【ツアー報告】冬鳥満喫!じっくり散策 冬の真岡市井頭公園 2024年1月11日
(写真:トラツグミ 撮影:緑川裕子様)
冬の小鳥類をまとめて観察することを目的とした毎冬恒例の日帰りバスツアー。広範囲に井頭公園で観察できるよう、ここ数年は終日井頭公園で探鳥する行程に変更しています。ここ数年の井頭公園は相変わらず小鳥類は安定して見られ、池に飛来するヨシガモの個体数が一気に増えたことで、そもそもよく見られていたミコアイサと共に人気のカモ類が増えました。小鳥類ではエナガが良く見られ、ヤマガラ、シジュウカラも多く、冬鳥としてやってくるジョウビタキ、ルリビタキ、トラツグミ、シロハラ、シメ、ビンズイは定番種で、過去にはトモエガモ、ミヤマホオジロ、ベニマシコ、アリスイ、クイナ、ニシオジロビタキなども見られています。この日は曇りベースの1日だったこともあって厳しい冷え込みとなりました。
11日、天気予報は曇りのち晴れながら、早朝の東京駅前は今にも雨が落ちてきそうな曇り空でかなりの冷え込みでした。ご集合が完了したため予定通り09:00に出発して東北道を走りました。途中、サービスエリアで休憩を挟んでから北関東自動車道を走って現地に向かい、いつものようにバス車内ではこの日に見られる可能性がある種の中から、特に目立った種に関して識別ポイントなどの解説を行いました。現地に到着後は各自観察機材の準備を行っていただいてから公園内を歩きました。小さなせせらぎにはシジュウカラ、ヤマガラ、メジロ、ヒヨドリがやってきていて、たった1羽ながらマヒワの姿もありました。小径にはルリビタキの姿があり、地面に降りては木に止まるといった行動を繰り返していました。池が一望できる場所までくると、この日はマガモ、カルガモ、ヒドリガモ、オナガガモといった常連に負けないくらいの数のヨシガモが間近に見られ、やや遠くにはこの冬に一気に数が増えたオカヨシガモが群れていました。その後は遊歩道を歩きながら探鳥すると、道の真ん中を歩くビンズイが間近に見られ、この冬に目立つアカゲラがやってきて、枯れ木をつつく姿をしばらく見せてくれました。池のほとりにある小さな湿地ではアトリ、シメの姿があり、しばらく観察していると次々に水場に降りては水を飲んでいて、そこにはアオジ、メジロも加わって賑やかになっていました。また付近にある枯れ木にはアカゲラの姿があり、しばらく木をつついていたため、ここでもじっくりとその姿を見ることができました。湖面を見るとかなりの数のコガモが群れ、枯れ木には1羽でたたずむアオサギの姿もありました。さらに進むと、またまたアカゲラに出会い、ここでも盛んに枯れ木をつつく姿をじっくり見ることができました。そしてそろそろお昼になったことから広場にて各自、昼食の時間としました。そして昼食の途中には、この冬に見られているニシオジロビタキが現れましたが、わずかな時間でどこかに飛び去ってしまいました。しばらく見ていましたが、ニシオジロビタキが現れなかったため、一旦別の場所に行ってみることにしました。ここでは雑木林に群れ飛ぶ、エナガの群れが見られ、シジュウカラ、ヤマガラ、メジロ、コゲラも混じって賑やかに動きまわっていました。その後も遊歩道沿いに歩いていると、ここで低木に止まっているトラツグミがいたことから望遠鏡を使って観察することができました。その後は再びニシオジロビタキの姿を探しましたが、残念ながら姿を見ることはできませんでした。ただここでも再び地面を歩いているトラツグミがいたことから観察することができ、ほかにもツグミ、シロハラ、美しい青いルリビタキも見ることができました。時間が押してしまったことから、その後は駐車場に向かって歩き、ここでも再度、アカゲラをじっくり見ることができたほか、わずかながらアオゲラも見られ、ようやく湖面に浮いているミコアイサに出会うことができ、静かな湖面に純白に見える美しい2羽のオスを堪能することができました。さらに歩くと杉林の中からキクイタダキの声が聞こえ、位置が低そうだったことから見てみると数羽のキクイタダキが杉の枝先でホバリングしながら餌を探していました。なかなか見る機会がない小鳥ですが、この冬は個体数が多いのか、かなり声が聞こえていて、最後の最後に見るチャンスがあり幸いでした。
終日、どんよりとした空も下だったこともあって、かなりの冷え込みの1日でした。池では可愛らしいヨシガモ、美しいミコアイサ、シックなオカヨシガモが見られ、わずかな時間ながらニシオジロビタキの姿も見られました。またこの冬によく見られているアカゲラが複数個所で見られ、冬鳥のアトリ、マヒワ、シメ、ツグミ、そして常連のシジュウカラ、ヤマガラ、エナガ、ルリビタキ、ビンズイ、シロハラ、アオジ、そして2カ所でトラツグミに出会うこともでき、最後はホバリングするキクイタダキに出会うこともできました。今回もたくさん歩いていただきお疲れさまでした。またご一緒できましたら幸いです。
石田光史