【ツアー報告】冬の道東でシマフクロウとユキホオジロに会いたい!2023年12月19日~21日
(写真:ユキホオジロ 撮影:正木彰様)
季節を問わず魅力的な野鳥たちが目白押しの北海道。特に道東、知床エリアはバードウォッチャーならば毎年でも訪れたい憧れの場所でしょう。今回はその道東エリアの一部に留鳥として生息しているシマフクロウを観察することを主な目的として企画してきたツアーをリニューアルし、日中の時間のほぼすべてをユキホオジロを探す行程に変更してみました。まずシマフクロウは国の天然記念物に指定されている日本産では最大のフクロウ類で、全長70cm、翼を広げると180cmにも及びます。夜行性のためその姿を見ることは難しいのですが、道東の一部の宿泊施設ではお客様に提供するために活けられている魚を狙って夜な夜なシマフクロウがやってくるようになった場所があり、それらの場所ではシマフクロウが見られるよう工夫し、また結果として保護増殖に貢献している事例があります。この時期はシマフクロウの繁殖期前のためオス、メス共に行動が活発で、つがいで見られる可能性が高いことが特長で、日没が早いため観察時間を長めに確保できること、厳冬期に比べて混雑していないこと、そして雪景色で見られる可能性が高いことからシマフクロウ観察、撮影にはベストシーズンでしょう。一方、ユキホオジロは冬鳥として渡来するものの採食行動の特性から行動範囲が極めて広く、北海道の人気種の中でも出会うことが難しい種といえるでしょう。ただ今回はあえてチャレンジしてみることにしました。
*諸般の事情により詳しい内容をウェブサイトには公開しておりません。
今回からは長らく企画、催行してきた「シマフクロウに会いたい」「シマフクロウを撮る」をリニューアルし、日中の時間のほぼすべてを使って、なかなか出会うことができないユキホオジロを徹底的に探す行程に変更してみました。正直、かなり難しいだろうと覚悟はしていましたが、結果的には4回チャレンジする機会があり、そのすべてでユキホオジロを堪能することができました。ただ観察条件はさまざまで今回は快晴無風でしたが、積雪がかなりあったり強烈な風が吹いたり、時には砂塵が舞うようなこともありました。ただ、こういった厳しい環境の中で生きている野鳥であることは認識できたと思います。一方、シマフクロウは今年は幼鳥が1羽無事に巣立ったようでまずはほっとしました。ただシマフクロウに関してもあっさり観察できたこともあれば、今回のように出会うまでにかなりの時間を要するなどさまざまで、同様に天候も激しい吹雪や強風にさらされることが今年は多かったように感じました。またこの冬は冬鳥の渡来状況が良いことが幸いし、すべてで200羽前後のベニヒワの大群が見られました。これはなかなか見る機会がない貴重なシーンで印象的でした。ほかにも今回はハギマシコ、コクガン、シノリガモ、コオリガモ、オオワシ、オジロワシ、ワシカモメ、シロカモメなども見られました。北海道はさまざまツアー企画していますが、どこに行っても魅力的な野鳥が楽しめます。ぜひ季節や場所を変えてまたお出かけください。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史