かい、いつものようにバス車内ではこの日に見られる可能性がある種の中から、特に目立った種や前回のツアーで見られた種に関して識別ポイントなどの解説を行いました。現地に到着後は各自観察機材の準備を行っていただきましたが、この日は公園内は樹木の伐採作業が行われていました。駐車場付近では早速、シジュウカラやヤマガラの声が聞こえ、歩き出すと珍しくメジロが枯れ木にじっと止まっていました。さらに歩くとルリビタキのメスが低木から地面に降りては餌を探し、その後は池が一望できる場所からカモ類を観察しました。前回とは異なり池は一部が凍結していて、この日は珍しくトモエガモのオスが氷に上がって休んでいました。周りにはヒドリガモ、マガモ、カルガモに混じってヨシガモの姿もかなり多く見られ、ヨシガモも氷に上がっていたので、その可愛らしい姿をじっくりと観察することができました。林に入ると20羽はいようかというエナガの大きな群れがやってきて樹液を吸い、メジロやヤマガラ、シジュウカラも一緒になって樹液を吸っていました。その後は池に沿って歩き、中ほどまで来るとここでようやくミコアイサの姿がありました。この日はオスが2羽、そしてメスはいつもより多く3羽が見られ、周辺にはかなりの数のコガモ、やや距離がありましたがこの冬に数が増えた印象があるオカヨシガモが群れていました。さらに歩くとここでもかなりの数のエナガの群れが見られ、シジュウカラやヤマガラ、メジロ、コゲラなども一緒になってどんどん移動していました。また池のほとりではシメが木の実をついばむ姿も見られました。そしていつの間にかお昼を過ぎてしまったことから昼食を食べる予定の広場に行くと針葉樹に群れるシジュウカラとヤマガラが見られ、しばらく見ているとヒガラが枝先に出てきて、さらにはキクイタダキがホバリングをしていたことから観察することができました。昼食を食べている間にも間近に3羽のビンズイがやってきてノコノコ歩き回り、薄暗い地面ではシロハラがせっせと餌を探していました。またここでは美しい青いルリビタキもやってきて、しばらくの間、我々の目の前で餌を探していたことから、じっくりとその姿を観察することもできました。昼食後は主にトラツグミを探して前回に見られた場所を中心に探してみました。ただこの日はなかなか出会うことができず、そのため過去に見たことがある場所も探してみました。すると薄暗い針葉樹林の地面を歩き回るトラツグミに出会うことがでました。ただこの個体は警戒心が強いらしく、すぐに飛び立っては木に止まってしまうため、じっくりと観察するといった状況にはなりませんでした。ただ観察中にはアカゲラがやってきて幹を登り、よく見るとアオゲラもいたことから一緒に観察することができました。
この日は終日穏やかな晴天に恵まれ、探鳥日和の1日でした。冷え込みのせいか一部が凍結した池では、珍しく氷に上がっているトモエガモのオスが見られ、同時にヨシガモも見られ、人気のあるミコアイサは5羽で見られました。林の中ではこの冬の傾向なのか、アカゲラ、キクイタダキが見られ、冬鳥のシメ、ツグミ、ジョウビタキ、そして常連のシジュウカラ、ヤマガラ、エナガ、ルリビタキ、ビンズイ、シロハラ、そしてじっくりとはいきませんでしたがトラツグミに出会うこともでき、ヒガラ、アオゲラといった当地ではあまり見かけない種にも出会うことができました。今回もたくさん歩いていただきお疲れさまでした。またご一緒できましたら幸いです。
石田光史
ミコアイサ 撮影：IH様
ビンズイ 撮影：坂東俊輝様
ビンズイ 撮影：IH様
トモエガモ 撮影：坂東俊輝様
ルリビタキ 撮影：IH様
シロハラ 撮影：坂東俊輝様
