【ツアー報告】冬の琵琶湖で1日60種観察にトライ! 2024年1月7日
(写真:オオワシ 撮影:貝吹明彦様)
ここ数年、新年のスタートツアーとして定番になった冬の琵琶湖をめぐる日帰りバスツアー。2024年も3連休に合わせて3本企画してみましたが、おかげさまですべて満席となりました。琵琶湖でのツアーは毎年これだけではありますが、湖北の探鳥地をたった1日めぐるだけでもかなりの数の野鳥に出会えることから、タイトルには60種観察という目標を掲げてみました。今回もさまざまな方面からご参加いただきやすいように米原駅発着のツアーとし、幸いご好評をいただけたようでそれぞれの方向から多くの方々にご参加いただくことができました。冬の琵琶湖は過去、大雪など天候悪化があり心配がつきもので、今回も事前の天気予報がコロコロ変わり、前日までは終日雨との予報でしたが、当日朝の天気予報では昼前からは晴れマークが並びました。
7日、米原駅周辺は早朝から晴れ間があり、時間とともに空はみるみる青空になってきていました。予定通り10:00にご集合が完了したことから予定通り琵琶湖に向かって出発しました。今回も米原駅からということもあって30分ほどで最初のポイントに到着することができ、到着後は各自観察機材の準備をしていただいてから歩き出しました。意外なことに空は青空が広がっていて天気は大丈夫でしたが、やや風が強い印象でした。まずは間近にジョウビタキのオスが現れてくれ、川ではコガモが群れていました。河口まで行くと強風の中、カンムリカイツブリが群れ、間近にハジロカイツブリが浮上し、遠くにはミコアイサ、カワアイサの姿もありました。また砂浜にはセグロセキレイ、イソシギ、そしてアオサギの群れも見られました。公園まで戻るとハンノキにアトリが群れ、付近からニシオジロビタキの声がしたことから探してみると、雑木林の中を移動しているニシオジロビタキの姿があり、比較的見通しの良い枝に止まってくれたため望遠鏡を使ってじっくり観察することができました。その後は一旦、各自昼食の時間とし、昼食後は対岸の枯れ木に止まるオオワシを望遠鏡で見てから湖岸を歩きました。ただこの日は琵琶湖畔にはほとんど水鳥の姿がなく、奥の堤防付近まで歩いてようやく水鳥たちを観察することができました。風を避けるかのようにマガモ、カルガモ、ヒドリガモが群れ、その中にはカワアイサ、ホオジロガモ、オカヨシガモ、ホシハジロの姿があり、強風にあおられるかのように2羽のミサゴが飛んでいました。その後は小雨が降ってくる中、畑地を歩きましたがこの日はモズが見られただけで、その後は木に止まっているオオワシを再度観察しました。観察後はバスにて次のポイントに向かいましたが、たまたまオオワシが止まっている山の下の道を走ることから途中でバスを止め、より近くからオオワシを観察してみました。この日は松の木の上に乗るように止まっていたため見晴らしは良くありませんでしたが、いきなりオオワシが飛びたち、その後はミサゴに追われながらも上空を飛び回り、最後は我々の頭上を通過して再び別の木に止まりました。ただ全身が見えなかったため、やや角度を変えて観察してみると枯れ木に止まっているオオワシの全身を観察することができました。次のポイントでは小雨が降りしきる中、かなりの数のオナガガモが地上に上がって餌を食べ、湖面にはマガモ、カルガモ、コガモに混じって、美しいヨシガモ、ミコアイサが見られ、珍しく木に止まっているトモエガモも見られました。その後は一気に風が冷たくなってくる中、最後のポイントを歩きました。驚いたことにわずかな移動時間だったにも関わらず天気は小雨から晴天に変わっていました。畑地の中の道を歩くと20羽ほどのタゲリの群れが地上に群れていたため観察していると、群れは一斉に飛び立って見事な群翔を見せてくれました。その後はみるみる風が強くなり、さらには寒さが一気に増してくる中、枯れ木に群れているカシラダカ、湖面に群れるヒドリガモ、ミコアイサ、塒入り前なのか、畑地に群れているトビを見て探鳥を終了しました。
前日に引き続いての冬の琵琶湖でしたが強風や寒さのせいか小鳥類をしっかり観察する機会が少なく、結果的には観察種は52種でした。ただヨシガモ、トモエガモ、ホオジロガモ、カワアイサ、ミコアイサ、タゲリ、ミサゴ、ノスリ、アトリ、そしてニシオジロビタキなどが見られ、この日は過去にあまり見たことがないオオワシの飛翔を堪能することができました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史